フリーランスが税理士へ依頼する際の費用相場は?

税務

フリーランスとして独立し、自身のスキルを活かして事業を営む方々にとって、毎年避けて通れない大きな壁となるのが「税金」の問題です。会社員時代は年末調整によって会社がすべて代行してくれていた税務処理も、独立してからはすべて自分自身の責任で行わなければなりません。特に毎年2月から3月にかけて行われる確定申告の時期になると、領収書の整理や帳簿の作成に追われ、本業がおろそかになってしまうという悩みを抱える方は少なくありません。

そのような状況下で、専門家である税理士への依頼を検討するフリーランスの方は年々増えています。しかし、そこで最も気になるのが「費用」の問題でしょう。税理士に依頼するといくらかかるのか、その相場がわからないために二の足を踏んでしまうケースも多いのです。

本記事では、フリーランスが税理士に依頼する際の費用相場を中心に、費用が増減する要因や抑えるためのテクニック、そして信頼できる税理士の選び方までを網羅的に解説します。税務の負担を減らし、事業をより成長させるためのパートナー選びの参考にしてください。

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フリーランスが税理士へ依頼する際の費用相場は?

  1. フリーランスが税理士へ依頼する際の費用相場は?
    1. 確定申告のみを依頼する場合(スポット契約)
    2. 顧問契約を結ぶ場合
    3. 税務相談のみをスポットで依頼する場合
  2. フリーランスの税理士費用が増える要因
    1. 年間の売上規模が大きい
    2. 記帳代行を丸投げしている
    3. 消費税の申告が必要である
    4. 特殊な取引や複雑な税務処理がある
    5. 依頼時期が申告期限直前である
  3. フリーランスが税理士費用を抑える方法
    1. 日々の記帳を自分で行う(自計化)
    2. 税理士事務所への訪問やオンライン面談を活用する
    3. 必要なサービスのみを厳選して依頼する
    4. 繁忙期を避けて早めに契約する
  4. 税理士がフリーランス向けに提供しているサービス
    1. 確定申告書の作成と提出代理
    2. 記帳指導と会計ソフトの導入支援
    3. 節税対策の提案
    4. 資金調達と補助金申請のサポート
    5. 法人成りのシミュレーション
  5. フリーランスが税理士を活用するメリット
    1. 本業に集中できる時間を確保できる
    2. 正確な申告でペナルティのリスクを回避できる
    3. 専門家のアドバイスで手取り額を最大化できる
    4. 社会的信用力が向上する
  6. フリーランスが税理士を探す方法
    1. 知人や仕事仲間からの紹介
    2. 税理士紹介サービスを利用する
    3. インターネット検索で探す
    4. SNSやYouTubeで探す
  7. フリーランスが税理士を選ぶ際のポイント
    1. フリーランスや個人事業主の支援実績が豊富か
    2. ITツールやクラウド会計に対応しているか
    3. コミュニケーションが取りやすく相性が良いか
    4. 料金体系が明確であるか
  8. フリーランスが税理士へ依頼する際によくある質問の例と回答
    1. Q. まだ売上が少ないのですが、税理士に依頼しても良いのでしょうか?
    2. Q. 税理士費用は経費になりますか?
    3. Q. 年の途中からでも契約できますか?
    4. Q. 領収書をなくしてしまったのですが、どうすれば良いですか?
    5. Q. 顧問契約を解約することはできますか?
  9. まとめ

フリーランスが税理士へ依頼する際の費用相場は?

税理士への依頼費用は、依頼する業務の範囲や契約形態によって大きく異なります。一般的にフリーランスが税理士を利用するパターンは、大きく分けて「スポット契約(確定申告のみの依頼)」と「顧問契約(年間を通じたサポート)」の二種類があります。それぞれの相場について詳しく見ていきましょう。

確定申告のみを依頼する場合(スポット契約)

日々の記帳や会計処理はある程度自分で行っている、あるいは領収書をまとめて渡して一年に一度だけ処理をお願いしたいという場合に利用されるのがスポット契約です。この場合の費用相場は、申告の種類や売上規模によって変動します。

まず、白色申告の場合です。白色申告は青色申告に比べて帳簿作成の要件が簡易的であるため、費用は比較的安く抑えられる傾向にあります。相場としては5万円から10万円程度が一般的です。ただし、近年は会計ソフトの進化により、青色申告を選択するフリーランスが圧倒的に増えているため、白色申告の依頼自体が減少傾向にあります。

次に、青色申告の場合です。青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるなど税制上のメリットが大きい反面、複式簿記による正規の簿記の原則に従った帳簿作成が求められます。そのため、税理士の手間も増えることから、費用相場は10万円から15万円程度となります。売上規模が大きく、消費税の申告も必要となる場合は、さらに3万円から5万円程度が加算されることが一般的です。

顧問契約を結ぶ場合

毎月の巡回監査や記帳のチェック、経営相談など、年間を通じて継続的にサポートを受けるのが顧問契約です。顧問契約の場合、毎月支払う「月額顧問料」と、決算時に支払う「確定申告料(決算料)」の二階建て構成になることがほとんどです。

月額顧問料の相場は、フリーランスの売上規模によって変動します。年商が1,000万円未満であれば、月額1万円から2万円程度が相場です。年商が1,000万円を超えてくると、消費税の課税事業者となることや取引数が増えることから、月額2万円から3万円程度に上がることが多いでしょう。さらに売上が伸びて法人化を検討するレベルになれば、月額3万円以上となることもあります。

これに加え、確定申告時には月額顧問料の4ヶ月分から6ヶ月分程度の確定申告料が発生します。例えば月額顧問料が2万円の場合、確定申告料は8万円から12万円程度となり、年間のトータルコストは30万円から40万円程度となります。顧問契約は費用がかかる分、節税対策や資金繰りの相談など、経営のパートナーとしての付加価値を享受することができます。

税務相談のみをスポットで依頼する場合

確定申告書の作成は自分で行うものの、特定の税務処理について専門家の意見を聞きたい場合や、将来的な法人化のシミュレーションをしてほしい場合などは、時間単位でのスポット相談を利用することができます。

この場合の相場は、1時間あたり5,000円から1万円程度が一般的です。最近では初回相談を無料としている税理士事務所も多いため、まずは無料相談を活用して相性や知識レベルを確認するのも有効な手段です。また、オンライン通話ツールを活用した相談であれば、移動時間もかからず比較的安価に設定されているケースもあります。

フリーランスの税理士費用が増える要因

税理士の費用は一律ではなく、依頼者の状況や依頼内容によって変動します。どのような要素が費用を押し上げる要因となるのかを理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

年間の売上規模が大きい

最も基本的な変動要因は売上高です。売上が大きいということは、それだけ取引先が多く、取引件数も膨大であることを意味します。取引数が多ければ、税理士が確認しなければならない領収書や請求書の数が増え、帳簿の作成やチェックにかかる時間が長くなります。税理士報酬は基本的に「作業工数」と「責任の重さ」に比例するため、売上規模が大きくなればなるほど、費用は高くなる傾向にあります。

記帳代行を丸投げしている

税理士への依頼方法として、領収書や通帳のコピーをそのまま渡して、会計ソフトへの入力をすべて任せる「記帳代行(丸投げ)」というスタイルがあります。この場合、税理士事務所側で入力作業を行うスタッフの人件費がかかるため、顧問料や確定申告料とは別に、月額5,000円から数万円程度の記帳代行料が加算されます。

記帳代行料は、仕訳数(取引の数)に応じて段階的に設定されていることが一般的です。例えば、月間100仕訳までは5,000円、200仕訳までは1万円といった具合です。自分で記帳を行わずにすべて任せる場合は、この追加費用を予算に組み込んでおく必要があります。

消費税の申告が必要である

基準期間(通常は2年前)の課税売上高が1,000万円を超えた場合、あるいはインボイス制度の登録事業者となった場合は、消費税の申告と納税が必要になります。消費税の計算は、取引ごとに課税・非課税・不課税などを正確に判定する必要があり、非常に複雑な実務を要します。

特にインボイス制度導入後は、受け取った請求書が適格請求書であるかどうかの確認作業も必要となるため、税理士の負担は以前より増しています。そのため、消費税申告が必要な場合は、通常の確定申告料に加えて、3万円から5万円程度の消費税申告報酬が別途請求されることが一般的です。

特殊な取引や複雑な税務処理がある

一般的な事業所得以外に、不動産の売買や譲渡所得、暗号資産(仮想通貨)の取引、海外取引などがある場合は、費用が高くなる要因となります。これらの取引は税務上の判断が難しく、専門的な知識と調査が必要となるためです。

特に暗号資産の計算は非常に煩雑であり、取引履歴が膨大になることも多いため、通常の料金体系とは別枠で見積もりが提示されることも少なくありません。また、複数の事業を掛け持ちしている場合や、店舗を複数経営している場合なども、管理が複雑になるため費用が増える可能性があります。

依頼時期が申告期限直前である

確定申告の期限は毎年3月15日ですが、この直前である2月や3月に入ってから「何もやっていないのでお願いします」と駆け込みで依頼する場合、特急料金(割増料金)が発生することがあります。

税理士事務所にとってこの時期は一年で最も忙しい繁忙期であり、通常業務のスケジュールを調整して対応しなければならないためです。場合によっては、物理的に間に合わないとして依頼を断られることもあります。費用を抑え、確実に申告を済ませるためにも、早めの相談が不可欠です。

フリーランスが税理士費用を抑える方法

税理士費用は事業を継続するための必要経費ですが、できるだけ抑えたいと考えるのが経営者の心情でしょう。サービスの質を落とさずに、賢く費用を抑えるためのポイントを解説します。

日々の記帳を自分で行う(自計化)

最も効果的なコスト削減方法は、記帳代行を依頼せず、自分で会計ソフトへの入力を行う「自計化」です。最近のクラウド会計ソフト(freeeやマネーフォワードなど)は、銀行口座やクレジットカードと連携して明細を自動取得する機能や、AIによる勘定科目の自動推測機能が充実しており、簿記の知識が浅い方でも比較的容易に入力作業ができます。

自分で入力を済ませておけば、税理士の業務は「入力された内容のチェックと修正」だけになるため、作業工数が大幅に減り、顧問料や決算料の値下げ交渉がしやすくなります。また、自分で数字を把握することで経営感覚が養われるというメリットもあります。

税理士事務所への訪問やオンライン面談を活用する

顧問契約において、税理士が毎月事業所を訪問する「訪問型」は、移動時間や交通費のコストが顧問料に含まれるため高額になりがちです。一方で、自分が税理士事務所に出向く「来所型」や、Zoomなどのビデオ通話を利用する「オンライン型」を選択することで、費用を抑えられる場合があります。

特にフリーランスの場合、自宅兼事務所で働いていることも多く、税理士に来てもらうことに抵抗がある方もいるでしょう。オンライン面談であれば場所を選ばず、資料の共有も画面上でスムーズに行えるため、効率的かつ安価にサービスを受けることが可能です。訪問頻度を毎月ではなく、3ヶ月に1回や半年に1回に減らすこともコストダウンにつながります。

必要なサービスのみを厳選して依頼する

税理士の見積もりには、様々なサービスが含まれていることがあります。例えば、年末調整や法定調書の作成、償却資産税の申告、税務調査の立会いなどがオプションになっている場合もあれば、パック料金になっている場合もあります。

自分にとって不要なサービスが含まれていないかを確認し、必要なものだけを依頼するようにしましょう。例えば、従業員を雇っていないのであれば年末調整や給与計算のサポートは不要です。自分の事業規模や状況に合わせて、契約内容をカスタマイズできるか相談してみることが大切です。

繁忙期を避けて早めに契約する

前述の通り、確定申告直前の駆け込み依頼は割高になるリスクがあります。逆に、税理士事務所が比較的余裕のある時期(例えば夏場や秋口)に相談し、契約を結んでおくことで、じっくりと料金交渉ができる可能性があります。

早めに契約して準備を進めておけば、資料の整理も計画的に行えるため、税理士の手間を減らすことができ、結果として適正な価格での契約につながります。また、早期割引キャンペーンを行っている事務所もあるため、タイミングを見計らって動くことが重要です。

税理士がフリーランス向けに提供しているサービス

税理士の仕事は「税金の計算」だけではありません。フリーランスの事業を多角的にサポートするための様々なサービスを提供しています。具体的にどのようなことを依頼できるのかを知っておくことで、費用対効果を正しく判断できます。

確定申告書の作成と提出代理

税理士の独占業務であり、メインとなるサービスです。一年間の取引をまとめた決算書を作成し、それに基づいて所得税や消費税の申告書を作成します。作成した申告書は、税理士が代理人として税務署に提出(電子申告)してくれます。

プロが作成するため計算ミスのリスクがなく、控除の適用漏れなども防げます。また、税理士の署名が入った申告書は税務署からの信頼性が高く、無用な税務調査のリスクを低減させる効果も期待できます。

記帳指導と会計ソフトの導入支援

自分で記帳を行いたいフリーランスに対して、正しい帳簿の付け方や領収書の保存方法などを指導してくれます。また、事業に合った会計ソフトの選定や初期設定、効率的な入力方法のレクチャーなども行います。

特にインボイス制度や電子帳簿保存法など、新しい制度に対応した経理フローの構築は、専門家のアドバイスがないと難しい部分です。最初に行う仕組みづくりをサポートしてもらうことで、その後の事務作業が劇的に楽になります。

節税対策の提案

税理士は税金のプロフェッショナルとして、法律の範囲内で最大限の節税効果が得られるような提案を行います。例えば、小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)への加入、倒産防止共済の活用、青色申告特別控除の要件クリア、家賃や光熱費の適切な按分(家事関連費の経費化)などです。

また、決算の数ヶ月前に利益予測を行い、「今年は利益が出そうなので、必要な設備投資を前倒しで行いましょう」といった期中の対策をアドバイスしてくれるのも、顧問契約ならではのサービスです。

資金調達と補助金申請のサポート

事業を拡大するために銀行から融資を受けたい場合、事業計画書の作成や金融機関との面談対策をサポートしてくれます。税理士のチェックが入った試算表や計画書は、金融機関からの評価が高くなり、融資審査に通りやすくなる傾向があります。

また、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など、国や自治体の補助金・助成金情報の提供や申請支援を行っている税理士も多くいます。これらの申請には専門的な知識が必要な場合が多く、認定支援機関である税理士のサポートが必須となるケースもあります。

法人成りのシミュレーション

フリーランスとして売上が伸びてくると、法人化した方が税金面で有利になるタイミング(法人成り)が訪れます。税理士は、現在の利益状況や将来の事業計画を踏まえて、法人化した場合の税負担や社会保険料の負担をシミュレーションし、最適なタイミングを提案してくれます。

法人設立の手続きに関しても、司法書士と連携してワンストップでサポートしてくれる事務所が多く、スムーズに法人化への移行を進めることができます。

フリーランスが税理士を活用するメリット

費用がかかるとしても、多くのフリーランスが税理士と契約するのには理由があります。単なる事務代行以上の価値、すなわち「時間」「安心」「利益」を得られることが大きなメリットです。

本業に集中できる時間を確保できる

フリーランスにとって最も貴重なリソースは「時間」です。慣れない経理作業や税金の勉強に何十時間も費やすのであれば、その時間を本業の営業や制作、スキルアップに充てた方が、結果的に売上アップにつながります。

税理士に経理業務を任せることで、面倒な事務作業から解放され、自分にしかできないコア業務に全力を注ぐことができます。「時間は金なり」という言葉通り、税理士報酬は時間を買うための投資と考えることができます。

正確な申告でペナルティのリスクを回避できる

税金の計算は非常に複雑で、毎年のように法改正が行われます。素人が見よう見まねで申告を行うと、計算ミスや解釈の間違いにより、過少申告や無申告となってしまうリスクがあります。

もし税務調査で誤りを指摘されれば、本来払うべき税金に加えて、延滞税や過少申告加算税といったペナルティを支払わなければなりません。税理士に依頼すれば、最新の税法に基づいた正確な申告が行われるため、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。精神的な安心感を得られることも大きなメリットです。

専門家のアドバイスで手取り額を最大化できる

税理士報酬を払うと手元のお金が減ると思われがちですが、実際には節税対策によって報酬以上の税金削減効果が得られることも少なくありません。知っている人だけが得をする制度や特例は数多く存在し、それらを漏れなく適用できるのは専門家ならではの強みです。

また、経費になるかならないかの判断(グレーゾーン)についても、過去の判例や実務経験に基づいた適切なアドバイスが受けられるため、無駄な税金を払わずに済み、結果として手取り額を最大化することができます。

社会的信用力が向上する

税理士と顧問契約を結んでいるということは、第三者の専門家が事業の数字をチェックしているという証明になります。これは、銀行融資の審査や、オフィスを借りる際の入居審査、あるいは新規取引先との契約においてプラスに働きます。

特にフリーランスは社会的信用が低いと見られがちですが、税理士がついていることで「しっかりとした経営管理ができている事業者」という印象を与えることができます。

フリーランスが税理士を探す方法

いざ税理士を探そうと思っても、コンビニの数よりも多いと言われる税理士事務所の中から、自分に合った一人を見つけるのは容易ではありません。主な探し方とその特徴を紹介します。

知人や仕事仲間からの紹介

フリーランス仲間や取引先の経営者から、実際に契約している税理士を紹介してもらう方法は、最も信頼性が高いルートです。実際にサービスを受けている人の感想を聞けるため、人柄や対応の良し悪しを事前に把握できます。

ただし、紹介者の事業規模や業種と自分の状況が異なる場合、その税理士が自分にも合うとは限りません。また、相性が合わなかった場合に断りづらいというデメリットもあります。紹介であっても即決せず、必ず面談を行って判断することが大切です。

税理士紹介サービスを利用する

希望する条件(地域、予算、業種、年代など)を伝えると、コーディネーターが条件に合った税理士を無料で紹介してくれるサービスです。自分で探す手間が省け、複数の税理士を比較検討できるのがメリットです。

紹介サービスに登録している税理士は新規顧客の獲得に意欲的であることが多く、面談のセッティングもスムーズです。ただし、紹介手数料が税理士側に発生する仕組みであるため、顧問料が相場より若干高めに設定されている可能性も考慮する必要があります。

インターネット検索で探す

Googleなどの検索エンジンで「地域名 + 税理士 + フリーランス」などのキーワードで検索し、自力で探す方法です。各事務所のホームページを見ることで、得意分野や料金体系、代表者の理念などを詳しく知ることができます。

特に「ITに強い」「クリエイター支援」「フリーランス専門」などを謳っている事務所は、フリーランス特有の事情に精通している可能性が高いため、キーワードを工夫して検索してみると良いでしょう。

SNSやYouTubeで探す

最近では、Twitter(X)やInstagram、YouTubeなどで積極的に情報発信をしている税理士が増えています。日々の投稿内容から、その税理士の人柄や知識レベル、考え方を知ることができます。

自分と価値観が合いそうな税理士を見つけたら、DMや問い合わせフォームからコンタクトを取ってみるのも一つの方法です。SNS経由での問い合わせは、比較的フランクに相談できる雰囲気が作りやすいというメリットがあります。

フリーランスが税理士を選ぶ際のポイント

数ある税理士の中から、自分にとってベストなパートナーを選ぶための具体的なチェックポイントを解説します。

フリーランスや個人事業主の支援実績が豊富か

税理士にも得意分野があります。大企業の顧問がメインの税理士もいれば、相続税専門の税理士もいます。フリーランスが選ぶべきは、個人事業主や小規模事業者の支援実績が豊富な税理士です。

フリーランス特有の経費の考え方や、クラウドソーシング等の売上計上基準、社会保険の仕組みなどに詳しくない税理士だと、話が通じなかったり、適切なアドバイスが得られなかったりする恐れがあります。ホームページの実績紹介やプロフィールを確認し、自分の業種に近いクライアントを持っているかを確認しましょう。

ITツールやクラウド会計に対応しているか

現代のフリーランスにとって、チャットツール(Chatwork、Slack、LINEなど)やクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)、オンライン会議ツール(Zoomなど)は必須のインフラです。

しかし、税理士業界は比較的アナログな体質が残っており、いまだに連絡は電話とFAX、資料は郵送、会計ソフトはインストール型のみという事務所も存在します。ITリテラシーが低い税理士と契約すると、連絡のやり取りにストレスを感じたり、データ連携のメリットを活かせなかったりします。自分が普段使っているツールに対応しているかどうかは、契約前に必ず確認すべき重要事項です。

コミュニケーションが取りやすく相性が良いか

税理士とは、お金や将来のビジョンといったプライベートな情報を共有する深い付き合いになります。そのため、何でも気軽に相談できる「話しやすさ」や「相性」は何よりも大切です。

専門用語ばかり使って説明が分かりにくい、高圧的な態度をとる、質問に対するレスポンスが遅いといった税理士では、信頼関係を築くことはできません。面談の際には、こちらの話を親身になって聞いてくれるか、素人にもわかる言葉で説明してくれるかといった点を含め、直感的な相性も重視して選びましょう。

料金体系が明確であるか

後々のトラブルを防ぐために、料金体系が明確であることも重要です。見積書をもらった際に、「一式」という曖昧な表記ではなく、どの業務にいくらかかるのか内訳が詳細に書かれているかを確認しましょう。

また、記帳代行料や年末調整費用、税務調査立会い費用などのオプション料金についても事前に確認し、トータルでいくらかかるのかを把握しておく必要があります。安さだけで選ぶと、後から追加料金を請求されたり、サービス内容が悪かったりすることもあるため、サービス内容と価格のバランスを見極めることが大切です。

フリーランスが税理士へ依頼する際によくある質問の例と回答

Q. まだ売上が少ないのですが、税理士に依頼しても良いのでしょうか?

A. 全く問題ありません。むしろ推奨される場合もあります。 売上が少ない時期こそ、正しい帳簿の付け方を覚えたり、経理の基盤を作ったりする絶好の機会です。また、創業融資の相談など、売上が立つ前の段階から税理士のサポートを受けることで、事業の立ち上がりがスムーズになることもあります。スポット相談などを活用して、無理のない範囲で依頼することをお勧めします。

Q. 税理士費用は経費になりますか?

A. 全額経費になります。 事業を営むために必要な費用ですので、税理士に支払った顧問料や決算料は、全額「支払手数料」や「顧問料」などの勘定科目で経費計上することができます。これにより、利益が圧縮され、結果的に節税効果も生まれます。

Q. 年の途中からでも契約できますか?

A. 可能です。 会計期間の途中(例えば7月や10月など)からでも契約は可能です。ただし、契約前の期間の記帳が終わっていない場合は、その分の遡及処理費用がかかることがあります。また、期中から関与することで、決算に向けた着地見込みの予測や節税対策がしやすくなるため、決算直前よりも早めに契約する方がメリットは大きいです。

Q. 領収書をなくしてしまったのですが、どうすれば良いですか?

A. 他の証拠書類で代用できるか確認しましょう。 領収書を紛失した場合でも、即座に経費にできないわけではありません。銀行の振込明細書、クレジットカードの利用明細、メールの注文確認書、出金伝票(日付、支払先、金額、内容を記録したもの)などが証拠となる場合があります。税理士に状況を説明し、どのような書類があれば経費として認められるか相談してください。

Q. 顧問契約を解約することはできますか?

A. 可能です。 契約内容に縛りがない限り、いつでも解約することができます。ただし、通常は解約希望日の1ヶ月〜3ヶ月前までに通知する必要があるなどの規定が契約書に盛り込まれています。「相性が合わない」「料金が高い」などの理由で税理士を変更することは珍しいことではありません。解約する際は、預けている資料の返却やデータの引き継ぎについてしっかりと話し合いましょう。

まとめ

フリーランスにとって税理士は、単なる「税金計算の代行者」ではなく、事業を共に成長させる「経営のパートナー」です。確かに費用はかかりますが、それによって得られる時間、安心、そして節税効果や経営アドバイスは、コスト以上の価値をもたらしてくれるはずです。

費用相場は、スポット契約なら5万〜15万円、顧問契約なら年間30万〜40万円程度が目安ですが、ITツールの活用や自計化によって抑えることも可能です。安さだけでなく、自分の業種への理解やITリテラシー、そして何より人間としての相性を重視して選ぶことが、失敗しない税理士選びの秘訣です。

事業が軌道に乗り、さらなる高みを目指すフェーズに入ったなら、ぜひ信頼できる税理士という強力な味方を手に入れ、本業に邁進できる環境を整えてみてはいかがでしょうか。

税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
この記事の作成者 
宮嶋 直  公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。