日本の美しい四季を映し出し人々の心に安らぎと感動を与える庭。その庭を創り育て守る専門職が庭師です。樹木や草花石や水といった自然の素材に生命を吹き込み一つの小宇宙を創造する。その仕事はまさに生きた芸術と言えるでしょう。
多くの庭師は自らの腕一本で独立し個人事業主(一人親方)としてあるいは少人数の会社としてこの伝統ある仕事を担っています。しかしその誇り高い仕事の裏側では多くの庭師が専門外の課題に頭を悩ませています。それは「経営」と「税金」の問題です。
日々の売上管理や経費の仕分け。雨で仕事が中止になった際の資金繰り。高価な道具や車両の購入計画。そして年に一度必ずやってくる確定申告。こうした業務は庭師の創造的な仕事とは対極にあり大きな負担となりがちです。
この専門的で煩雑な経営の悩みを解決し庭師が安心して現場の仕事に集中できる環境を整えてくれる存在。それが「庭師というビジネスを深く理解した税理士」です。
この記事ではなぜ一般的な税理士ではなく「庭師に強い」税理士を選ぶべきなのかを解説します。その理由と彼らが提供する具体的なサービス依頼することで得られる計り知れないメリットを徹底的に明らかにします。この記事を読み終える頃にはあなたの仕事を陰で支え事業の成長を共に喜んでくれる最高のパートナーを見つけ出すための確かな道筋が見えているはずです。
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庭師に強い税理士を探す方法
庭師の定義
本記事で扱う「庭師」とは具体的にどのような職業を指すのでしょうか。その定義を明確にすることから始めましょう。一般的に庭師とは個人邸や寺社仏閣マンションや商業施設などの庭園(造園空間)の設計施工そして維持管理を専門に行う職業者を指します。
しかしその活動内容は非常に多岐にわたります。庭師という言葉はいくつかの異なる専門性を持つ職人や技術者を内包する大きな概念です。
伝統を受け継ぐ作庭家
まず日本の伝統的な美意識に基づき庭を芸術作品として創造する「作庭家」がいます。彼らは石組みや水の流れ樹木の配置などを通じて自然の風景を凝縮し深い精神性を表現します。その仕事は設計から施工まで一貫して手掛けることが多く高い芸術性と哲学が求められます。
剪定・管理を専門とする職人
次に庭園の美観と樹木の健康を維持するための「剪定」や「管理」を専門とする職人がいます。彼らは樹木一本一本の特性を熟知しています。季節の移ろいに合わせて適切な手入れを施し庭の価値を長期的に維持向上させる役割を担います。年間管理契約を結び定期的に顧客の庭を訪れるのが一般的な働き方です。
近代的なランドスケープデザイナー
また近年では伝統的な日本庭園だけでなく近代建築に調和するモダンな庭やイングリッシュガーデン屋上緑化壁面緑化といった新しい形の緑の空間を創造する「ランドスケープデザイナー」や「造園家」も庭師の一翼を担っています。彼らはデザインの知識に加え植物学や土木工学の知見も駆使します。
総合的な造園工事業者
さらに個人邸だけでなく公園や街路樹の整備といった公共事業や大規模な宅地開発に伴う造園工事を請け負う「造園工事業者」もいます。彼らは多くの職人を抱え重機などを活用し大規模なプロジェクトを管理実行する能力が求められます。
本記事でいう「庭師」とはこれら全ての専門家を含みます。個人事業主として活動する一人親方から法人組織として事業を展開する造園会社まで。その事業形態は様々です。しかし共通しているのは「自然」を相手にし「現場」で価値を生み出す職人の世界であるという点です。この事業の根幹にある特性が後の経理や税務を考える上で重要なポイントとなります。
庭師ビジネスの特徴
庭師の仕事がなぜ専門の税理士を必要とするのか。それはこのビジネスが持つ他の業種とは大きく異なるいくつかの際立った特徴に起因します。これらの特徴を理解することが適切な税理士を選ぶための第一歩です。
天候に左右される不安定な収益
庭師の仕事は屋外での作業が中心です。そのため雨や雪台風といった天候に直接的な影響を受けます。悪天候が続けば予定していた作業は延期となりその間の収入は途絶えてしまいます。特に梅雨の時期や冬期には仕事が大きく減少することもあります。このように収益が不安定で季節変動が大きいことは資金繰りを計画する上で大きな課題となります。
プロジェクト型と保守契約型の混在
庭師の売上は大きく二つの種類に分けられます。一つは新しい庭を造る「作庭工事」や大規模な改修工事といったプロジェクト型の売上です。これは一件あたりの単価が大きい一方で入金は不定期です。もう一つは個人邸の年間管理契約やマンションの植栽管理といった保守契約型の売上です。こちらは一件あたりの単価は小さいものの毎月あるいは毎年安定した収入が見込めます。この性質の異なる二つの収益の柱をバランス良く管理することが経営の安定化に繋がります。
材料費と労務費の複雑な原価管理
庭の工事には植木や庭石灯籠砂利といった「材料」と職人の手間である「労務費」が必要です。一つのプロジェクトの利益を正確に計算するためにはこれらの原価を正しく把握しなければなりません。しかし現場では材料の仕入れと職人の手間が一体となって動くためその管理は煩雑になりがちです。「この工事で儲かったのか損したのかがよく分からない」。どんぶり勘定に陥りやすい構造を持っています。
高額な道具や車両への設備投資
庭師の仕事には軽トラックやクレーン付きトラックといった車両が不可欠です。またチェーンソーや刈払機剪定鋏といった専門的な道具も数多く必要となります。これらの設備は高額でありその購入や維持管理にはまとまった資金が必要です。どのタイミングで新しい車両に買い替えるべきか。その購入資金をどう調達するか。そしてその費用を税務上どのように処理するか(減価償却)。これらは経営を左右する重要な意思決定です。
多様な労働形態と外注の活用
庭師の世界では様々な働き方が存在します。自社で職人を従業員として雇用するケース。あるいは一人親方である庭師が大きな現場の際に仲間の庭師に「応援」を頼み外注費として手間代を支払うケース。この「給与」と「外注費」の区分は税務上極めて重要です。その判断を誤ると税務調査で大きな問題となる可能性があります。また一人親方が弟子を取り育成する徒弟制度のような伝統的な慣習も経理や労務の観点からは注意深い管理が求められます。
庭師ビジネスの環境
庭師を取り巻くビジネス環境は社会の変化と共に常に変動しています。この外部環境の変化を理解し対応していくことが事業を存続させ成長させるためには不可欠です。
職人の高齢化と深刻な後継者不足
これは造園業界全体が抱える最も深刻な課題です。長年業界を支えてきた熟練の庭師たちが次々と引退の時期を迎えています。しかしその卓越した技術や知識を受け継ぐ若手の担い手は十分ではありません。この後継者不足は多くの優れた個人経営の造園業において事業承継を困難にし廃業を選択せざるを得ない状況を生み出しています。一方でこれは若手にとっては大きなビジネスチャンスでもあります。
顧客ニーズの多様化と新しい価値の創造
人々のライフスタイルや住環境の変化に伴い庭に求められるものも多様化しています。伝統的な鑑賞式の日本庭園だけでなく家族で楽しめるバーベキュースペースや家庭菜園。手入れが簡単なローメンテナンスの庭。あるいは都心部の狭小地でも楽しめるコンテナガーデンや壁面緑化。こうした新しいニーズに応え新たな価値を提案できる庭師が求められています。
価格競争と専門性による差別化
インターネットの普及により顧客は容易に複数の業者から相見積もりを取ることができるようになりました。その結果特に一般的な剪定作業などでは厳しい価格競争にさらされる場面も増えています。こうした中で生き残っていくためには単に安さを競うのではなく「松の剪定なら誰にも負けない」「イングリッシュガーデンの設計ならお任せください」といった独自の専門性を磨き他社との差別化を図ることが極めて重要です。
自然災害の増加と庭の役割の変化
近年頻発する台風やゲリラ豪雨といった自然災害は庭のあり方にも影響を与えています。倒木の危険性がある高木の管理や大雨に備えた排水設備の整備など庭の防災機能への関心が高まっています。また猛暑対策として緑のカーテンや打ち水効果のある庭づくりなど環境貢献という新しい役割も期待されています。
庭師に携わるの方の税理士に対するニーズ
このようなビジネスの特徴と環境を踏まえると庭師として働く人々が税理士に求めるニーズは単なる申告書の作成代行に留まりません。事業のあらゆる側面にわたる専門的で実践的なサポートが期待されています。
一人親方・個人事業主のニーズ
腕一本で事業を切り盛りする一人親方にとって税理士は最も身近な経営の相談相手です。
- 確定申告の完全な代行: 何よりもまず年に一度の確定申告の煩わしさから解放されたいというニーズが最も大きいです。領収書の整理から帳簿の作成そして申告書の提出まで全てを任せることで安心して現場の仕事に集中できます。
- 経費判断に関する的確なアドバイス: 「この道具代は経費になるのか」「応援に来てくれた仲間への支払いはどう処理すれば良いのか」。こうした日々の判断に迷う経費について専門家としての明確な指針を示してほしいというニーズがあります。
- 資金繰りの相談: 天候や季節によって収入が不安定になりがちなため将来の資金繰りに対する不安は尽きません。納税や保険料の支払いで資金がショートしないよう計画的な資金管理をサポートしてほしいと考えています。
- 法人化の相談: 事業が軌道に乗り売上が安定してきた際に個人事業主のままと法人を設立するのとどちらが有利か。そのメリット・デメリットを具体的にシミュレーションしてほしいというニーズも高まります。
法人経営者のニーズ
複数の職人を雇用し組織として事業を運営する造園会社の経営者になるとその悩みはより複雑になります。
- 融資支援と設備投資計画: 新しいトラックや重機を購入するための金融機関からの融資支援は極めて重要なニーズです。説得力のある事業計画の策定をサポートしてくれる税理士の存在は不可欠です。
- プロジェクトごとの原価管理: どんぶり勘定から脱却し工事一件ごとの利益を正確に把握するための原価管理体制を構築したいというニーズがあります。これにより適正な見積もりの作成や不採算工事の改善が可能になります。
- 給与計算と労務管理: 従業員の給与計算や社会保険の手続きは間違いが許されない重要な業務です。これらの業務を正確に代行し健全な労務管理の基盤づくりを支援してほしいと考えています。
- 事業承継のプランニング: 経営者の高齢化に伴い次の世代へスムーズに会社を引き継ぐための事業承継計画の策定は待ったなしの課題です。自社株の評価や相続税対策など長期的な視点での専門的なサポートが求められます。
庭師における経理や税務の特徴
庭師という仕事にはそのビジネスの特性から経理や税務の処理においても特殊な論点や注意すべきポイントが数多く存在します。これらの特徴を理解しているかどうかが「庭師に強い税理士」を見分けるための重要なリトマス試験紙となります。
売上計上のタイミングの判断
特に新しい庭を造るような長期間にわたる工事の場合いつの時点で売上を計上すべきかという判断が重要になります。税務会計の世界では主に二つの基準があります。
一つは「工事完成基準」です。これは工事が全て完了し顧客に引き渡した時点で売上と原価をまとめて計上する方法です。小規模な工事ではこの方法が一般的です。
もう一つは「工事進行基準」です。これは工事の進捗度合いに応じて決算期末ごとに売上と原価を分割して計上する方法です。工期が1年以上にわたる大規模な工事などで適用されます。どちらの基準を適用するかによって各年度の利益額や納税額が大きく変動するため適切な判断が必要です。
原価計算の複雑さ
庭師の仕事の原価は主に「材料費」「労務費」「外注費」「経費」の四つから構成されます。工事ごとの正確な利益を把握するためにはこれらの原価をそれぞれの工事に正しく振り分ける「工事原価計算」が必要です。
例えばある工事のために購入した植木や石材は「材料費」です。その工事に従事した自社の職人の給与は「労務費」です。応援を頼んだ一人親方に支払う手間代は「外注費」です。そしてトラックのガソリン代や道具の修理費といった共通の経費は「経費」として一定の基準で各工事に配分する必要があります。この管理を正確に行うことが適正な見積もり作成と利益確保の第一歩です。
外注費と給与の税務上の区分
これは庭師業界において税務調査で最も指摘されやすい論点の一つです。仲間の庭師に応援を頼み日当を支払った場合その支払いは「外注費」でしょうかそれとも「給与」でしょうか。
もし「外注費」として処理する場合会社は源泉徴収をする必要がなく消費税の計算上も仕入税額控除の対象となり有利です。しかし税務署がその実態を「雇用関係にある」と判断した場合それは「給与」であると認定されます。その結果源泉徴収漏れを指摘され多額の追徴課税とペナルティが発生するリスクがあります。
両者を区別する基準は契約内容だけでなく仕事の指揮監督関係があるか道具をどちらが用意しているかといった実態から総合的に判断されます。このリスクを回避するためには専門家である税理士のアドバイスが不可欠です。
減価償却と修繕費の判断
庭師が使うトラックや重機道具は高額です。これらの資産は購入した年に全額を経費にするのではなく法律で定められた耐用年数にわたって分割して経費化していきます。これを「減価償却」と呼びます。どの資産が減価償却の対象となるかその耐用年数は何年かといった判断は税法の専門知識が必要です。
また車両や機械の修理にかかった費用がその資産の価値を高めるような「資本的支出」と判断された場合は「修繕費」として一括で経費にできず資産価値に上乗せして減価償却を行う必要があります。この判断も税務調査でしばしば論点となります。
庭師における税理士の提供するサービス
庭師という専門職のビジネスを深く理解した税理士は一般的な税務サービスに加えて経営者の悩みを解決するための業界特化型の専門的なサービスを提供してくれます。
記帳代行から確定申告までの「丸投げ」サービス
多くの庭師が最も求めているのが日々の経理から確定申告までの一連の業務を全て任せられる包括的なサービスです。
毎月の領収書や請求書預金通帳のコピーなどを税理士に渡すだけで専門家が正確な会計帳簿を作成してくれます。そして年に一度の確定申告も青色申告のメリットを最大限に活用した形で行ってくれます。これにより事業主は煩雑な事務作業から完全に解放され安心して本業である現場の仕事に集中できます。
資金調達(融資)支援と設備投資計画
新しいトラックの購入や事業拡大のための運転資金が必要になった場合税理士は強力な味方となります。日本政策金融公庫や地域の金融機関から融資を受ける際に不可欠な事業計画書の作成を全面的にサポートします。造園業の業界動向や自社の強みを踏まえた説得力のある数値計画を盛り込むことで融資の成功確率を飛躍的に高めます。
工事ごとの原価管理体制の構築支援
どんぶり勘定から脱却し儲かる経営を実現するために工事ごとの原価管理体制の構築を支援します。事業主が簡単に使えるようなExcelの管理表を作成したりあるいは専門の工事原価管理ソフトの導入をサポートしたりします。これによりどの工事でどれだけ利益が出たかを可視化し次の見積もり作成や経営戦略に活かすことができます。
給与計算と労務管理のサポート
従業員を雇用している法人や個人事業主に対して毎月の給与計算や年末調整を代行します。また社会保険労務士と連携し雇用契約書の作成や就業規則の整備といった健全な労務管理の基盤づくりをサポートします。外注と給与の区分といった税務リスクの高い問題についても明確なアドバイスを提供します。
事業承継・引退設計のコンサルティング
高齢化が進む庭師業界において事業承regist kếは喫緊の課題です。税理士は後継者である息子や弟子への円滑な事業の引き継ぎを税務面からサポートします。自社株の評価や相続税・贈与税のシミュレーションを行い長期的な視点での承継計画を立案します。また後継者がいない場合には第三者への事業売却(M&A)やハッピーリタイアメントのための資産形成についても相談に乗ってくれます。
庭師における税理士を活用するメリット
専門性の高い税理士とパートナーシップを組むことは庭師の事業経営に計り知れないメリットをもたらします。それは単に経理が楽になるというレベルの話ではありません。事業の存続と成長そのものを左右するほどの大きな価値を生み出します。
庭師が本業である「現場」の仕事に集中できる環境
これが税理士を活用する最大のメリットです。庭師の価値は現場で生まれます。美しい庭を創り樹木と対話しお客様を笑顔にする。その時間こそが事業の源泉です。税理士に苦手な経理や税金の悩みを全て任せることで事業主は自身の時間とエネルギーをこの最も価値のある仕事に100%集中させることができます。精神的な負担から解放されれば仕事の質も向上し新たな創造への意欲も湧いてくるでしょう。
どんぶり勘定からの脱却による経営の安定化
税理士が作成する毎月の試算表や決算書は自社の経営状態を客観的に映し出す「鏡」です。売上は伸びているか利益は出ているか。どの工事が儲かっていてどの経費がかかりすぎているか。これらの数字を正確に把握することで勘や経験だけに頼らないデータに基づいた的確な経営判断が可能になります。これにより資金繰りは安定し事業の将来を見通した計画的な経営が実現します。
資金調達力の強化と信用の向上
税理士が関与して作成された決算書や事業計画書は金融機関からの信頼性が格段に高まります。融資を申し込む際それは非常に有利に働きます。「この事業主は専門家をパートナーにつけてしっかりと経営管理を行っている」という評価が得られるからです。これにより新しい車両の購入や事業拡大のための資金調達がより円滑に進むようになります。
戦略的な節税による手元資金の最大化
税理士は合法的な節税のプロフェッショナルです。青色申告による特別控除の活用はもちろんのこと高額な設備投資に関する税制優遇の適用小規模企業共済への加入による所得控除など庭師が活用できるあらゆる節税策を提案し実行してくれます。これにより手元に残るキャッシュを最大化しそれを次の投資や自身の生活防衛資金として活用することができます。
税務調査に対する安心感
税務調査はどんな事業者にも訪れる可能性があります。もし税理士と契約していればいざという時にあなたの代理人として税務署との交渉の矢面に立ってくれます。専門家が味方にいるという事実は計り知れない精神的な安心感をもたらし事業主が動揺することなく堂々と対応することを可能にします。
庭師における税理士を活用するデメリット
多くのメリットをもたらす税理士の活用ですがその一方でいくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。これらを事前に理解しておくことが後悔のない選択をするために重要です。
顧問料という固定費の発生
当然ながら税理士に依頼すれば毎月の顧問料という費用が発生します。特に独立したばかりで収入がまだ不安定な一人親方にとってこの固定費は重荷に感じられるかもしれません。ただしその費用を単なるコストと見るか事業を安定させ成長させるための投資と見るかでその価値は大きく変わります。
経営数字への意識低下のリスク
経理を全て「丸投げ」してしまうことで事業主自身が自社の経営数字に無関心になってしまうというリスクも存在します。税理士から送られてくる試算表に目を通さず全てを任せきりにしてしまうと経営の舵取りを他人任せにしていることになりかねません。重要なのは税理士を参謀としつつも最終的な経営判断は自分で行うという当事者意識を持ち続けることです。
コミュニケーションの手間
税理士に業務を依頼したからといって全く何もしなくて良いわけではありません。日々の領収書を整理して渡したり取引内容について質問に答えたりといったコミュニケーションは必要です。このやり取りを面倒に感じてしまうと円滑なパートナーシップは築けません。
どのような人・企業が税理士へ依頼すべきか?
- これから独立開業を目指す庭師: 事業計画策定と創業融資の成功確率を高めるために開業準備段階からの相談が不可欠です。
- 確定申告が負担で本業に支障が出ている一人親方: 苦手な作業に時間を費やすよりもその時間で得意な仕事をした方が事業は成長します。
- 年間売上が1000万円を超えそうな事業主: 消費税という新たな課題に対応するために専門家のサポートが必須となります。
- 新しいトラックや重機の購入を検討している方: 資金調達と税制優遇の活用について専門家のアドバイスを受けるべきです。
- 初めて従業員を雇用する方: 複雑な給与計算と労務管理の基盤を正しく築くために専門家の力が必要です。
- 将来の事業承継に不安を抱える経営者: 円満な引退と事業の存続のために早期からの計画的な準備が求められます。
庭師に強い税理士を探すポイント
- 建設業や職人業界への専門性: 庭師は建設業の一分野です。この業界特有の会計処理や商習慣に精通しているかが最も重要です。
- 一人親方への理解: 個人事業主である一人親方のクライアントを多数抱えその働き方や悩みに共感してくれるかがポイントです。
- 融資支援の実績: 特に日本政策金融公庫からの融資支援で具体的な成功実績があるかを確認しましょう。
- コミュニケーションのしやすさ: 専門用語を並べるのではなく職人であるあなたにも分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるか。その人柄を見極めましょう。
- ITへの対応力: クラウド会計やチャットツールなどを活用し効率的なコミュニケーションが取れる税理士が望ましいです。
庭師に強い税理士を探す方法
- 造園組合や地域の建設業協会への相談: 所属している業界団体は信頼できる専門家を知っています。
- 資材屋や道具屋からの紹介: 日頃から付き合いのある植木や石材の仕入れ先あるいは道具屋の主人は地域の同業者の情報を豊富に持っています。
- 元請けの建設会社や工務店からの紹介: 大きな現場で下請けとして入っている場合元請けの会社に顧問税理士を紹介してもらうのも良い方法です。
- 同業者(庭師仲間)からの紹介: 最も信頼できる情報源です。信頼する仲間からの口コミに勝るものはありません。
庭師で税理士を探すタイミング
- 独立開業を決意した時: 最も理想的なタイミングです。事業の土台を専門家と共に築きましょう。
- 確定申告の時期(繁忙期を避けて秋口までに): 次の申告から依頼したい場合は税理士の繁忙期である2〜3月を避け前年の秋頃には探し始めるのが賢明です。
- 事業の転換期: 新しい設備投資を計画する時や人を雇う時など経営のステージが変わるタイミングで相談するのが効果的です。
庭師に強い税理士の費用相場
個人事業主(一人親方)の場合
- 顧問契約(丸投げ): 月額2万5千円〜5万円程度。これに加えて確定申告料として顧問料の4〜6ヶ月分が目安です。
- 確定申告のみの依頼: 10万円〜20万円程度が相場です。
法人の場合
- 顧問契約(丸投げ): 月額4万円〜10万円程度。会社の規模や従業員数によって変動します。決算申告料として顧問料の4〜6ヶ月分が別途必要です。
庭師に強い税理士と契約するまでのプロセス
- 候補者探しと問い合わせ: 上記の方法で候補者を探しウェブサイトなどを確認した上で電話やメールで連絡を取ります。
- 初回面談: 自身の事業内容や課題を伝え税理士の専門性や人柄を見極めます。複数の候補者と会うことをお勧めします。
- 提案・見積もりの受領: 面談に基づきサービス内容と見積もりが提示されます。内容を十分に比較検討します。
- 契約締結: 最適なパートナーを決定し顧問契約を結びます。
庭師において税理士の切替を検討する場合
現在の税理士に業界知識の不足やコミュニケーションへの不満を感じる場合は切り替えも重要な経営判断です。その際は現在の契約を解除する前に次に依頼する新しい税理士を必ず見つけておくことが円滑な移行の鍵となります。
庭師で税理士に対してよくある質問と回答
Q1: 自宅兼事務所ですが家賃や光熱費は経費にできますか?
A1: はい事業で使用している割合に応じて経費にできます(家事按分)。その割合は作業場の面積や使用時間といった合理的な基準で計算する必要があります。税理士に相談して適切な按分比率を決めましょう。
Q2: 応援に来てくれた仲間への手間代の領収書がありません。どうすれば良いですか?
A2: 領収書がない場合は支払いの事実を証明するために出金伝票を作成し「いつ誰に何の作業でいくら支払ったか」を記録しておくことが重要です。また相手が個人であればマイナンバーの提供を求め支払調書を作成提出する義務が生じる場合もあります。税理士に正しい処理方法を確認してください。
Q3: 軽トラックを中古で買いました。減価償却はどうなりますか?
A3: 中古資産の耐用年数は新品とは異なる特別な計算方法で算出します。法定耐用年数の一部を経過した資産はより短い年数で償却できるため節税上有利になることがあります。税理士に相談すればあなたのケースでの最適な償却方法を計算してくれます。
庭師に強い税理士を探す方法 まとめ
庭師の仕事は自然と対話し美を創造する誇り高い専門職です。その価値は現場での汗と経験知恵によって生まれます。その貴重な時間と情熱を専門外の経理や税務の悩みで消耗してしまうことはあまりにもったいないことです。
庭師というビジネスを深く理解した税理士は単なる経理代行者ではありません。あなたの事業の特性を理解し資金繰りの不安に寄り添いそして共に成長を目指してくれる最も信頼できるパートナーです。
この記事で解説した探し方や選び方のポイントを参考にぜひあなたの右腕となる最高の専門家を見つけ出してください。信頼できる税理士との出会いはあなたの仕事を陰で支えあなたが安心して最高の庭づくりに集中できる環境を整えてくれるでしょう。
税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
この記事の作成者 宮嶋 直 公認会計士/税理士 京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。
