フリーランスエンジニアにかかる税金とは?節税対策含めて解説

税務

本記事では、フリーランスエンジニアにかかる税金にはどのような種類があるのか、節税対策としてどのような手法があるのかについて解説をしていきます。まずは基本的な税金の知識を得たいフリーランスエンジニアの方々に読んでいただきたい記事となっております。フリーランスエンジニアで税理士を活用したいと考えている方については、フリーランスエンジニアに強い税理士を探す方法、の記事も併せてご覧ください。

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フリーランスエンジニアにかかる税金とは?節税対策含めて解説

フリーランスエンジニアにかかる税金の種類について

まずフリーランスエンジニアにはどのような税金が発生するのでしょうか?

所得税

これは個人事業主として仕事を行う人にかかってくる税金です。個人事業主の場合は、所得税の中でも事業所得というカテゴリーの所得に基づいて税金を計算することが一般的です。

個人住民税

所得税は国に対して支払うものですが、個人にかかる住民税は都道府県及び市区町村へ支払うものになります。所得税に関連して発生する所得割に、所得に関係なく発生しる均等割を加算した税額が毎年課されることになります。

個人事業税

個人事業主の方で一定の事業を営まれている方については、所得税や個人住民税に加えて事業税というものが発生します。納付先は都道府県になります。

消費税

個人の方で年間の売上が1000万円を超えてくると課せられる税金です。インボイス登録のように、1000万円超えていなくても消費税申告書を提出する義務を負う場合もあります。

フリーランスエンジニアにおいて税金ではないが発生するもの

国民健康保険

こちらは、個人事業主でやられている方は加入が必要となります。病院に行く際に必要な健康保険となります。会社員と異なり、自ら納付する必要があります。

国民年金

こちらも国民年金と同様に個人事業主の方は加入が必要となります。厚生年金とは異なり、個人事業主の方が自ら納付する必要があります。

フリーランスエンジニアとしての節税対策

フリーランスエンジニアとして誰しもできる節税対策としては大きく6つあります。1つ目が青色申告での確定申告を行うこと、2つ目が所得税の計算上認められた控除をしっかりと使うこと、3つ目は所得税の計算上認められた経費をしっかりと計上すること、4つ目は青色申告の専従者控除の活用、5つ目が少額減価償却資産の特例、6つ目がiDeCoや小規模企業共済への加入です。より細かく説明すると、下記のように整理できます。

青色申告での確定申告

こちらは青色申告にかかる承認申請を事前に届け出た方が対象になります。後述しますが、最大で65万円を所得から控除することが可能です。

所得控除や税額控除の活用(基礎控除、配偶者控除、扶養控除など)

後述する所得控除や税額控除は要件に該当すれば所得の金額や税額から差し引くことが可能です。

経費の計上

経費については、計上漏れがあると税額が正しい金額よりも高く計算されてしまいます。所得税上認められている経費については漏れがないように計上した方が、税額が安く済みます。

青色申告の専従者控除の活用

青色申告を適用しており、配偶者や親族が確定申告者の事業に従事している場合は、支払った給与を経費として控除することが可能です。白色申告でも一定金額は認められていますが上限があります。青色の場合はその上限がない(と言っても実態を伴い、合理的に説明ができることが前提ですが)ため、経費計上をより行うことが可能です。

少額減価償却資産の特例

青色申告者で、30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、取得した年度の経費として一括で計上することが可能です。通常は10万円以上の減価償却資産については一括経費計上が認められていません。

iDeCo及び小規模企業共済

前者は、個人型確定拠出年金のことで職業ごとに支出限度がありますが、限度内であれば全額経費として計上可能なものになります。後者については、経営者や役員、個人事業主が退職や廃業に備えて積み立てておく制度で、掛け金の全額が所得控除になるものです。

フリーランスエンジニアとして使える所得控除・税額控除

所得控除とは?税額控除とは?

所得控除とは、税率をかける対象となる所得の金額から控除できる制度のことを言います。税額控除は税率をかけて計算した税額から控除できる制度のことを言います。

主な所得控除の種類

主な所得控除として挙げられる代表例が基礎控除です。こちらは確定申告をする人全員に認められた制度で、48万円を控除することが可能です。次に、配偶者控除や扶養控除です。これらは確定申告する本人に配偶者や扶養している家族がいる場合に、一定の要件を満たす場合は控除金額を活用することができる制度です。

また青色申告特別控除が挙げられます。こちらは不動産所得もしくは事業所得がある人で青色申告で確定申告を行うことが税務署から認められている場合を前提に、最大で所得金額から65万円を控除することができる制度となります。ただし青色申告が認められる場合には、所得税法上で定められた形式で帳簿や決算書を作成・保存する義務を負うことになります。

そのほかのとしては、高額な医療費がかかった場合に活用できる医療費控除や、個人の確定拠出年金の支払いに関する控除、ふるさと納税など、さまざまな控除制度が用意されています。

主な税額控除の種類

税額控除についてもさまざまな種類がありますが、よく出てくるものとしては、配当控除が挙げられます。こちらは配当収入がある場合、その一定額を税金から控除することが可能な仕組みです。また住宅ローン控除も一般的に使われている仕組みになります。その他として、外国で税金を支払った際に2重課税にならないように活用する外国税額控除も税額控除に該当します。

フリーランスエンジニアとしての経費計上解説

続いてフリーランスエンジニアが経費として計上できるものにはどのようなものあるのでしょうか?

家賃や光熱費

事業所として使用している家賃や光熱費については経費に計上することができます。プライベートと共有して使っている場合は、仕事をしている時間と按分計算をして事業にかかる経費を算出します。

携帯電話やインターネットなどの通信費

仕事では携帯電話やインターネットを使用すると思います。こちらも経費として計上することが可能です。プライベートと共有して使っている場合には、仕事で使っている割合を出して按分計算し、事業にかかる経費を算出します。

パソコンなどの備品

パソコンなどの備品についても業務として使っているものは経費に計上することができます。ただし原則10万円以上のものについては資産計上して減価償却が必要(青色申告者については30万円未満は取得時に一括経費計上可能)となります。

旅費交通費

出張などで使った旅費交通費についても経費計上可能になります。例えば電車での移動やタクシーなどでの移動、宿泊費などが挙げられます。当然ですが、」プライベートな利用は経費になりません。

税金のうち経費計上可能なものは?

税金の中でも経費として計上可能なものがあります。そもそも所得税や住民税は支払った税額について経費計上することはできません。一方で、事業税や固定資産税、印紙税、登録免許税、などは経費計上することが可能です。間違いやすいポイントなので、経費計上できる税金に漏れがないかどうか確認しましょう。

フリーランスエンジニアにかかる税金とは?のまとめ

フリーランスエンジニアにはさまざまな税金がかかる一方で、各種節税のための控除制度や経費計上制度が存在していることがお分かりいただけたと思います。本記事を活用して無駄のない確定申告を行なってください。

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この記事の作成者 
宮嶋 直  公認会計士/税理士 
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。