税理士にどんな業務を依頼できるか?費用相場含め徹底解説

税務

事業を営む個人事業主や法人経営者にとって、税金や会計に関する業務は避けては通れない重要な課題です。しかし本業が忙しい中で、複雑な税法を理解し正確な処理を行うことは容易ではありません。そこで頼りになるのが税金の専門家である税理士です。多くの経営者が税理士と顧問契約を結んでいますが、具体的にどこまでの業務を依頼できるのか、費用はどの程度かかるのかについて曖昧なまま契約しているケースも少なくありません。

本記事では税理士の役割や依頼できる業務の範囲、費用相場、選び方のポイントに至るまでを網羅的に解説します。税理士を単なる記帳代行業者としてではなく、経営のパートナーとして最大限に活用するための知識を深めていきましょう。

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税理士にどんな業務を依頼できるか?費用相場含め徹底解説

  1. 税理士とは?
    1. 国家資格を持つ税務のスペシャリスト
    2. 法律で守られた独占業務
    3. 経営者のパートナーとしての役割
  2. 税理士へ依頼できる業務について
    1. 独占業務である税務代理・書類作成・相談
    2. 会計業務のサポート
    3. コンサルティング業務
    4. その他の付随業務
  3. 税理士へ依頼するメリット
    1. 正確な納税と税務リスクの回避
    2. 本業に集中するための時間の創出
    3. 効果的な節税対策の実施
    4. 資金調達と社会的信用の向上
  4. 税理士へ依頼する際の費用相場
    1. 個人事業主の場合
    2. 法人の場合
    3. スポット依頼(単発依頼)の場合
  5. 税理士の費用が変動する要因
    1. 売上規模と取引数
    2. 訪問頻度と面談方法
    3. 記帳代行の有無
    4. 業務の難易度と特殊性
  6. 税理士へ依頼する際の注意点
    1. 契約範囲の明確化
    2. 税理士との相性
    3. 丸投げのリスク
    4. 税理士資格を持たない職員の対応
  7. 税理士を探す方法
    1. 知人や取引先からの紹介
    2. インターネット検索とポータルサイト
    3. 税理士紹介会社の利用
    4. 公的機関や商工会議所の相談会
  8. 税理士を選ぶ際のポイント
    1. 自社の業種や規模への理解と実績
    2. 料金体系の透明性と納得感
    3. ITスキルと対応ツール
    4. レスポンスの速さとコミュニケーション能力
    5. 節税や経営支援への積極性
  9. 税理士へ依頼するまでの流れ
    1. ステップ1:問い合わせと面談の予約
    2. ステップ2:面談とヒアリング
    3. ステップ3:見積もりの提示と検討
    4. ステップ4:契約の締結
    5. ステップ5:業務開始の準備と引き継ぎ
  10. 税理士へ経理代行は依頼できるか?
    1. 税務顧問と経理代行の違い
    2. 経理代行専門業者との違い
  11. 税理士へ経理代行を依頼するメリット
    1. 正確性とスピードの担保
    2. 経理担当者の採用・育成コスト削減
    3. 税務申告とのスムーズな連携と節税
  12. 経理代行を依頼する際の注意点
    1. 経営状況の把握にタイムラグが生じる
    2. コストの増加
    3. 経理のブラックボックス化
  13. 税理士へ依頼する際によくある質問の例と回答
    1. Q. 顧問契約は途中でも解約できますか?
    2. Q. 年の途中からでも依頼できますか?
    3. Q. 税務調査が来たら必ず税理士に立ち会ってもらった方がいいですか?
    4. Q. 節税のアドバイスは向こうからしてくれますか?
    5. Q. 税理士を変えるのは大変ですか?
  14. まとめ

税理士とは?

国家資格を持つ税務のスペシャリスト

税理士とは、税理士法という法律に定められた国家資格を持つ、税務に関する唯一無二の専門家です。彼らの使命は、法律の第一条に明記されている通り、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ること」にあります。

少し硬い表現になりましたが、噛み砕いて言えば、納税者である国民や企業が、難解な税法を正しく解釈し、適正な納税を行えるようにサポートする役割を担っています。税理士になるためには、非常に難関とされる税理士試験の5科目に合格するか、大学院での免除認定、あるいは公認会計士や弁護士の資格を持つなど、高度な専門知識と長い学習期間が求められます。そのため、税金に関する知識はもちろんのこと、会計学、商法、民法といった関連法規や、経営全般に関する深い知見も有しているのが一般的です。

法律で守られた独占業務

税理士という職業の最大の特徴であり、他のコンサルタントや士業と決定的に異なる点は、法律によって「独占業務」が認められていることです。これは医師しか医療行為を行えないのと同様に、税理士資格を持たない人が絶対に行ってはならない業務があることを意味します。具体的には以下の三つです。

  1. 税務代理:納税者に代わって申告や申請を行うこと。
  2. 税務書類の作成:税務署に提出する書類を作成すること。
  3. 税務相談:具体的な税金の計算や相談に応じること。

これらの業務は、たとえ無償であっても、税理士以外の人が行うことは法律で厳しく禁止されています。例えば、親切心のつもりで友人の確定申告書を作成してあげたり、コンサルタントが具体的な節税額を計算して指導したりすることは、税理士法違反となります。この厳格なルールは、専門知識のない人間が誤った指導を行うことで納税者が不利益を被ることを防ぎ、国の税務行政を適正に維持するために設けられています。

経営者のパートナーとしての役割

かつての税理士は、「帳簿をつけて税金を計算してくれる人」というイメージが強かったかもしれません。しかし、現代の税理士に求められる役割は大きく変化しています。IT技術の進化により単純な計算作業が自動化される中で、税理士は「経営の相談役」としての側面を強く持つようになっています。

税理士は、毎月の会計データを通じて、その会社の財政状態を社長以上に正確に把握しています。「なぜ売上が上がっているのに資金が残らないのか」「来期の設備投資は可能なのか」といった経営の核心に触れる問いに対し、客観的な数字に基づいてアドバイスできるのは税理士をおいて他にいません。税務という「守り」の分野だけでなく、経営支援や資金調達という「攻め」の分野でも頼りになるパートナー、それが現代における理想的な税理士の姿です。

税理士へ依頼できる業務について

税理士に依頼できる業務は多岐にわたります。ここでは、法律で定められた独占業務、会計業務、コンサルティング業務、そしてその他の付随業務に分類し、それぞれの内容を深掘りして解説します。

独占業務である税務代理・書類作成・相談

まず、税理士の根幹となる独占業務について詳しく見ていきましょう。

一つ目の「税務代理」とは、納税者の代理人として税務署と対峙することです。最も一般的なのは確定申告書の提出代理ですが、それだけではありません。青色申告の承認申請、消費税の課税事業者選択届出など、各種の申請や届出も含まれます。そして何より重要なのが、税務調査への立ち会いです。ある日突然、税務署から調査の連絡が来た際、税理士がいれば日程調整から当日の対応、調査後の折衝まで、全てを代理人として行ってくれます。専門知識を持つ調査官と対等に渡り合えるのは、税法のプロである税理士だけです。

二つ目の「税務書類の作成」は、確定申告書や相続税申告書など、税務署に提出する書類を作成することです。これらの書類は、一つひとつの数字が税法上の根拠に基づいていなければならず、記載内容も極めて複雑です。素人が見よう見まねで作成すると、控除の適用漏れで税金を払いすぎたり、逆に計算ミスで過少申告となりペナルティを受けたりするリスクがあります。税理士の署名押印がある申告書は、それだけで一定の信頼性が担保されることになります。

三つ目の「税務相談」は、具体的な税務判断を伴う相談に応じることです。「この領収書は経費になるか」「役員報酬をいくらにすれば最も節税になるか」「親から資金援助を受けた場合の贈与税はどうなるか」といった個別の事例に対し、税法に照らし合わせて回答します。これは一般的なビジネスコンサルタントには許されていない業務であり、税理士ならではの価値提供と言えます。

会計業務のサポート

税務申告を行うためには、その前提として日々の取引を正確に記録する「会計業務」が不可欠です。税理士は税務だけでなく、この会計の領域についても手厚いサポートを行っています。

具体的には、日々の取引を会計ソフトに入力する「記帳指導」があります。どの勘定科目を使うべきか、証憑書類(レシートや請求書)をどのように整理保存すべきかを指導し、自社で経理ができる体制づくりを支援します。また、作成された会計帳簿を毎月、あるいは数ヶ月ごとにチェックする「巡回監査」も重要な業務です。入力ミスや会計処理の誤りを早期に発見し、修正することで、正確な月次決算を実現します。

さらに、自社で経理担当者を雇う余裕がない小規模事業者や、経理業務を完全にアウトソーシングしたい企業のために、領収書や通帳のコピーを預かって入力をすべて代行する「記帳代行」を引き受ける税理士事務所も多く存在します。

そして、事業年度の終了後には、一年間の取引を総括して「決算書」を作成します。貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書などで構成される決算書は、税務申告の基礎となるだけでなく、銀行が融資の可否を判断する際の最重要資料となります。

コンサルティング業務

近年、付加価値の高いサービスとして多くの税理士が力を入れているのがコンサルティング業務です。数字の専門家としての強みを活かし、経営改善や成長支援を行います。

代表的なのが「財務コンサルティング」です。毎月の試算表をもとに、売上の推移、粗利率の変化、固定費の増減などを分析し、経営者に報告します。「前期に比べて交際費が増えすぎている」「在庫の回転率が悪化している」といった問題点を指摘し、改善策を一緒に考えます。

また、「資金調達支援」もニーズの高い業務です。銀行から融資を受けるためには、説得力のある事業計画書や資金繰り表が必要です。税理士は銀行員がどのような視点で審査を行うかを熟知しているため、審査に通りやすい資料の作成を支援したり、金融機関の担当者を紹介したりします。

さらに、補助金や助成金の情報提供や申請サポートを行う税理士も増えています。ものづくり補助金や事業再構築補助金など、要件が複雑な補助金について、認定支援機関として申請をサポートします。

その他の付随業務

上記以外にも、企業経営に関わる様々な周辺業務を依頼できる場合があります。

年末の恒例行事である「年末調整」や、従業員の毎月の「給与計算」は、税金と社会保険が複雑に絡み合うため、税理士に依頼するケースが非常に多いです。また、誰にいくら支払ったかを税務署に報告する「法定調書」の作成や、固定資産税に関わる「償却資産税」の申告も、年次の定型業務として依頼可能です。

さらに、経営者の高齢化に伴い需要が高まっているのが「事業承継」や「相続税対策」です。自社株の評価額を算定し、後継者にどのように株式を移転するか、相続税の納税資金をどう確保するかといった問題に対し、長期的な視点でプランニングを行います。これらは高度な専門知識が必要なため、資産税に特化した税理士が担当することが一般的です。

税理士へ依頼するメリット

決して安くはない顧問料を支払ってまで、税理士に依頼する価値はどこにあるのでしょうか。ここでは、経営者が得られるメリットを四つの観点から深く掘り下げて解説します。

正確な納税と税務リスクの回避

最大のメリットは、何と言っても適正かつ正確な納税ができることです。日本の税法は世界的に見ても複雑で、毎年のように改正が行われます。消費税のインボイス制度や電子帳簿保存法など、新しい制度への対応も次々と求められます。

素人がネットで調べた知識や自己判断で処理を行うと、知らず知らずのうちに法律違反を犯してしまったり、単純な計算ミスをしてしまったりするリスクが常にあります。もし税務調査で申告漏れや誤りを指摘されれば、本来納めるべき税金に加えて、過少申告加算税や延滞税といったペナルティが課されます。さらに、悪質とみなされれば重加算税という非常に重い罰則もあり、社会的信用も失墜します。

税理士に依頼することで、こうした税務リスクを最小限に抑え、「税金のことはプロに任せているから大丈夫」という安心感を得ることができます。この精神的な安定は、経営者が事業に専念する上で何物にも代えがたい価値となります。

本業に集中するための時間の創出

経理や税務申告にかかる時間は、想像以上に膨大です。領収書の整理、会計ソフトへの入力、勘定科目の判断、不明点の調査、そして申告書の作成。慣れない作業には多くの時間が奪われ、精神的なストレスも蓄積します。

経営者にとって、時間は最も貴重かつ有限な資源です。経営者の時給は、従業員のそれとは比較にならないほど高いはずです。そのような高単価な時間を、利益を生み出さないバックオフィス業務に費やすのは、経営資源の無駄遣いと言えます。

これらの業務を税理士にアウトソーシングすることで、経営者は営業活動、商品開発、顧客対応、人材育成といった、売上と利益を生み出すための「本業」に時間を投資することができます。税理士報酬をコストと捉えるのではなく、「時間を買うための投資」と捉えれば、そのリターンは十分に得られるはずです。

効果的な節税対策の実施

「税金を払いたくないから売上をごまかす」のは脱税であり犯罪ですが、法律で認められた範囲で税金を安くする「節税」は経営者の正当な権利です。しかし、効果的な節税を行うためには、税法の深い知識と最新情報の把握が必要です。

税理士は、数多くの節税ノウハウを持っています。「青色申告特別控除を確実に受けるための帳簿要件」「少額減価償却資産の特例を使った即時償却」「中小企業倒産防止共済への加入による損金算入」「役員社宅制度の活用」など、顧客の利益状況やキャッシュフローに合わせた最適な節税プランを提案してくれます。

自分では気づかなかった、あるいは知らなかった節税方法を一つ教えてもらえるだけで、年間の顧問料の元が取れてしまうことも珍しくありません。税理士は「払わなくてもいい税金」を払わないようにするための防波堤となってくれるのです。

資金調達と社会的信用の向上

事業を拡大したり、資金繰りを安定させたりするためには、銀行からの融資が必要になる場面が必ず訪れます。この際、税理士が関与して作成された決算書と、自社で適当に作った決算書では、銀行からの信頼性に雲泥の差が生まれます。

税理士の署名がある決算書は、第三者の専門家によるチェックが入っていることの証明になります。さらに、「中小企業の会計に関する基本要領」などの一定のルールに従って作成されていることを示す「チェックリスト」を添付することで、信用保証料の割引を受けられるケースもあります。

また、税理士は銀行が融資審査で重視するポイントを知り尽くしています。格付けを上げるための決算書の作り方や、審査に通りやすい事業計画書の作成支援、面談への同席などのサポートを受けることで、資金調達の成功率と条件を飛躍的に向上させることができます。

税理士へ依頼する際の費用相場

税理士に依頼する際の費用は、依頼する業務の内容、訪問の頻度、事業の規模によって大きく異なります。ここでは、個人事業主と法人、それぞれの一般的な相場観について解説しますが、あくまで目安として捉えてください。

個人事業主の場合

個人事業主の場合、月額顧問料の相場は1万円から3万円程度です。これに加えて、年に一度の確定申告料として月額顧問料の4ヶ月から6ヶ月分程度がかかるのが一般的です。したがって、年間トータルでは20万円から50万円程度になることが多いでしょう。

開業したてで売上がまだ少なく、取引数も限られている場合は、月額顧問料を1万円以下に抑えたプランや、年一回の確定申告のみをまとめて依頼する「年一契約」(10万円から15万円程度)を選択できることもあります。逆に、売上規模が1,000万円を超えて消費税の申告が必要な場合や、領収書を丸投げする記帳代行を依頼する場合は、費用が高くなります。また、医療関係や不動産所得など、特殊な専門知識が必要な業種の場合は、相場よりも高めに設定されることがあります。

法人の場合

法人の場合、個人事業主よりも会計処理や税務申告の手続きが複雑になるため、費用相場は全体的に高くなります。月額顧問料の相場は3万円から5万円程度です。決算申告料は月額顧問料の4ヶ月から6ヶ月分程度で、年間トータルでは50万円から80万円程度が一般的な目安となります。

年商が1億円を超えるような規模になると、取引数が大幅に増え、税務リスクも高まるため、月額顧問料も5万円以上、年間トータルで100万円以上になることも珍しくありません。また、役員報酬の適正額シミュレーションや株主総会議事録の作成支援、源泉所得税の納付書作成など、法人特有の細かな業務が含まれているかも確認が必要です。

スポット依頼(単発依頼)の場合

毎月の顧問契約を結ばずに、必要な時だけ特定の業務を依頼するスポット依頼もあります。

個人の確定申告のみを単発で依頼する場合、白色申告であれば5万円から10万円、青色申告であれば10万円から15万円程度が相場です。ただし、領収書がまったく整理されておらず「ダンボール一杯のレシート」を持ち込むような場合は、整理料として追加料金が発生します。

相続税の申告は、遺産総額の0.5%から1.0%程度が相場と言われています。遺産総額が1億円であれば50万円から100万円程度です。財産の内容(土地が多い、非上場株式があるなど)や相続人の数によって難易度が大きく変わるため、費用にも幅があります。

税務調査の立会いは、日当制で1日あたり3万円から5万円程度が一般的です。事前の打ち合わせや、調査後の修正申告書の作成が必要な場合は別途費用がかかります。顧問契約を結んでいない税理士に税務調査の対応だけを依頼する場合は、事情を把握するための調査費用が上乗せされることもあります。

税理士の費用が変動する要因

税理士の報酬は現在自由化されており、一律の定価というものはありません。事務所によって料金体系は異なりますが、費用が変動する主な要因には共通点があります。これらを理解しておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

売上規模と取引数

最も大きな変動要因は、事業の売上規模です。売上が大きい企業ほど、当然ながら取引の数も多くなります。取引数が多ければ、税理士がチェックすべき仕訳の数や証憑書類の枚数が増えるため、作業工数が増加します。

また、売上規模が大きいほど、税務署からの注目度も高まり、税務調査のリスクも上がります。税理士としては、より慎重かつ詳細な監査が求められるため、その責任の重さに応じて報酬が高くなる傾向があります。多くの税理士事務所では、「年商3,000万円未満は月額3万円」「年商1億円未満は月額5万円」といったように、年商に応じた料金テーブルを設定しています。

訪問頻度と面談方法

税理士あるいは担当者が顧客を訪問する頻度も、費用に大きく影響します。毎月訪問して監査を行い、顔を合わせて面談をする場合は、税理士の移動時間や拘束時間が長くなるため、費用は高くなります。

一方、訪問は3ヶ月に一度、半年に一度、あるいは決算時のみといった契約であれば、費用を抑えることができます。また、最近では訪問せずに顧客側が税理士事務所に行く形式や、Zoomなどのオンライン会議システムを利用した面談、チャットツールでの相談を基本とする形式も増えています。これらは移動コストが削減されるため、料金が安くなる傾向にあります。自社がどの程度の頻度で相談したいか、対面にこだわるかによって選択することがコストダウンの鍵です。

記帳代行の有無

領収書や請求書、通帳のコピーなどをそのまま税理士に渡し、会計ソフトへの入力をすべて任せる「記帳代行」を依頼するかどうかも、大きな変動要因です。記帳代行を依頼する場合、作業量に応じて月額で5千円から3万円程度の追加費用がかかります。仕訳数(取引の数)に応じて従量課金されるケースもあります。

自社で会計ソフトへの入力を済ませて、税理士には入力内容のチェックだけを依頼する「自計化」を行えば、税理士側の作業負担が減るため、費用を抑えることができます。最近はクラウド会計ソフトの普及により、銀行明細の自動取り込みなどが容易になったため、自計化のハードルは下がっています。

業務の難易度と特殊性

一般的な小売業やサービス業とは異なる特殊な業界や、高度な専門知識を要する業務の場合、費用は高くなります。例えば、医業(病院・クリニック)は診療報酬や消費税の取り扱いが特殊であるため、医療専門の税理士に依頼する必要があり、報酬も高めです。

また、建設業では工事ごとの原価管理が必要であったり、海外取引がある場合は国際税務の知識が必要であったりします。組織再編やM&A、連結納税などの複雑な案件も、専門的なノウハウが必要となるため、一般的な相場よりも高めに設定されることになります。

税理士へ依頼する際の注意点

税理士との契約は、一度結ぶと長期間にわたる付き合いになることが多いため、契約前の確認が非常に重要です。後々のトラブルを防ぎ、良好な関係を築くための注意点を解説します。

契約範囲の明確化

最もトラブルになりやすいのが、「どこまでやってくれるのか」という業務範囲の認識のズレです。「顧問料を払っているのだから、年末調整も当然やってくれると思っていたのに別料金だと言われた」「税務調査の立会いに来てもらったら、高額な日当を請求された」「ちょっとした登記の相談をしたら司法書士を紹介され、手数料を取られた」といった行き違いはよくあります。

こうしたトラブルを防ぐために、契約書や見積書で業務範囲を細部まで明確にしておく必要があります。特に、記帳代行、年末調整、法定調書、償却資産税申告、税務調査立会い、給与計算などが基本料金に含まれているのか、オプションなのかを一つひとつ確認しましょう。「顧問料に含まれる相談」の範囲も重要です。電話やメールでの相談は無制限か、回数制限があるかも確認点です。

税理士との相性

税理士は、会社の売上や利益、役員報酬、さらには社長個人の資産状況まで、極めてプライベートかつ重要な機密情報を共有するパートナーです。能力や実績も大切ですが、それ以上に「人間としての相性」が非常に重要です。

「話しやすいか」「こちらの意図を汲み取ってくれるか」「専門用語を使わずにわかりやすく説明してくれるか」「偉そうな態度ではないか」といった点を、面談時に肌感覚で確認しましょう。高圧的な態度をとる税理士や、質問しにくい雰囲気の税理士では、経営上の悩みを本音で相談することができず、良好な関係を築くことが難しくなります。また、税理士が高齢でITに疎い場合、若手経営者との間でコミュニケーションのスピード感やツールにギャップが生まれることもあります。

丸投げのリスク

「税理士にお金を払っているのだから、すべて任せておけば安心だ」と思い込み、経営者が数字に全く関心を持たなくなってしまう「丸投げ」は非常に危険です。税理士はあくまで処理の代行やアドバイスを行うサポーターであり、最終的な経営判断や責任を負うのは経営者自身です。

記帳代行を依頼する場合でも、毎月送られてくる試算表には必ず目を通し、「なぜ今月は利益が出たのか」「なぜ現金が減っているのか」を税理士に質問し、自社の状況を把握しておく姿勢が必要です。丸投げ体質の経営者は、不正や横領の被害に遭いやすかったり、資金繰りの悪化に気づくのが遅れたりするリスクが高まります。税理士を「金庫番」ではなく「参謀」として使う意識を持ちましょう。

税理士資格を持たない職員の対応

税理士事務所では、税理士資格を持たない職員(担当者)が実務を行い、顧客対応をすることも一般的です。これ自体は問題ありませんが、担当者のスキルや経験には大きなばらつきがあります。

「担当者が頻繁に変わる」「質問しても『所長に確認します』ばかりで回答が遅い」「ミスが多い」といった不満が出ることもあります。契約前に、誰が担当になるのか、その担当者の経験年数はどのくらいか、所長税理士はどの程度関与してくれるのか(決算時の面談には来るのか等)を確認しておくと安心です。

税理士を探す方法

自分に合った税理士を見つけるためには、受け身ではなく能動的に探す必要があります。いくつかの代表的なルートと、それぞれのメリット・デメリットを理解して探しましょう。

知人や取引先からの紹介

最も古くからあり、現在でも一般的な方法は、知人の経営者や取引先からの紹介です。実際にその税理士と付き合いのある人から「親身になってくれるよ」「融資に強いよ」といった生の声を聞けるため、信頼性が高く、ハズレを引くリスクが低いのが最大のメリットです。

ただし、デメリットもあります。紹介者の手前、相性が合わなくても断りにくかったり、契約後にサービスに不満があっても契約解除しづらかったりするという点です。また、紹介者の会社にとっては良い税理士でも、業種や規模が異なる自社にとっても良い税理士とは限りません。紹介を受ける際も、あくまで「候補の一人」として面談し、自社の基準で判断することが大切です。

インターネット検索とポータルサイト

「地域名+税理士」「業種+税理士」「クラウド会計+税理士」などのキーワードで検索し、税理士事務所のホームページを直接見て探す方法です。事務所の特徴、得意分野、代表者のプロフィール、料金体系などをじっくり比較検討できます。特に「飲食店専門」「美容室に強い」など、自社の業種に特化した税理士を探したい場合に有効です。

また、「税理士ドットコム」などの税理士検索ポータルサイトを利用すれば、条件を指定して多くの税理士を一括で検索・比較することができます。多くの選択肢から選べる反面、ホームページの情報だけで実力や相性を判断するのは難しく、実際に会ってみたらイメージと違ったということも起こり得ます。

税理士紹介会社の利用

税理士紹介会社は、専門のコーディネーターが希望条件(予算、業種、地域、求めるサービス内容など)をヒアリングし、その条件に合致する最適な税理士を無料で紹介してくれるサービスです。紹介会社が間に入ることで、こちらの要望を伝えやすく、面談の日程調整や、相性が合わなかった場合の断りの連絡も代行してくれます。

自分で探す手間が省け、ミスマッチも防ぎやすいのがメリットですが、紹介会社に登録している税理士の中からしか選べないという点は理解しておく必要があります。また、紹介会社は税理士側から紹介手数料を受け取るビジネスモデルであるため、紹介料を支払える資金力のある税理士事務所が中心となる傾向があります。

公的機関や商工会議所の相談会

地域の税理士会や商工会議所、自治体が開催している無料の税務相談会に参加し、そこで対応してくれた税理士にそのまま依頼するという方法もあります。実際に相談してみることで、税理士の人柄や説明の分かりやすさ、知識レベルを直接確認できます。

ただし、相談会に来ている税理士が必ずしも新規顧客を募集しているとは限りませんし、自分のビジネスに詳しいかどうかも未知数です。まずは「お試し」で相談してみて、良さそうであれば名刺交換をして後日連絡を取るというステップが良いでしょう。

税理士を選ぶ際のポイント

数ある税理士の中から自社に最適な一人を選び抜くためには、どのような基準を持てばよいのでしょうか。具体的なチェックポイントを挙げます。

自社の業種や規模への理解と実績

税理士にも「得意分野」と「不得意分野」があります。飲食業に強い税理士、IT業界やネットビジネスに詳しい税理士、医療法人専門の税理士、建設業が得意な税理士など様々です。自社の業種に精通している税理士であれば、業界特有の税務処理(例えば飲食店の軽減税率や建設業の工事進行基準など)に詳しいだけでなく、業界の平均的な利益率や経費率などのベンチマーク情報を持っており、有益な経営アドバイスを受けることができます。

また、自社と同規模(売上高や従業員数)のクライアントを多く持っているかどうかも重要です。大企業ばかり相手にしている事務所に小規模事業者が依頼しても、優先順位を下げられたり、オーバースペックな提案をされたりする可能性があります。

料金体系の透明性と納得感

見積もりが「一式」などのどんぶり勘定ではなく、何にいくらかかるのかが明確な事務所を選びましょう。「月額顧問料は安いように見えたが、決算料が非常に高い」「年末調整や償却資産税申告で追加料金が頻繁に発生し、トータルでは高くなった」といったことがないよう、年間のトータルコストで比較することが大切です。安ければ良いというものでもありません。必要なサービスが含まれているか、安さの理由(訪問なし、担当者が新人など)に納得できるかを確認しましょう。

ITスキルと対応ツール

業務効率化のためにクラウド会計ソフト(freeeやマネーフォワードなど)の導入を検討している場合や、ChatworkやSlack、LINEなどでの連絡を希望する場合は、税理士のITスキルも重要な選定基準です。

最近ではZoom面談やデータのクラウド共有に対応している事務所が増えていますが、中には「資料はすべて紙で郵送」「連絡は電話かFAXのみ」「会計ソフトは特定のインストール型しか対応しない」といったアナログな手法にこだわる税理士もいます。自社の業務効率化の方針に合ったツールに対応してくれるか、ITを活用してリアルタイムな経営数値を共有してくれるかを確認しましょう。

レスポンスの速さとコミュニケーション能力

質問や相談に対する返信が早いかどうかは、信頼関係を築く上で非常に重要です。税務や資金繰りの問題は、待ったなしの状況で発生することが多いからです。即答できない内容であっても、「確認して〇日までに回答します」という一次返信がすぐにあるかどうかがポイントです。レスポンスが遅いと、いざという時に不安を感じることになります。

また、専門用語を並べ立てるのではなく、経営者の目線に合わせて平易な言葉で説明してくれるコミュニケーション能力も大切です。「先生」と呼ばれる職業ですが、サービス業としての意識を持ち、対等なパートナーとして接してくれる税理士を選びましょう。

節税や経営支援への積極性

「税金を計算するだけ」の税理士と、「会社を良くしよう」と考えてくれる税理士では、得られる成果が全く違います。面談時に、「御社ならこういった節税が使えるかもしれません」「今の数字だと、ここを改善すれば資金繰りが良くなります」といった具体的な提案をしてくれるかどうかを見ましょう。「聞かれたことしか答えない」受動的な税理士ではなく、先回りして提案してくれる能動的な税理士が理想です。

税理士へ依頼するまでの流れ

実際に税理士に依頼するまでの一般的な流れを、ステップバイステップで解説します。

ステップ1:問い合わせと面談の予約

まずは電話やメール、問い合わせフォームから連絡を取り、面談の日程を調整します。この際、自社の業種や売上規模、相談したい内容の概要を伝えておくと、面談がスムーズに進みます。

ステップ2:面談とヒアリング

事務所を訪問するか、来社してもらう、あるいはオンラインで面談を行います。面談では、事業内容や現在の状況(売上規模、経理の状況、現在の税理士の有無など)、税理士に求めること(節税したい、融資を受けたい、丸投げしたいなど)、予算などを伝えます。この時、直近の決算書(2〜3期分)や確定申告書を持参すると、より具体的で精度の高い提案を受けられます。この場は、税理士の人柄や相性を確認する場でもあります。

ステップ3:見積もりの提示と検討

面談の内容をもとに、税理士から業務内容の提案と見積もりが提示されます。即日提示されることもあれば、持ち帰って後日提示されることもあります。料金だけでなく、サービス内容(訪問頻度、記帳代行の有無など)や担当者の人柄なども含めて総合的に検討します。できれば複数の税理士と面談し、比較検討することをおすすめします。

ステップ4:契約の締結

依頼する税理士が決まったら、顧問契約書を取り交わします。契約書には業務範囲、報酬額、支払時期、契約期間、解約条件、秘密保持条項などが記載されています。内容をよく読み、不明点があれば署名前に必ず質問して解消しておきましょう。特に「別料金になる業務」については念入りに確認が必要です。

ステップ5:業務開始の準備と引き継ぎ

契約後は、業務開始に向けた準備を行います。過去の会計データや申告書の控え、届出書の控え、定款、登記簿謄本などを税理士に引き継ぎます。また、会計ソフトの導入設定や、毎月の資料(領収書や請求書)の受け渡し方法、連絡手段などのルールを決め、実際の業務をスタートさせます。現在の税理士から変更する場合は、解約の連絡とデータの引き継ぎもこの時期に行います。

税理士へ経理代行は依頼できるか?

結論から言えば、多くの税理士事務所で経理代行(記帳代行)を依頼することができます。ただし、すべての事務所が対応しているわけではなく、事務所の方針によって異なります。「自計化(自社入力)を推進しており、記帳代行は受けない」という事務所もあれば、「記帳代行から丸ごと引き受ける」ことを売りにしている事務所もあります。

税務顧問と経理代行の違い

ここで改めて用語を整理しておきましょう。「税務顧問」は、作成された会計帳簿をチェックし、税務申告や税務相談を行う、税理士本来の独占業務を中心とした契約です。一方、「経理代行」は、領収書や請求書、通帳コピーなどの原資資料から会計帳簿を作成する(仕訳を入力する)作業そのものを代行する業務です。これらは本来別の業務ですが、中小企業では経理担当者がいないことが多いため、実情に合わせてセットで提供している税理士事務所が多いのです。

経理代行専門業者との違い

世の中には税理士事務所ではない「経理代行会社」や、クラウドソーシングを利用した記帳代行サービスも存在します。これらの業者は記帳作業に特化しており、安価でスピーディーな処理が魅力です。

ただし、注意点があります。税務申告や税務相談は税理士の独占業務であるため、これらの代行会社では対応できません。記帳までは代行会社が行い、そのデータを提携している税理士に渡して申告してもらうか、自社で契約している税理士に渡す必要があります。最終的な申告までワンストップでスムーズに依頼したい場合は、記帳代行も行っている税理士事務所に依頼するか、強力な提携税理士がいる代行会社を選ぶ必要があります。

税理士へ経理代行を依頼するメリット

税理士に経理代行を依頼することには、単なる作業のアウトソーシング以上の大きなメリットがあります。

正確性とスピードの担保

プロである税理士事務所のスタッフが入力を行うため、勘定科目の間違いや消費税の課税・非課税区分のミスが少なく、極めて正確な帳簿が作成されます。特に消費税はインボイス制度により処理が複雑化しているため、プロに任せる安心感は大きいです。また、慣れたスタッフが処理するため、自社で不慣れな担当者が行うよりもスピーディーに処理が進みます。

経理担当者の採用・育成コスト削減

自社で経理担当者を雇う場合、給与や社会保険料、交通費だけでなく、採用コスト、教育コスト、PCなどの設備コストがかかります。また、中小企業では担当者が1人しかいないことも多く、その担当者が急に退職してしまうと経理がストップしてしまうリスクもあります。税理士に依頼すれば、これらのコストやリスクをすべて回避し、安定した経理体制を維持することができます。月額数万円の代行料は、人を雇うコストに比べれば圧倒的に安価です。

税務申告とのスムーズな連携と節税

記帳から決算、申告までを同じ事務所内で行うため、データの連携が非常にスムーズです。決算時に不明点を確認する手間が省け、早期に決算を確定させることができます。また、記帳を行う段階から税理士の目が入るため、「今期は利益が出そうだから早めに消耗品を買っておこう」といった節税対策を期中にリアルタイムで打つことが可能になります。

経理代行を依頼する際の注意点

一方で、経理代行を依頼する際にはデメリットや注意点もあります。

経営状況の把握にタイムラグが生じる

資料をまとめて税理士に渡してから、入力されて試算表が出来上がるまでにはどうしても時間がかかります。例えば、資料を翌月10日に送り、試算表が返ってくるのが翌月末あるいは翌々月になるといった状況になると、経営者は1〜2ヶ月前の「過去の数字」しか見ることができません。これでは、スピード感が求められる現代の経営において、リアルタイムな判断が難しくなります。どのくらいのスピードで試算表が出てくるか、特急対応は可能かを確認しておく必要があります。

コストの増加

当然ながら、顧問料とは別に記帳代行料が発生するため、トータルの支払額は増加します。特に取引数が多い場合は、従量課金でかなりの金額になることもあります。自社の事務負担軽減効果(空いた時間で稼げる利益)と、アウトソーシングコストを天秤にかけて判断する必要があります。

経理のブラックボックス化

すべてを任せきりにしてしまうと、どのようなお金の動きがあるのか、経費の詳細はどうなっているのかが社内で分からなくなってしまう恐れがあります。また、社内に経理のノウハウが蓄積されません。定期的に帳簿の内容を確認し、不明な数字があれば税理士に質問する姿勢を持つことが大切です。将来的には自計化を目指すのか、ずっと代行を依頼するのか、方針を決めておくことも重要です。

税理士へ依頼する際によくある質問の例と回答

最後に、税理士への依頼を検討している経営者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. 顧問契約は途中でも解約できますか?

A. はい、可能です。 結婚と同じで、一度契約したからといって一生添い遂げなければならないわけではありません。経営方針の変更や相性の不一致などで、顧問契約を解消することはよくあることです。一般的には「解約を希望する日の1ヶ月から3ヶ月前までに申し出る」ことで解約できます。契約書に解約に関する条項(予告期間など)が記載されていますので確認しましょう。また、決算直前などの繁忙期での解約は引継ぎが大変になり、双方にとってデメリットが大きいため、できれば決算が終わったタイミングでの切り替えをおすすめします。

Q. 年の途中からでも依頼できますか?

A. はい、可能です。 事業年度の途中からでも、それまでの会計データを引き継いで業務を開始することができます。ただし、過去の処理に誤りが多い場合や、全く帳簿をつけていなかった場合は、遡っての入力や修正作業が必要となり、別途費用がかかることもあります。期首からの契約にこだわらず、必要と感じたタイミングで早めに相談することが、傷口を広げないためにも重要です。

Q. 税務調査が来たら必ず税理士に立ち会ってもらった方がいいですか?

A. 強くおすすめします。 税務調査官は調査のプロであり、巧みな質問で事実関係を確認し、追徴課税の根拠を探します。税理士がいないと、専門知識がないために不利な取り扱いを受けたり、調査官の誘導に乗って言わなくてもいいことまで言ってしまったりするリスクがあります。税理士が間に入ることで、調査官の指摘が法的に正しいか反論したり、経営者の代わりに事情を説明したりと、冷静かつ適切な対応が可能になり、結果として追徴税額を抑えられる可能性が高まります。

Q. 節税のアドバイスは向こうからしてくれますか?

A. 税理士によります。 良い税理士であれば、会社の状況を見て積極的に提案してくれます。しかし、中には「聞かれないと答えない」「保守的で節税には消極的」というスタンスの税理士もいます。これが不満の原因となることが非常に多いです。面談時に「積極的に提案してくれるか」を確認し、契約後も受け身にならず、「何かできる節税はないか」「来期はこういう投資をしたいがどう思うか」とこちらから投げかけるコミュニケーションをとることが大切です。

Q. 税理士を変えるのは大変ですか?

A. 思っているほど大変ではありません。 「お世話になったから申し訳ない」「データが消されるのではないか」と心配する経営者もいますが、ビジネスライクに考えれば問題ありません。新しい税理士が決まっていれば、必要なデータの引き継ぎや書類の返却などは、税理士同士でやり取りしてくれる場合もあります。今の税理士に不満を持ちながら経営を続ける方が、会社にとってはよほど大きな損失です。

まとめ

税理士に依頼できる業務は、税務代理や申告書の作成といった独占業務から、記帳代行、資金調達支援、経営コンサルティング、相続対策まで多岐にわたります。

費用相場は、個人事業主で年間20万〜50万円、法人で年間50万〜80万円程度が一般的ですが、売上規模や依頼内容、訪問頻度によって大きく変動します。決して安い金額ではありませんが、税理士への依頼は単なる「コスト」ではなく、事業を安定させ成長させるための「投資」です。

正確な納税によるリスク回避、経営者が本業に集中するための時間の創出、数百万円単位の効果が出ることもある節税対策、銀行からの資金調達力の向上など、そのメリットは計り知れません。

重要なのは、自社のニーズ(丸投げしたいのか、相談したいのか、成長したいのか)に合った税理士を選び、良好なパートナーシップを築くことです。料金の安さだけで選ぶのではなく、業種への理解、ITスキル、レスポンスの速さ、提案力、そして何より「この人となら一緒に頑張れる」と思える相性を重視して選定しましょう。

本記事が、あなたの事業を支え、共に成長してくれる最良のパートナー探しの一助となれば幸いです。税理士という強力な味方を手に入れ、自信を持って経営の舵を取ってください。

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この記事の作成者 
宮嶋 直  公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。