コンサルタントは確定申告必要か?確定申告のポイントなど徹底解説

税務

企業の経営課題を解決し、戦略立案から実行支援までを行うコンサルタント。自身の知識と経験を資本とするこの職業は、在庫を持たず、PC一台と身一つで高付加価値を生み出せるため、独立開業や副業としての人気が非常に高い職種です。しかし、クライアントの課題解決にはプロフェッショナルであっても、自身の「税金」や「確定申告」となると、後回しにしてしまったり、苦手意識を持っていたりする方は少なくありません。

特にコンサルタントの報酬は、契約形態によって源泉徴収される場合とされない場合が混在し、経費の範囲も「知識の仕入れ」や「人脈形成」という目に見えないものが多いため、判断に迷うポイントが多々あります。また、税制は毎年のように改正され、基礎控除の判定基準やペナルティの厳格化など、ルールは常に変化しています。

この記事では、コンサルタントが直面する確定申告の義務、特有の経費処理、そして自身の時間を最大化するための税理士活用法について、具体的な金額の変動に左右されない本質的な考え方を軸に徹底的に解説していきます。

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コンサルタントは確定申告必要か?確定申告のポイントなど徹底解説

  1. コンサルタントは確定申告が必要か?
    1. 専業コンサルタント(個人事業主)の場合
    2. 副業でコンサルティングを行っている場合
    3. 住民税の申告に関する注意点
  2. 確定申告の提出期限
    1. 原則的な申告期間
    2. 納税の期限
    3. 消費税の申告期限
  3. コンサルタントが確定申告を行わない場合のペナルティ
    1. 無申告加算税と厳格化
    2. 延滞税の仕組み
    3. 重加算税のリスク
    4. 社会的信用の失墜
  4. コンサルタントは自分で確定申告を行うことが可能か?
    1. 経費構造が比較的シンプル
    2. クラウド会計ソフトの活用
  5. コンサルタントが自分で確定申告を行うことメリット
    1. コストを最小限に抑えられる
    2. 経営状態をリアルタイムで把握できる
    3. 税務知識が身につく
  6. コンサルタントが自分で確定申告を行うことデメリット
    1. 本業の時間が削られる(機会損失)
    2. 計算ミスや申告漏れのリスク
    3. 精神的な負担
  7. コンサルタントが自分で確定申告をするための流れ
    1. ステップ1:事前準備と届出
    2. ステップ2:日々の取引の記録(記帳)
    3. ステップ3:決算処理
    4. ステップ4:申告書の作成
    5. ステップ5:提出と納税
  8. コンサルタントが自分で確定申告をするために必要な資料等
    1. 収入を証明する書類
    2. 経費の領収書・レシート・インボイス
    3. 各種控除証明書
  9. コンサルタントが税理士を活用するメリット
    1. 本業への集中と単価向上
    2. 専門的な節税アドバイス(グレーゾーンの判断)
    3. 法人化(マイクロ法人)のシミュレーション
    4. 税務調査への対応と安心感
  10. コンサルタントが税理士を活用するデメリット
    1. コストの発生
    2. ビジネス理解のミスマッチ
  11. コンサルタントが税理士へ依頼する場合の費用相場
    1. スポット契約(年一回の確定申告のみ)
    2. 顧問契約(毎月のサポート)
  12. コンサルタントが税理士を探す方法
    1. 同業者のコンサルタントからの紹介
    2. 税理士紹介サイト・マッチングサービスの利用
    3. ビジネス交流会やセミナーでの出会い
  13. コンサルタントが税理士を選ぶ際のポイント
    1. 業界知識と無形ビジネスへの理解
    2. ITリテラシーとツールの親和性
    3. 提案力(コンサルティング能力)
  14. まとめ

コンサルタントは確定申告が必要か?

コンサルタントとしてクライアント企業やエージェントから報酬を得ている場合、多くのケースで確定申告が必要となります。その義務の有無を判断する上で最も重要な原則は、契約書に記載された「報酬額(売上)」そのものではなく、そこから移動交通費や会議費、図書研究費などの経費を差し引いた「所得(利益)」がいくらあるかという点です。

専業コンサルタント(個人事業主)の場合

企業に属さず独立して活動しているフリーランスのコンサルタント(個人事業主)の場合、1月1日から12月31日までの1年間の「事業所得」が、国が定める「基礎控除額」を超えた場合に確定申告が必要となります。

基礎控除額とは、すべての人に適用される「税金がかからない枠」のことです。かつてはこの金額は一律でしたが、近年の税制改正により、個人の合計所得金額に応じて控除額が変動する仕組みや、税制改正のタイミングで基準額そのものが引き上げられるなどの変更が行われています。 重要なのは、ご自身のコンサルタント事業による所得(コンサルティング報酬-必要経費)が、その年においてご自身に適用される「基礎控除額」を上回っているかどうかです。

コンサルタントは仕入れがないため利益率が高くなりがちですが、一方で出張費や接待交際費、高額なセミナー参加費などで経費がかさむこともあります。売上が大きくても、これらの経費を差し引いた結果、所得が基礎控除額の範囲内に収まれば、所得税の確定申告義務は生じない可能性があります。

副業でコンサルティングを行っている場合

事業会社に勤務しながら、終業後や週末にスポットコンサル(マッチングサービス利用や直接契約)を行って収入を得ている「副業コンサルタント」の場合も注意が必要です。この場合、本業の給与以外の所得(副業による所得)の合計が、国が定める一定の基準(一般的に年間20万円といわれますが、最新の規定を確認してください)を超えると確定申告が必要となります。

ここでも基準は「所得」です。副業の売上があっても、そのために専門書を購入したり、クライアント先への交通費や打ち合わせのカフェ代を支払って経費がかかっていれば、売上から経費を引いた金額で判定します。

住民税の申告に関する注意点

よくある誤解として、「所得税の確定申告が不要なら、何も手続きしなくていい」というものがありますが、これはあくまで国税である「所得税」の話です。お住まいの地域に納める「住民税」には、所得税のような少額不申告の特例はありません。コンサルティング活動による所得が少しでも発生していれば、別途、市区町村へ住民税の申告を行う必要があります。これを怠ると、所得証明書が正しく発行されなかったり、後になって自治体から収入の問い合わせが来たりするリスクがあります。

確定申告の提出期限

プロジェクトの納期と同様に、税務署への提出にも絶対に守らなければならない「期限」が存在します。コンサルタントとしての信用を守るためにも、スケジュール管理は徹底しなければなりません。

原則的な申告期間

所得税の確定申告期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までと定められています。対象となるのは、前年の1月1日から12月31日までに発生した所得です。提出期限日が土曜日や日曜日に重なる場合は、その翌月曜日が期限となります。この期間、税務署は非常に混雑するため、多忙なコンサルタントであれば自宅やオフィスから24時間いつでも送信できるe-Tax(電子申告)の利用が推奨されます。

納税の期限

申告書の提出期限と、税金を納める期限は原則として同じ日です。つまり、期限日までに申告書を提出し、かつ算出された所得税をその日までに納付する必要があります。銀行窓口に行く時間がない場合は、指定した銀行口座から自動で引き落とされる「振替納税」の手続きをしておくと便利です。振替納税を利用する場合、引き落とし日は通常申告期限から約1ヶ月後に設定されるため、資金繰りに猶予が生まれるというメリットもあります。

消費税の申告期限

インボイス制度の導入などに伴い、課税事業者となったコンサルタント(適格請求書発行事業者として登録した方や、基準期間の課税売上高が一定額を超えた方)は、消費税の確定申告も必要になります。消費税の申告期限は所得税よりも少し遅い3月31日までとなっていますが、計算が所得税よりも複雑になるため、早めの準備が必要です。

コンサルタントが確定申告を行わない場合のペナルティ

「自分のような個人規模ならバレないだろう」と考えるのは危険です。多くの企業はコンプライアンスを重視しており、コンサルタントへの報酬支払いを税務署に報告しています(支払調書の提出など)。税務署はお金の流れを把握しています。無申告が発覚した場合、本来納めるべき税金に加え、非常に重いペナルティが科されます。

無申告加算税と厳格化

期限内に確定申告をしなかった場合、納めるべき税額に上乗せして「無申告加算税」が課されます。 このペナルティの税率は一律ではなく、納付すべき税額の多寡によって段階的に設定されています。さらに、近年の税制改正により、高額な無申告に対するペナルティが強化されました。一定額を超える税額部分に対しては、より高い税率が適用される仕組みとなっています。 売上の高いコンサルタントの場合、消費税の無申告なども合わせると、この高税率ラインに抵触する可能性は十分にあり、稼いだ利益を一気に失うことになりかねません。ただし、税務署から指摘を受ける前に自主的に申告した場合は、ペナルティの税率が軽減される措置があります。気づいた時点で一日も早く対応することが重要です。

延滞税の仕組み

無申告加算税に加え、法定納期限の翌日から実際に税金を納付するまでの日数に応じて、利息に相当する「延滞税」が発生します。延滞税の割合は年によって変動しますが、納付が遅れれば遅れるほど利率が跳ね上がる仕組みになっています。納期限から一定期間(通常2ヶ月)を経過した後は、さらに高い利率が適用されます。これは一般的な銀行融資の金利を遥かに上回る水準になることもあり、放置すればするほど負担は雪だるま式に増えていきます。

重加算税のリスク

単に申告を忘れていただけでなく、売上を意図的に隠蔽したり、架空の経費を計上したりといった悪質な仮装・隠蔽行為があったと認定された場合は、無申告加算税に代わって「重加算税」が課されます。この税率は行政処分の中でも極めて高い数値に設定されており、税務調査において最も重いペナルティです。 コンサルタントの場合、プライベートな旅行費用を出張費と偽って経費計上していたり、現金で受け取った報酬を除外していたりすると、これに該当する可能性があります。重加算税を課されると、金銭的なダメージだけでなく、社会的信用を失い、以降数年にわたって税務署から厳しいマークを受けることになります。

社会的信用の失墜

コンサルタントにとって「信用」は商品そのものです。税金の滞納や無申告が原因で銀行口座が差し押さえられたりすれば、クライアントからの信頼は地に落ち、契約解除や取引停止に直結します。また、将来的に事業拡大のために融資を受けようとした際に、納税証明書が出せないことは致命的なマイナス要因となります。

コンサルタントは自分で確定申告を行うことが可能か?

結論から申し上げますと、コンサルタントが自分で確定申告を行うことは十分に可能です。特にコンサルタントは、論理的思考能力や事務処理能力が高い方が多いため、他の職種に比べても税務の仕組みを理解し、適切に処理する適性は高いと言えます。

経費構造が比較的シンプル

小売業や飲食業のように複雑な在庫管理や日々の仕入れがないため、コンサルタントの会計処理は比較的シンプルです。主な経費は旅費交通費、会議費、接待交際費、通信費、新聞図書費などに集約されるため、一度ルールを決めてしまえばルーチンワーク化しやすい特徴があります。

クラウド会計ソフトの活用

現在主流となっている「freee」や「マネーフォワード クラウド確定申告」などのクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携し、明細を自動で取り込む機能を持っています。コンサルタント業務に必要な移動交通費(ICカード履歴)や、Amazonでの書籍購入、クラウドサービスのサブスクリプション費用などは、ほとんどがデジタルデータとして存在するため、これらを自動連携させることで、手入力の手間を極限まで減らすことができます。

コンサルタントが自分で確定申告を行うことメリット

税理士に依頼せず、自力で確定申告を行うことには明確なメリットがあります。特に独立初期や、まだ収益が安定していない段階においては、自分で経理を行うことの合理性は高いと言えます。

コストを最小限に抑えられる

最大のメリットは、費用の節約です。税理士に確定申告を依頼する場合、年間でまとまった費用がかかることが一般的です。一方、自分で申告を行う場合は、クラウド会計ソフトの年間利用料だけで済みます。コンサルタントは身一つで稼げる仕事ですが、初期段階では売上が不安定なことも多いため、固定費を抑えられる点は大きなメリットです。

経営状態をリアルタイムで把握できる

自分でお金の出入りを管理することで、ビジネスとしての現状を解像度高く把握できるようになります。「接待交際費がかさみすぎて利益を圧迫している」「特定のクライアントへの依存度が高すぎる」「キャッシュフローの谷間がいつ来るか」といった経営課題に気づくことができます。数字に強いコンサルタントであることは、クライアントに対する説得力向上にも繋がり、自身の事業戦略を練る上でも役立ちます。

税務知識が身につく

自分で申告を行う過程で、どのような支出が経費として認められるのか、税制優遇にはどのようなものがあるのかを学ぶことができます。この知識は、自分自身の節税だけでなく、クライアントへのアドバイスの幅を広げることにも役立ちます。例えば、インボイス制度への対応や電子帳簿保存法の知識は、そのまま企業のDX支援コンサルティングや業務改善提案に活かせる可能性があります。

コンサルタントが自分で確定申告を行うことデメリット

一方で、自分で確定申告を行うことには無視できないデメリットも存在します。これらは主に「時間の喪失」と「リスク管理」に関わるものです。

本業の時間が削られる(機会損失)

コンサルタントにとって時間は、そのまま売上に直結する資源です。確定申告の時期、特に2月から3月にかけては、領収書の整理や帳簿の入力、申告書の作成に膨大な時間を取られます。例えば、高い時間単価を持つコンサルタントが、慣れない経理作業に何十時間も費やした場合、実質的に多額の稼働時間を失ったことになります。この「機会損失」をどう捉えるかが、自力申告かアウトソーシングかの判断基準となります。

計算ミスや申告漏れのリスク

日本の税制は複雑で、毎年のように改正が行われます。専門家でない場合、知らず知らずのうちに間違った処理をしてしまうリスクがあります。例えば、高額なPCを一括で経費計上してしまう(本来は減価償却が必要)、自宅兼オフィスの家事按分比率を根拠なく設定してしまう、といったミスです。また、源泉徴収税額の集計漏れなどは、還付金が減ってしまうという直接的な損失に繋がります。

精神的な負担

「この処理で合っているのか不安」「税務署から連絡が来たらどうしよう」というストレスを抱えながら作業を行うことは、高い集中力を必要とするコンサルティング業務に悪影響を及ぼす可能性があります。

コンサルタントが自分で確定申告をするための流れ

では、実際にコンサルタントが自分で確定申告を行う場合、どのような手順を踏むことになるのでしょうか。ここでは一般的な青色申告を想定し、実務に即した流れを解説します。

ステップ1:事前準備と届出

まず、税制上のメリットが大きい青色申告(最大65万円控除等)を行うためには、事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておく必要があります。そして、申告作業を行うための環境を整えます。マイナンバーカードの取得、スマートフォンでの認証設定、会計ソフトの導入などです。

ステップ2:日々の取引の記録(記帳)

確定申告の時期になってから1年分をまとめて処理するのは困難です。理想的には、毎月、あるいは毎週定期的に帳簿をつけることです。コンサルタントの場合、売上は請求書に基づいて計上します。入金された金額ではなく、役務提供が完了して請求権が発生した時点で売上が立つ「発生主義」での記帳が必要です。 経費については、旅費交通費、会議費(カフェ代等)、接待交際費(会食等)、新聞図書費、研修費(セミナー代)、通信費などを適切な勘定科目に分類して入力します。

ステップ3:決算処理

12月31日までの取引入力が終わったら、決算整理を行います。ここでは、減価償却費の計算や、家事按分の調整を行います。自宅で作業している場合の家賃や電気代、インターネット通信費などは、事業で使用している面積や時間の割合を合理的に算出し、その分だけを経費として計上する処理を行います。また、年末時点でまだ入金されていない報酬(売掛金)の確認もこの段階で行います。

ステップ4:申告書の作成

帳簿が完成したら、それをもとに確定申告書を作成します。会計ソフトを使っていれば、必要な数字は自動的に転記され、質問に答えていくだけで「所得税青色申告決算書」と「確定申告書」が出来上がります。ここでは、国民年金や国民健康保険の支払額、小規模企業共済の掛金、ふるさと納税などの寄附金控除の入力も忘れずに行います。

ステップ5:提出と納税

作成した申告書を税務署へ提出します。コンサルタントであれば、自宅から24時間いつでも送信できるe-Tax(電子申告)一択でしょう。青色申告で最大の控除を受けるためにはe-Taxでの提出が必須要件の一つとなっています。提出後、算出された税額を確認し、期限内に納付して完了となります。

コンサルタントが自分で確定申告をするために必要な資料等

確定申告をスムーズに進めるためには、エビデンスとなる資料の整理・保存が欠かせません。コンサルタント特有の必要資料を含め、準備すべきものをリストアップします。

収入を証明する書類

最も重要なのが、クライアントから送られてくる「支払調書」です。ここには年間の支払総額と、源泉徴収された税額が記載されています。コンサルタントの場合、源泉徴収されているケースが多いため、この書類(または通知)は還付金を受け取るための重要書類となります。 ただし、法律上、支払調書の発行はクライアントの義務ではないため、送られてこない場合もあります。その際は、自分で発行した請求書と通帳の入金履歴を照らし合わせて、正確な売上額と源泉徴収税額を集計する必要があります。

経費の領収書・レシート・インボイス

経費として計上するためには、領収書やレシートの保存が義務付けられています(原則7年間)。

  • 移動・宿泊: 新幹線、飛行機、タクシーの領収書、ホテルの宿泊明細(出張時)。Suicaなどの交通系ICカードは利用履歴を印字するか、クラウド会計ソフトと連携してデータを保存します。
  • 情報収集・研鑽: 専門書、ビジネス雑誌、有料ニュースサイト(NewsPicksや日経電子版など)の利用料、セミナーやカンファレンスの参加費。
  • 会議・接待: カフェでの打ち合わせ代、クライアントとの会食費(誰と何の目的で行ったかをメモしておくことが重要です)。
  • 環境整備: PC、タブレット、モニター、Wi-Fiルーター、携帯電話料金、コワーキングスペース利用料。 これらは、紙のレシートだけでなく、メールで届く領収書データや、Amazonの購入履歴(領収書発行画面)なども保存が必要です。

各種控除証明書

10月〜11月頃に郵送されてくる、国民年金(または厚生年金)の控除証明書、生命保険料控除証明書、小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金払込証明書、ふるさと納税の寄附金受領証明書などです。これらは原本の数値を入力する必要があります。

コンサルタントが税理士を活用するメリット

コンサルタントとしての活動が軌道に乗り、売上が拡大してきた段階、あるいは法人化を視野に入れる段階で、税理士への依頼を検討すべきです。プロフェッショナルを活用することは、単なる作業代行以上の価値をもたらします。

本業への集中と単価向上

コンサルタントにとって、自身の時間は最も高価なリソースです。税理士に経理業務を委託することで、面倒な事務作業から解放され、本来の業務であるコンサルティングや営業活動、自己研鑽に全力を注ぐことができます。空いた時間で新たな案件を受注したり、さらに高単価な案件へのステップアップを図ったりすることで、税理士報酬以上のリターンを生み出すことが可能です。

専門的な節税アドバイス(グレーゾーンの判断)

コンサルタントの経費は、形がない分、判断が難しい領域(グレーゾーン)が多く存在します。「この会食は交際費か会議費か」「高級スーツや時計は経費になるか(基本的には難しいが、状況による論理構成など)」「自宅兼オフィスの家事按分はどの程度が妥当か」といった点について、税理士は税務リスクを考慮しつつ、最大限の節税効果を得られるようアドバイスしてくれます。

法人化(マイクロ法人)のシミュレーション

コンサルタントは利益率が高いため、売上が一定額を超えてくると、消費税の納税義務が発生したり、所得税率が高くなったりします。このタイミングで法人化(いわゆるマイクロ法人の設立)を検討する方が多いですが、その最適なタイミングや、役員報酬の設定、社会保険料の削減効果などを、税理士は詳細にシミュレーションして提案してくれます。

税務調査への対応と安心感

万が一、税務調査が入ることになった場合、税理士がいれば調査官とのやり取りを代理で行ってくれます。税法の専門家が間に入ることで、不当な指摘に対して論理的に反論したり、調査を円滑に進めたりすることができます。自分一人で国家権力である税務署と対峙するプレッシャーは計り知れません。「税理士がついている」という事実だけで、日々の活動における精神的な安心感が大きく変わります。

コンサルタントが税理士を活用するデメリット

税理士への依頼はメリットばかりではありません。以下のデメリットやリスクも考慮する必要があります。

コストの発生

当然ながら、税理士報酬という固定費が発生します。売上がまだ少ない段階や、スポット案件ばかりで収入が不安定な場合、このコストが家計や事業資金を圧迫する可能性があります。また、顧問契約を結んだとしても、記帳代行(領収書の入力)まで依頼するか、チェックのみを依頼するかで料金が変わるため、予算との兼ね合いを慎重に検討する必要があります。

ビジネス理解のミスマッチ

税理士の中には、コンサルティングという無形のビジネスに対する理解が浅い方もいます。「在庫がないのになぜこんなに経費がかかるのか」「なぜ高級ホテルでのラウンジ利用が必要なのか」といった、コンサルタント特有の商習慣を一から説明しなければならない場合、コミュニケーションコストが高くつきます。

コンサルタントが税理士へ依頼する場合の費用相場

税理士の費用は自由化されており、事務所によって千差万別ですが、おおよその相場観を持っておくことは重要です。

スポット契約(年一回の確定申告のみ)

日々の記帳はある程度自分で行い、決算と申告書の作成・提出のみを依頼する場合、または領収書をまとめて渡して年一回処理してもらう場合の相場は、売上規模にもよりますが、一定の範囲内(10万円台〜など)で設定されていることが多いです。消費税の申告が必要な場合や、処理すべき領収書の枚数が膨大な場合は、さらに追加料金がかかります。

顧問契約(毎月のサポート)

毎月帳簿をチェックしてもらい、定期的に打ち合わせを行う顧問契約の場合、月額顧問料と、確定申告時に決算料(月額の数ヶ月分程度)がかかるのが一般的です。年間トータルでは数十万円からという規模感になります。顧問契約には、日々の税務相談や、インボイス対応、法人成りのシミュレーションなどをタイムリーに受けられるメリットがあります。

コンサルタントが税理士を探す方法

コンサルタントという職種に理解があり、話が通じる税理士を見つけるためのルートを紹介します。

同業者のコンサルタントからの紹介

最も確実な方法は、信頼できる同業者のフリーランスコンサルタントからの紹介です。「こちらの業界事情をわかってくれるか」「レスポンスは早いか」「無形のサービスに対する経費の考え方に柔軟性があるか」といった、Webサイトには載っていないリアルな評判を聞くことができます。

税理士紹介サイト・マッチングサービスの利用

「税理士ドットコム」などの紹介サービスを利用し、「IT・コンサル業界に強い」「クラウド会計対応」「チャット対応可」「若手」などの条件を指定して探す方法です。多くの税理士の中から条件に合う人を比較検討でき、コーディネーターが間に入ってくれるため、要望を伝えやすいメリットがあります。

ビジネス交流会やセミナーでの出会い

コンサルタントは異業種交流会などに参加する機会も多いでしょう。そこで出会った税理士と直接話をしてみて、相性を確認するのも良い方法です。

コンサルタントが税理士を選ぶ際のポイント

数ある税理士の中から、コンサルタントにとって最適なパートナーを見極めるためのチェックポイントです。

業界知識と無形ビジネスへの理解

これが最も重要なポイントです。「プロジェクト単位の契約」「準委任契約と請負契約の違い」「着手金と成功報酬」といった用語や商習慣が通じるかを確認しましょう。コンサルタントの経費(自己投資や人脈作り)に対して、頭ごなしに否定せず、事業との関連性を聞いて判断してくれる柔軟性があるかが鍵となります。

ITリテラシーとツールの親和性

コンサルタントは最新のデジタルツールを駆使して仕事をしています。税理士との連絡手段が電話とFAXのみ、資料のやり取りは郵送のみ、といったアナログな事務所では業務効率が落ちてしまいます。Slack、Chatwork、Teamsなどのチャットツールで気軽に相談できるか、Zoomでの面談が可能か、GoogleドライブやDropboxでの資料共有に対応しているかなど、デジタル環境でのコミュニケーションが可能かを確認しましょう。

提案力(コンサルティング能力)

コンサルタント自身がクライアントに提案を行う立場である以上、税理士にも「単なる事務代行」ではなく「財務コンサルタント」としての役割を求めるべきです。受け身で処理をするだけでなく、「今の利益ペースだと法人化した方が節税できます」「iDeCoと小規模企業共済を組み合わせましょう」といった、積極的な提案をしてくれる税理士を選びましょう。

まとめ

コンサルタントにとって確定申告は、避けては通れない義務であると同時に、自身のビジネスを数字で客観視し、より強固な収益基盤を築くための重要なプロセスです。

まずは、自分が確定申告の対象になるのかどうかを正確に把握し、期限内に申告を完了させることがスタートラインです。特に税制改正により基礎控除額が変動する場合があるため、常に最新のボーダーラインを意識する必要があります。活動初期や規模が小さいうちは、便利なクラウド会計ソフトを駆使して自分で申告を行うことで、コストを抑えつつ、ビジネスとお金の流れを学ぶ良い機会となります。特にコンサルタントは、払いすぎた源泉所得税を取り戻すためにも、確定申告を積極的に活用すべきです。

そして、事業が拡大し、自身のコンサルティング単価に見合わない事務作業だと感じるようになったら、迷わず業界に強い税理士というパートナーを迎えることを検討してください。良い税理士は、煩雑な事務作業からあなたを解放し、クライアントへの価値提供に没頭できる環境を守るための強力な参謀となってくれるはずです。

正しい税務知識と適切なパートナーシップを武器に、不安なくコンサルティング業務に打ち込み、さらなるキャリアアップを目指していきましょう。

税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
この記事の作成者 
宮嶋 直  公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。