エステ業経営者が税理士を活用するメリットを徹底解説

税務

本記事では、エステ業を経営する経営者にとって、税理士を活用するメリットや税理士を活用する際にかかるコスト、エステ業に強い税理士の具体例などを記載していきます。本記事をご覧いただくことで、エステ業経営者が税理士を探すにあたって正しい知識に基づいて正しい判断ができるようになります。

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エステにおける税務の特徴

エステ業の場合、固定資産が大きくなる点、従業員にかかるコストや業務委託にかかるコストが高くなりがちな点、広告費かかるコストが増加する点、などが特徴となってきます。それぞれ具体的な特徴について下記で詳細を記載していきます。

まずは、テナントを賃貸するか自社で保有している物件でエステ業を開業するかによってかかるコスト構造が変わってきます。まずテナントを賃貸する場合は、賃貸人に対する敷金・礼金や毎月の賃貸料が発生してきます。加えて内装にかかる費用は自身で負担する必要があるため、内装費用に関する固定資産を計上する必要が出てきます(こちらは償却資産税の対象となります)。

自社保有の不動産を活用する場合には、全体を使用する場合には建物にかかる減価償却費全部を、一部を利用する場合には減価償却費のうち一部割合を、それぞれ費用として計上することが可能です。自社保有の不動産の場合には、事業利用の有無に関わらず、固定資産税を支払う必要がありますが、こちらについても使用割合に応じて費用化することが可能となります。なお、下記で記載する機器も含まれますが、開業に基づく支出を借入によって賄う場合には、借入にかかる支払利息を費用として計上することが可能です。また第3者に保証してもらっている場合の保証料についても同様です。

上記のテナントに加えてエステに使用する機器の購入も固定資産としては大変重要になってきます。1台あたりの単価が高くなりやすいので、毎年の減価償却費に与える影響も大きいです。減価償却費は固定資産を購入した年に一括で費用計上するのではなく、税務上の耐用年数に応じて期間按分して費用化していくことを指します(実際に耐用年数期間、機器が利用できるというわけではなくあくまで税務上で定められた期間となります)。また、消費税についても固定資産を購入すると仮払消費税の金額が高額になることから、事業の状況によっては還付を受ける可能性があります。ただし、還付を受けるためにはそもそも消費税の課税事業者を選択する必要がありますし、選択したのみではダメで、原則課税を計算として適用する必要があります(簡易課税では消費税の還付を受けることはできませんが、原則課税の計算は非常に複雑であることから、申告の手間も含めた上で、還付を受けるかどうかを選択する必要があります)。なお、消費税については課税事業者を選択した後は一定期間免税事業者に戻ることができませんので、ご留意ください。また、原則課税か簡易課税かについても、簡易課税を届出してしまうと一定期間は原則課税を適用することができないため、こちらも留意が必要です(なお簡易課税は適用できる企業、事業者について年商の上限があるので、必ず確認が必要です)。

固定資産以外では、人件費が比較的大きくなりやすい業種と言えるでしょう。エステの背術を行うスタッフの採用・教育は非常に重要ですし、採用すれば給与計算及び給与の支払いが必要となります。給与計算は単に給与支払額を計算するのみでなく、必要な源泉徴収の金額は社会保険料の徴収金額を含めて計算し、実際に従業員の給与額から天引きする必要があります。天引きしたものは税務署等への納付が必要になってくるため、天引きし忘れると、事業主の負担となってしまいます。また年末には、毎月源泉徴収していた金額を再度年間で計算し直し、過不足額を計算して、不足があった場合には従業員から追加徴収・多く取りすぎていた場合にはその分を従業員へ返金する必要があります。年末調整にあたっては、従業員個々人の扶養状況や従業員が個人で入っている生命保険料等の証憑を経営者が入手する必要があり、それに基づいて計算を行うことになります。エステ施術のスタッフを従業員ではなく業務委託として依頼している場合には、契約で定められた金額を業務委託先である施術者に支払うだけになりますので、源泉徴収や年末調整などの複雑な業務は発生しません。

その他コスト面では広告宣伝費がエステ業だと比較的高額になると思われます。競合他社が多く、顧客のニーズも変改してく中で、常に新規顧客の獲得は重要ですし、リピーターの維持に一定の販促費を活用することも重要な施策になってきます。広告宣伝費については特に特殊な処理は発生せず、費用が発生した期に費用計上することになります(実際に支払った時ではなく、費用として支払うことが確定した時期になりますのでご留意ください)。

上記はコスト面を中心に記載してまいりましたが、続いて売上面について記載をしていきます。売上については、現金での販売や、クレジットカードが主な支払い方法になってきますが、売上が確定した際に売上として計上することになります(入金があった時ではないので、ご留意ください)。また、分割払いなどの場合はより処理が複雑になりまが細かすぎるので、ここでは割愛させていただきます。売上についてはPOSを通じて集計されることが多いかと思いますので、基本的にはPOSで管理しているデータを一部時期修正して、そのデータを経理上の売上としても計上することになりますので、売上の計上自体はそこまで複雑な内容ではありません。

エステ業の経営者が税理士へ依頼できること・活用のメリット

エステ業の経営者が税理士へ依頼できることは大きく3つです。1つ目は、税務申告の代行及び税務相談です。こちらは税理士の本業でもありますが、経理経験のない経営者に変わって税理士が税務に関するアドバイス及び税務申告の作成代行・提出を行うことで、エステ業経営者は本業に集中することが可能となります。

2つ目は漏れなく節税が可能な点です。税務や経理にそこまで詳しくないエステ業経営者の方にとっては(多くの経営者が同じだと思いますが)、ご自身で税法を勉強して自分の事業に使えそうな税メリットのある制度を活用して、かつ税務申告にご自身で計算されて記入する、というのは非常に非現実的ですし、効率が大変悪いと考えられます。その点、税理士であれば新しくなった税法含めて対応が可能なので、安心感と時間の短縮を買うことが経営者にとってはできるでしょう。

3つ目は、法人化や資金調達のサポートを受けられるという点です。法人化については個人事業主としてエステ業を展開されていると、ある程度の規模になってくると法人化を視野に入れられると思います。その際に、法人化する際のメリット等のアドバイスを税理士から受けることが可能となります。また資金調達については、過去の決算書や将来の事業計画を金融機関から求められることがありますが、作成に税理士が関与することでその正確性が担保されるため、金融機関とのコミュニケーションがスムーズになります。

エステ業経営者にとって税理士が必要なベストタイミング

エステ業の経営者にとって、いつ税理士と契約するのが良いのでしょうか?一般的には、まず開業のタイミングがベストだと言われています。これは税理士を活用するメリットでも述べさせていただきましたが、開業時には資金調達など税理士が活躍する場面が多数存在します。最初から個人事業主ではなく法人として事業展開を考えられている方にとっても法人化のアドバイスを税理士から受けることが可能となります。また、開業時には税務に関連する届出書も多数存在するため、漏れなく対応するためには税理士が非常に心強い存在となるのです。

続いてベストなタイミングとしては、消費税の課税事業者になる時です。年商で1,000万円を超えてくると消費税の課税事業者になりますが、消費税の計算にあたっては、そもそも原則課税と簡易課税の2つの選択肢があります。簡易課税は税務署へ届出を行うことによって計算することが可能となりますが、事務処理としては非常に簡易なので、経営者として事務処理のコストを削減したいという点においては非常にメリットがあります。一方で、消費税の還付が受けられない、事業の状況によっては原則課税の方が税メリットが高いなどがありますので、一概に簡易課税が良いとは言えません。この辺りをエステ業の経営者がご自身で判断されることは難しいため、税理士の活用が非常に有益と言えます。

エステ業経営者が税理士と契約する際の料金イメージについて

エステ業経営者が、税理士と契約する際に支払う料金はどの程度になるのでしょうか?そもそも税理士の料金体系は、月額で支払う税務顧問料金と、決算時に支払う決算料金に分けられます。前者については税務相談を行うために支払う料金になりますので、仮に帳簿作成を税理士へ依頼したい場合には、この税務顧問料金に加えて記帳代行料金を税理士へ毎月支払う必要があります。また決算料金は、年1回の確定申告の際に税理士が顧客の決算書と税務申告書を作成するためにかかる費用のことです。決算書とは貸借対照表と損益計算書から成り立つもので、前者は年度末における獣医の方の財産状況を示したもの(ただし申告の対象となる事業に限られるので、獣医の方の個人の財産がここに全て載るわけでありません)、後者はエステ業の事業における年間の成績を表すもので、売上高やそれにかかったコストである売上原価、最終的な利益が記載されることになります。

最低料金の目安ですが、月額の税務顧問料が2〜3万円以上、決算料金が税務顧問料の4〜6ヶ月分になることが多いかと思います。当然年商やエステ経営者の方が税理士へ依頼される税務の内容によって料金はさらに高くなります。一般的に税理士の標準料金に入っているのは一般的な所得税もしくは法人税になってくるため、例えば不動産所得があって不動産所得申告をしなければならない、や相続税申告を依頼したい場合などは別料金となってきます。

エステ業に強い税理士の具体例を紹介

では、具体的にエステに強い税理士にはどのような方がいるのでしょうか、インターネットの公開情報で検索した結果も踏まえて下記に記載をしていきます。

まずは、山田一成税理士事務所様です(https://kyamada-office.com/neirusaronn.html)。東京都足立区北千住を拠点とされている税理士事務所様になります。エステ向けに税務サービスも展開されています。税務顧問や確定申告のみならず、一般社団法人向けの税務サービスなども提供されているのが特徴的です。

次に、税理士法人岡部会計事務所様です(http://www.okabe-tax.com/beautysalon/)。愛知県名古屋市昭和区桜山町を拠点とされている税理士事務所様になります。エステ・美容サロン向けのサービスを展開されているところが非常に特徴的です。

最後に、当事務所になりますが、宮嶋公認会計士・税理士事務所です。(https://tax-miyajima.com/)。当事務所も、確定申告や記帳代行などの税務サービスのみでなく、外資系経営コンサルティング会社やCFO経験を活かした、経営コンサルティングサービスおよびDX・デジタルに非常に強みを持っている特徴的な事務所になります。特にコンサルティング経験も豊富ですのでエステ経営者の方のお悩みを深く理解し、適切なアドバイスをさせていただくことが可能です。

まとめ

以上のようにエステ業経営者にとって税理士は必要かについて記載してきました。こちらの記事を参考にして、ぜひ税理士選びのサポートとしていただけると光栄です。

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この記事の作成者 
宮嶋 直  公認会計士/税理士 
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。