本記事では、建築士に強い税理士の探し方について記載しております。具体的に建築士の方が税理士を探す際に検討することになる税理士と契約するメリットや、税理士と契約する際に発生する費用などについて解説をしていきます。
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建築士に強い税理士を探す方法
建築士における税務の特徴
建築士の場合、建築士事務所で経営者としてサービスを提供する場合と、個人の建築士として業務委託を受けて仕事をする2つのケースがあるかと思います。前者の建築士事務所については、個人で展開している場合もあれば、従業員やアルバイトを採用して事業を展開している場合もあるでしょう。また仕事上、不動産関連の企業や建設関連企業との付き合いが深く、彼らと連携しながら仕事を進めるのが一般的かと思います。
建築士事務所の場合は、顧客から設計の依頼があった場合、一定の時間をかけて(数ヶ月など)設計を行い完成した成果物を顧客へ納品することになります。そのため依頼があってから仕事の完成までに時間が空くため、売上が入ってくるタイミングも後ろになることが多いかと思います(マイルストンごとに一定数売上がもらえる形式)。そのため売上の計上漏れなどが発生しやすいため、留意する必要があります。
さらに業種の特徴として、従業員・パートを雇うことが多いと思いますが、給与計算や年末調整、源泉徴収、社会保険周りが複雑になりがちですが、センシティブな内容なのでミスは許されません。
一方で、業務委託で受けてる建築士については、定められた報酬に従って売上を計上していく形式になり、経費については仕事で使う道具などが経費として計上することになるでしょう。
建築士の場合は建設業と異なり、自社で再発注を外部に投げたり、たくさんの人員を抱えて給与を支払うなどがないため、コンサルティングビジネスと同じように比較的シンプルな税務処理となることが多いです。
建築士における経営のポイント
建築士は店舗経営のように大型の設備を購入したり、在庫を抱えたりするビジネスではないので、初期投資が他の業種と比較しても重たいものではありません。また専門業種のため参入障壁が高い業界となります。一方で、建築士の仕事は入金が一括であるわけではなく、フェーズに分けて入金が入って来るため後述する資金繰りが非常に重要な業種であります。
建築士の資金繰り
前述の通り、建築業は費用が先行しやすく、一方で収入については仕事の進捗によって入ってくるため、収支のタイミングがずれやすい業種だと言えます。よって資金繰りは建築士にとって非常に重要な事項の1つでしょう。資金調達で一般的なのは日本政策金融公庫による融資と信用保証付の銀行融資の2つになります。この2つは創業時から比較的融資がおりやすく検討すべき融資ですので、まずはご検討ください。
また銀行や公的な金融機関以外の借入先としてはビジネスローンもあります。こちらは金利が比較的高いため、長期で借り入れを行うというよりは短期で不足した資金を一時的に借りて収入が入ってきたら優先的に返済するようなものになっています。借入金額も基本的には数百万円程度になることが多いかと思います。
建築士の事業計画について
ここでご参考までに建築士における事業計画の考え方について整理しておきます。建築士については営業範囲が限られてくるため、基本的には工務店や建築会社(営業マンを抱えている会社)や不動産管理会社などとのつながりが非常に重要な業界となっております。そのため、一つ一つの案件は大きくなりがちですが、しっかりと受注を継続していかないとしばらくの間仕事がないような状況も発生してしまいます。そのため事業計画上の売上は積み上げ型で作成することになります。
一方でコストについては売上よりは読みやすいと思いまして、従業員がいる場合はそれが固定費になりますし設計に必要な費用を見積もることで、売上原価・販管費の予想数字を立てることになります。
建築士に税理士が必要なタイミング
建築士にとって、いつ税理士と契約するのが良いのでしょうか?考えられるのは消費税の課税事業者になるタイミングです。免税事業者であっても、年商1000万円を超える段階で課税事業者となるため、消費税申告が必要になってきます。この消費税申告ですが、所得税や法人税と異なり帳簿の付け方がやや複雑なものになっておりますし、消費税申告も原則課税と簡易課税で計算方法も計算結果も変わってくるため、採用した方法によって税額のメリット・デメリットが発生します。このように消費税が入ると考えるべき事項が増えるため、税理士のアドバイスを受けるのがおすすめです。
建築士が税理士へ依頼できる内容・税理士を活用するメリット
建築士が税理士へ依頼できる内容及びそのメリットとはどのようなものでしょうか?まずは、資金繰り関連で過去の決算書やそれに関する税務申告書を税理士に作成してもらうことで信頼性の高い書類を金融機関へ提出することが可能となります。加えて、事業計画書作成のサポートも税理士からもらうことができます(サポートの範囲については税理士によって異なってきます)。
また、上記と関連しますが、帳簿作成から決算書、税務申告書の作成・提出までを税理士へ丸投げすることで、本業に集中できるようになるという点です。建築士の方がご自身で勉強されて帳簿作成から税務申告書作成までを対応されるのは非現実的です。特に法人税になると所得税よりも難易度が上がります。そのため、税務のプロである税理士へ依頼することで、効率的に経営を行うことが可能となってくるのです。
建築士が税理士と契約する際の料金
税理士の料金は主に、月額顧問報酬と決算申告時の報酬から構成されています。前者については、毎月税理士と税務相談に関してコミュニケーションをとるのに必要な金額になってきます。記帳代行を依頼する場合にはオプション料金として、毎月の月額顧問報酬に加算して金額を支払うことになります。月額顧問報酬は概ね2〜3万円以上となることが一般的かと思います。
後者の決算申告は、確定申告に際に税理士が作成する決算書及び確定申告書の作成料金として請求されるものになります。概ね月額顧問報酬の4〜6ヶ月分を請求されることが多いかと思います。また基本的には最低限のサービスしか入っていないことが多いので、例えば従業員がいて年末調整をお願いしたり、消費税の課税事業者のため消費税申告書が必要な場合は、別途プラスで料金がかかってきます。
建築士に強い税理士の選び方
建築士に強い税理士の選び方として、最も重視されるポイントは、税務に対する知見はもちろんのことですが、相性が一番大きいと言えます。他の士業と比較しても定期的にコミュニケーションをとる士業になりますので、相性が悪いと、正しくコミュニケーションが取れず相談内容が漏れてしまったりするため、せっかく顧問契約をしていても勿体無い結果となります。必ず複数名の税理士と面談して金額だけではなく、相性を見ながら税理士と契約することをおすすめいたします。
また税理士側に、建築士の経験があるかどうかがポイントになってきます。税務は業界関係なく共通の要素が多いですが、例えば建築士のビジネスの流れの理解、専門用語の理解、どのような証憑類がるのかの理解、などは経営者とコミュニケーションをスムーズに行うことについて非常に重要な要素です。また、資金繰りなどのサポートを行う際にもビジネス理解が大前提になってくるため、建築における経験は税理士を選ぶ要素の一つとなってくるでしょう。
建築士が税理士を変更する場合
建築士の方が今契約している税理士と相性が合わない、もしくはなかなか自分のビジネスを理解してくれないなど、の理由から変更を検討している場合もあるでしょう。税理士の変更は当然可能ですがタイミングがあります。一番良いタイミングは依頼している年度の決算及び税務申告が完了した時が良いでしょう。税理士は年度単位で会社を見ているため、年度途中だと引き継ぎに時間がかかったりします。また、税理士の契約内容によっては途中で解約する場合の違約金が発生する場合もあります。
建築士に強い税理士の具体例
建築士に強い税理士にはどのような方がいるのでしょうか、インターネットの公開情報で検索した結果も踏まえて下記に記載をしていきます。
匠税理士事務所様
まずは、匠税理士事務所様(https://www.takumi-tax.jp/2016/01/post-449.html)です。東京都自由が丘に拠点を構えられている税理士事務所様で、建設業・建築業に深い知見とご経験をお持ちです。個人事業主のお客様から法人のお客様まで幅広く対応されている事務所様で確定申告以外にも会社設立や融資支援など、幅広いサービスを提供されています。
税理士事務所century-partners様
次に、税理士事務所century-partners様です(https://www.zeitetsuzuki.jp/15106316337328)。東京都渋谷区恵比寿を拠点にされている税理士事務所様で、建築士向けの確定申告サービスを提供されています。所得税・法人税・消費税の確定申告や税務相談はもとより、融資サポートなど幅広く対応されています。
宮嶋公認会計士・税理士事務所
最後に、当事務所になりますが、宮嶋公認会計士・税理士事務所です。(https://tax-miyajima.com/)。当事務所も、確定申告や記帳代行などの税務サービスのみでなく、外資系経営コンサルティング会社やCFO経験を活かした、経営コンサルティングサービスおよびDX・デジタルに非常に強みを持っている特徴的な事務所になります。特にコンサルティング経験も豊富ですので建築士様のお悩みを深く理解し、適切なアドバイスをさせていただくことが可能です。
建築士が受けられる税理士サービス(税務サービス以外)
資金調達・融資サポート
税理士の税務以外のサービスとして考えられるのが、建築士の方が金融機関から借入を行う際のサポートです。例えば事業計画の作成支援や過去実績の取りまとめなど財務関連のサポートが考えられます。
会社設立支援
会社設立登記は司法書士の役割となりますが、会社を設立するにあたっては税金の有利・不利が必ず発生しますので、税理士のアドバイスを受けた方が良いでしょう。
まとめ
以上のように建築士にとって税理士は必要かについて記載してきました。こちらの記事を参考にして、ぜひ税理士選びのサポートとしていただけると光栄です。
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この記事の作成者 宮嶋 直 公認会計士/税理士 京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。