本記事では、漫画家の方が確定申告をする際に、どのようなポイントに気をつけて進めれば良いか、そもそも確定申告の対象なのか、確定申告をどのようにすれば良いのか、などの基本的な情報について解説をしていきます。税理士をお探しの方については、漫画家に強い税理士を探す方法、の記事も併せてご覧ください。
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漫画家の確定申告はどうすれば良いか? 現役税理士が徹底解説
漫画家は所得がいくらから確定申告が必要か?
漫画家の方は、所得がいくら以上になると確定申告が必要になるのでしょうか?まず、所得というのは、収入から支出を控除した金額のことを指します。確定申告の対象になるのは、この所得の金額が年間48万円を超えた場合になります。基礎控除というものがあり、これは年間の所得から48万円まで控除できる仕組みとなっています。そのため48万円以下の所得であれば基礎控除を差し引くことで所得が0円となるため、結果確定申告の対象とならないのです。基礎控除を含めた所得控除については、そのほかに扶養控除や配偶者控除など確定申告する人によって異なってきます。
開業届と確定申告の関係
開業届を提出していないと確定申告はできないのでしょうか?開業届とは個人事業主として事業を開始するタイミングで税務署へ提出する書類になります。結論から言うと、開業届を提出していなくても、確定申告は行う必要があります。所得が一定金額を超える場合は必ず確定申告を行う必要が出てきますので、この点留意しましょう。
漫画家の確定申告の提出期限について
漫画家の方が確定申告を行う場合の提出期限はいつになるのでしょうか?個人事業主か法人かによって異なってきます。個人事業主の場合は、毎年3月15日までに前年の1月から12月の所得を確定申告する必要があります。また法人の場合は法人で定めた決算期から2ヶ月以内に確定申告を行う必要があります。
漫画家の方の確定申告の提出方法
漫画方の方が確定申告を提出する方法にはどのような方法があるのでしょうか?
税務署へ提出
書面で作成をした場合は、税務署へ提出することで確定申告を終わらせることができます。
郵送で提出
税務署へ提出する方法とほぼ同じですが、直接税務署へ持って行くのではなく、郵送で確定申告書を提出する方法です。
e-tax
各種初期設定は必要ですが、電子で確定申告を提出することが可能です。この場合は書面の作成が不要なので、全て電子上で完結することが可能です。
漫画家が確定申告の提出期限に遅れた場合
漫画方の方が確定申告雨の提出期限に遅れた場合、どうなるのでしょうか?のちに税務調査で提出遅延や無申告が明らかになった場合には、加算税や延滞税などのペナルティを、通常支払う税金に加えて支払う必要が出てきます。こちらは回避することができないため、漫画家の方にとっては税負担が単純に重くなってしまいます。そのため、忘れずに期限までに確定申告を行うようにしましょう。
漫画家の確定申告の必要書類とは?
確定申告にはどのような必要書類があるのでしょうか?確定申告書を筆頭に、青色申告決算書(青色申告で確定申告を行う場合)、経費に計上するための証憑類(請求書や銀行口座明細など)、保険料控除の証憑や住宅ローン控除など各種控除書類が挙げられます。
漫画家の確定申告書類の書き方とは?
確定申告書において、第一表と第二表を使うことになります。第一表は、税金計算をするための表であり、最終的な所得税の支払い金額を計算します。第二表は税金計算をする上での各種所得や控除項目の明細を記入するものになります。
漫画家の経費として計上できるもの
漫画家の方が経費として計上できるものにはどのようなものがあるのでしょうか?まず基本的な考え方としては、漫画家の仕事として支出したものについてのみ経費として計上できるということです。つまり、プライベートで使った経費については経費計上できません。また、水道光熱費や通信費のようにプライベートと業務用を混合して利用しているケースもあると思います。この場合は合理的な基準を決めて、プライベート部分と業務部分に按分をして経費計上することになります。
漫画家の確定申告におけるポイント
経費は網羅的に計上する
経費が漏れてしまうと、その分だけ支払う税額は高くなります。事業用に使った経費については忘れずに全て確定申告において経費計上するようにしましょう。
確定申告不要のケースでも還付のケースあり
所得の金額がなく確定申告が不要となる場合でも、例えばサラリーマンと兼業していて、確定申告をした方が税金の還付もあるケースもあるため、確定申告が不要だからといって、全く確定申告を気にしない、というのは勿体無いです。
漫画家は確定申告を自分で対応可能か?
漫画家の方は確定申告を自分で対応可能なものでしょうか?答えは、年商や漫画家以外の収入がどの程度あるかによって異なってきます。漫画家としての収入が小さく、その他の収入もほぼないような状況であれば確定申告も非常にシンプルなので、ご自身でも十分に対応可能でしょう。一方で、それなりの規模があり、取引が複雑になってきているようであれば、ご自身で対応するのはだんだん難しくなってくるかもしれません。
漫画家が確定申告を税理士へ依頼した方が良いケース
漫画家の方がご自身で確定申告を対応せず税理士へ依頼した方が良いケースとは、どのようなケースになるのでしょうか?1つ目はミスなく確定申告をしたいケースです。ご自身でやるとどうしてもミスが発生しやすいため、プロに任せて正しい確定申告をするという場合は税理士へ依頼をした方が良いでしょう。2つ目は、本業に集中したいケースです。確定申告の時期に非常に時間を取られてしまい本業に集中が難しくなってしまうため、確定申告作成業務から解放されたいという場合は税理士へ依頼した方が良いでしょう。
漫画家の確定申告はどうすれば良いか? まとめ
以上のように漫画家の方が確定申告をする際にはどうすれば良いのか、について解説を行ってきました。本記事をご参考にされて、ぜひ確定申告の対応をされてください。
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この記事の作成者
宮嶋 直 公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。