モデルに強い税理士を探す方法

税務

本記事では、モデルにとって税理士との契約は必要かについて詳細に記載しております。具体的に、税理士を探すにあたって、どのようなサービスだとどのぐらいの費用が適正なのかについて記載します。

本記事を読んでいただくことで、税理士をつけるかどうか迷っている方が、税理士と相談できる内容を明確に理解するとともに税理士と契約する際に適正な費用の水準を理解し、税理士を選ぶ判断軸を得ることができた上で、税理士と契約するかどうかを判断することができるようになります。

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モデルに強い税理士を探す方法

  1. モデルにおける税務の特徴
  2. モデルの確定申告について
    1. 所得が48万円以下のモデルの方の確定申告
    2. 所得が48万円超のモデルの方の確定申告
    3. モデル以外の収入がある場合
  3. モデルの方の経費について
  4. モデル報酬に関する源泉徴収
  5. モデルが税理士へ依頼できること
    1. 確定申告・税務顧問・記帳サービス
    2. 会社設立・起業支援
    3. 月次決算
    4. 経理アウトソーシング
    5. クラウド会計導入支援
    6. 管理会計の導入
    7. 相続申告や事業承継の検討
    8. その他:税務調査対応・セミナー・事業計画作成支援など
  6. モデルが税理士へ支払った費用は経費になるのか?
  7. 会計士と税理士の違いについて
  8. モデルに税理士が必要なタイミング
    1. 法人設立のタイミング
    2. 消費税の課税事業者になるタイミング
    3. その他
  9. モデルが税理士へ依頼するメリット
    1. 確定申告・記帳の業務から解放される
    2. 安心感を持って税務調査対応が可能になる
    3. 税金以外のサポート
    4. 経営相談が可能
    5. 節税の相談が可能
  10. 税理士へ相談するデメリット
  11. モデルが税理士と契約する際の料金
    1. 税理士の値段:価格が決まる要因
    2. 税理士の値段:一般的な相場感
    3. 税理士の値段:その他
    4. 税理士の値段の例
  12. モデルが税理士費用を削減する方法
  13. モデルに強い税理士の選び方
  14. モデルが税理士を探す方法
  15. モデルに強い税理士
    1. 芸能文化税理士法人様
    2. 佐藤綜合会計事務所様
    3. 宮嶋公認会計士・税理士事務所
  16. まとめ

モデルにおける税務の特徴

モデルの場合、多くの場合は芸能事務所に所属してそこからの定期的な報酬(一般的には契約期間がり)を受け取るものと、個人で事務所を立ち上げ直接メディアと契約して収入がある場合の2つに分けられるかと思います。収入としては上記の2つからのものを売上として計上することになりますが、一方で経費は芸能活動に対して自分で支払ったもの、例えば交際費や出張費用などが該当すると思います。芸能事務所等が支払ったものについてはご自身の確定申告では経費になりませんのでご留意ください。

また。マネジャーなどの従業員やパートを雇う場合は、給与計算や年末調整、源泉徴収、社会保険周りが複雑になりがちですが、センシティブな内容なのでミスは許されません。

モデルにとって税理士が必要なポイントとしては、開業して売上が大きくなった場合年収が高くなり、税金へ与える影響が大きいからです。年収が高ければその分だけ税率が上がるため、節税を行うことによる効果は大きくなります。一方で、節税を知識のない方がインターネットなどの情報のみで行うのは非常に危険です。法的な範囲内でおこなっているものであれば問題ありませんが、知識がない場合もはや節税ではなくなっている可能性もあります。その場合、ペナルティーを受ける可能性もあり節税したのに結果として追加の税額を支払うことになったという可能性も十分あります。そのため税理士を契約してしっかりと見てもらうことをお勧めします。またモデルの場合は上述の通り経理処理は非常に複雑なものであり、本業もある中で正直確定申告や経理業務をやっている余裕はないですし、そもそも年商が大きいため税金の支払額に与える影響も他業種と比較しても大きいです。そのため、万が一確定申告にミスがあったときの影響が大きいため、税理士を入れることで本業に集中し、正しい申告をされることをお勧めいたします。

モデルの確定申告について

モデルの方が個人事業主として収入がある場合、原則確定申告が必要となります。毎年3月15日までに前年分の1年間の所得を確定申告で提出する必要があります。税金を支払う必要がある場合は、3月15日までに所得税を納付する必要があります。

所得が48万円以下のモデルの方の確定申告

年間の所得の金額が48万円以下の方については、基礎控除が48万円分ありますので、原則所得税の確定申告は必要ありません。ただし、個人事業主以外にも所得がある場合には原則確定申告が必要となりますので、留意するようにしてください。

所得が48万円超のモデルの方の確定申告

年間の所得の金額が48万円以上の方については、基礎控除である48万円を超えているため、所得税の確定申告が必要となります。確定申告は、収入から経費を差し引いて計算することになり、モデルとして活動して得られた収入を全て合計して、その収入を得るためにかかった費用を経費として計上することになります。経費の内容については後述します。

モデル以外の収入がある場合

モデル以外にも収入がある場合にはどのようになるのでしょうか?例えば普段は勤め先から給料をもらっており、副業でモデルをしているケースなどが考えられます。基本的に、給与所得以外の収入がある場合には原則確定申告の対象になります。勤め先からの給料は会社の方が源泉徴収と年末調整により税金分を給料から控除してくれますが、モデル収入に対する税金が計算されていないので、この部分を含めて全体の所得を確定申告することになります。

モデルの方の経費について

モデルの方が収入を得るためにかかった経費とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

・衣装代
・美容代
・旅費交通費
・撮影費
・通信費

上記のようなものが考えられますが、モデル収入にかかった経費として入れられるのは、あくまでも収入を得るためにかかった費用のみになります。例えば衣装代についても、購入した衣装を普段使いするのが大半でほんのごく一部仕事に利用する場合には経費として認められにくいでしょう。また、経費にできるにはご自身で支出した費用なので、事務所が負担する費用などは経費として計上することはできません。

モデル報酬に関する源泉徴収

モデルの方がモデル業に関する収入をもらう場合、源泉徴収の対象になります。所得税法204条に下記の規定があります。

四 職業野球の選手、職業拳けん闘家、競馬の騎手、モデル、外交員、集金人、電力量計の検針人その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金

源泉徴収をする場合は支払い者が行うことになるため、モデルの方は源泉徴収額が控除された金額を収入として得ることになります。源泉徴収された税額は確定申告の際に計算された納付すべき税額から控除して、控除額の方が大きい場合は還付、控除額の方が小さい場合は追加納付ということになります。

モデルが税理士へ依頼できること

そもそも税理士と契約することによって、税理士を探されている方々は、どのようなサービスを受けることができるのでしょうか?

確定申告・税務顧問・記帳サービス

まずは確定申告です。これは、原則年1回、税務署へ提出する税額を計算した書類になります。個人で開業されている方含めて提出が必要になります。税理士と聞くとまずはこの確定申告の代行を想像される方が多いのではないかと思います。確定申告は確定申告書類を作成するのみならず、その土台となる帳簿の作成や年間の数字結果を示した貸借対照表や損益計算書(併せて決算書)を作成する必要がありまして、全て確定申告書作成に必要な基礎的な書類となります。帳簿や決算書についても税理士へ依頼することが可能です。納税に関する予測データを依頼することもあります。

また、確定申告と併せて月次の税務顧問や記帳サービス(実際に税理士側で記帳する場合と、顧客側で記帳したものを税理士側でレビューする記帳支援の2つがある)があります。税務顧問は確定申告に向けて、毎月顧客から税務に関連する相談を税理士にできるサービスになります。確定申告のみの依頼の場合は、決算以外のタイミングで発生した税務に関連する相談を税理士に適宜できなかったりとさまざまな制約が発生することが多いので、税務顧問とセットで確定申告を税理士に依頼するパターンもあります。

また記帳代行に関しては、日々の帳簿作成を行うもので、経営者がご自身で対応されるパターンと、税理士側が記帳代行という形で対応するパターンに分かれます。当然記帳代行に関する料金が発生するため、料金と労力の見合いで税理士へ記帳代行を依頼するかどうかを判断することになりますが、最近はクラウド会計も普及してきており、ITが得意な経営者はクレジットカードや銀行口座を連携して記帳はご自身で対応し、記帳支援という形で税理士にチェックをしてもらうパターンも増えてきているように思います。

会社設立・起業支援

会社設立や開業前から実際の会社設立・開業を税理士が支援するパターンもあります。会社設立・開業においては、資金調達のニーズや会社設立手続きそのもののニーズ、各種税務に関する届出のサポートなど、サポート範囲が多岐に及びます。税理士だけでは対応できない部分もあるため、司法書士や行政書士、社会保険労務士などさまざまな士業と連携しながらサービスを提供しています。

月次決算

毎月の損益の状況を把握し、経営として問題ないかどうかを確認するために、月次決算書というものを使うことがあります。確定申告書と異なり必ず作成しなくてはならないものではありませんが、経営の状況をリアルタイムで把握するためには必要なものになります。この月次決算についても税理士に依頼することが可能です。月次試算表という言葉で呼んだりすることもあります。

経理アウトソーシング

帳簿作成や月次決算も経理業務ではありますが、経理全体の中の一部の業務になります。経理業務はそのほかに、請求している金額の入金処理や支払処理、その他給与計算など、お金に関するあらゆる業務があります。経営していると、この辺りの重要だけど本業ではない業務に時間を取られることが多いかと思いますが、このような業務を税理士へ委託することができます。

クラウド会計導入支援

税理士はクラウドソフトを使って顧客へサービスを提供することが多いため、顧客自身が自らクラウドソフトを入れたいというニーズにも応えることが可能です。特に経営者ご自身で数字はしっかり管理したいからクラウド会計ソフトを導入したいという場合、システム会社だと会計や税金の細かいルール設定まで対応できないケースがあるため、税理士にサポートを依頼するケースもあります。

管理会計の導入

月次決算とも関係してきますが、財務データを分析して経営に役立てたいなどのニーズがあるかと思います。このように経営の分析に役立つ数字を作成して管理することを管理会計と呼んだりしますが、この導入支援を税理士へ依頼するケースもあります。特に複数店舗になると店舗別の収支管理が経営上重要になってきますので、2店舗目を開業する際には要否を検討されると良いでしょう。

相続申告や事業承継の検討

経営が安定してきて将来はご子息に相続というケースで、事業承継を考えることになるかと思います。相続や贈与・事業承継については税金の問題が大きく影響を与えるため、税理士の関与はかなり重要だと言えます。また事業承継の一つのやり方としてM&Aで他の経営者への売却等も可能性としてはあるかと思いますので、この辺りも税理士のサポート領域となります。

また事業承継までなかったとしても相続税というものは発生しますので、相続対策が重要になります。相続・贈与の仕方によって税金の発生金額が異なってくるのと、税制は非常に複雑なので、税理士を活用して節税を実現する経営者も増えてきているように思います。

その他:税務調査対応・セミナー・事業計画作成支援など

上記以外の業務として、税務調査の対応(税務調査の立ち合い)から、税金に関するセミナーの提供、補助金などで必要になってくる事業計画の作成支援など、さまざまなサービスを税理士は展開しております。制度対応として、認定支援機関となっている税理士もあります。

その他社会保険労務士や行政書士、司法書士などの資格を持っている税理士であれば、給与計算や労務に関する各種届出のサポート、もしくは許認可申請・登記申請サポートなど、税務にとどまらず、幅広いサービスを展開しております。経営に強い税理士であれば税務のみならず数字面を切り口にした経営コンサルティングを提供している場合もあるでしょう。

モデルが税理士へ支払った費用は経費になるのか?

税理士へ依頼して、モデルの方が税理士へ支払った報酬は経費になるのでしょうか?答えはYESです。税理士へ支払った費用は経費になります。例えば確定申告代行料金や毎月の記帳代行料金が該当します。ただしどのタイミングで経費に入れられるかは、役務の提供が完了しているなどの一定の基準が必要になるため、依頼している税理士へ確認するようにしましょう。

会計士と税理士の違いについて

税理士に似た士業で公認会計士というものがあります。公認会計士と税理士は一般的に混同されがちですが、何が違うのでしょうか?まず、公認会計士は登録することで税理士になることが可能です(税理士のみの資格では公認会計士になることはできません)。公認会計士は会社が作成する財務諸表の監査を行うことが本業であり、公認会計士のみの登録の方については、税務申告の作成代行や税務相談、税務申告を行う税務代理を取り扱っていません。一方で公認会計士と税理士の両方を登録されている方については、税務申告の作成代行や税務相談、税務申告を行う税務代理を取り扱っています。法人で将来的に監査を受ける可能性があり、公認会計士と税理士のサービスを同時に受けたい方については、探す際に公認会計士と税理士の両方を登録している方を探すのが良いでしょう。

個人の方については、そもそも個人で監査を受ける場面というのがないかと思いますので、公認会計士のライセンスを持っているかどうかについてはそこまで気にする必要はないかと思います。ですので個人の方については税理士のライセンスを持っているかの視点で探されるので良いでしょう。

モデルに税理士が必要なタイミング

モデルにとって税理士へ依頼するベストなタイミングはいつになるのでしょうか?以下パターンをわけをして記載していきます。

法人設立のタイミング

まずは法人設立のタイミングです。法人税の申告書は個人の所得税の申告と異なり、作成の仕方がかなり複雑です。経営者ご自身でやるには難易度が高いため、税理士へ依頼することを前提に考えた方が良いです。そのため、会社摂理を検討する際が、税理士へ確定申告を依頼する良いタイミングと言えるでしょう。また以下の視点でも依頼をされたほうが良いと考えます。

まず一つ目が決算期の設定や各種定款の記載事項・資本金の設定の相談です。特に決算期は税務申告のタイミングに重要な影響を及ぼすため、慎重な検討が必要です。また資本金についても税金に大きな影響を与えるためいくらに設定すべきかは税理士と相談した方が良いかと思います。

また開業に生じた費用は税務上、創立費や開業費となり経費化することが可能です。どこまでの範囲が経費化できて、どのタイミングで経費にするのが良いのかは、経営者自信で考えるのは悩みどころだと思います。これを税理士に相談すればベストなタイミング含めてアドバイスもらえることでしょう。

ご自身で帳簿をつけられる場合には税理士から帳簿に関する指導を受けることができますし、領収書や請求書などの証憑類は保管が必要になってきますので、記録の仕方や保存の仕方含めて税理士からアドバイスを受けることができます。

さらに、シミュレーションを使ってそもそも会社設立をすべきなのか、個人事業主として続けるのが良いのかのアドバイスも税金の観点から受けることが可能なので、そもそも会社設立しても税制上はほとんどメリットがないケースというのもあるでしょう。

マイクロ法人の設立を検討されている方については、こちらの「マイクロ法人に強い税理士を検討するポイント」を参照ください。

消費税の課税事業者になるタイミング

他には、年商が1000万円もしくはインボイス事業者になると消費税申告が必要になってきますが、この消費税申告は経理経験のない方にはかなりとっつきにくい内容になっているため、税理士でないとミスが発生する可能性があります。そのため、消費税申告を行うか否かは税理士へ依頼するタイミングの1つとなります。

その他

上記以外には、年商がある程度大きくなってきて、処理が複雑になってきた、もしくは節税も併せて検討したいなどのタイミングになるかと思います。年商が大きくなれば取引も大きいため、その分経理処理も複雑になってきます。ご自身で確定申告を対応されている場合はミスが増える可能性もあります。加えて節税も検討されることになると、税理士へ相談をした方が最適な処理を確認することができるでしょう。

モデルが税理士へ依頼するメリット

モデルにとって会社運営は、ビジネスだけでなく法律や税金、資金調達など様々な専門知識を問われますが、これまでこのような分野にいなかった経営者にとっては大変難しいものです。一方で、届出を一つ忘れるだけで税金の金額が異なったり、有利な選択を見逃すことで支払わなくてよかった税金を支払うことになったり、と判断を誤ることで存することが発生します。

税金でよくあるケースとしてまず考えられるのが、消費税の課税選択です。法人の場合、会社設立時に資本金額が一定を超えると課税事業者となりますが、免税事業者と比較して消費税を納めることになる(還付の場合を除く)ため、その分キャッシュアウトになります。また、消費税の計算方法として簡易課税を選択するか否かによって課税金額が変わってきますが、届出をする必要があると同時に届出期限も決まっているため、届出を失念すると不利な選択を強いられる可能性があります。

また消費税以外にも法人税の分野において、多いのが青色申告の承認申請書です。青色申告の場合、発生した赤字を繰り越すことができたり、過去に発生した赤字を繰戻することができたり、少額の減価償却資産を費用化して経費を早期に計上できたり、その他様々な特典を受けることができます。青色申告の承認申請書についても届出期限が決まっているので、こちらも提出し忘れるとその年度は恩恵を受けることができません。青色申告以外にも、役員報酬についても法人税法上、役員へ支払う報酬を自由にいつでも変更できないルールが設定されているため、変更期限を過ぎてしまうと変更ができない(変更はできるのですが、経費として一部認められなくなります)ことになり、大変不利です。

税金以外にも、ビジネスを長期的に安定的にするためにもしっかりと事業計画を作って、会社法などの法律に従い会社を経営し、かつ資金繰りにも困らない状況を目指すことが非常に重要になってきますが、これがご自身でしっかりとできる経営者はなかなかいないのではないかと思います。補助金の活用についても同様です。

この辺り、税理士が経営者の非常に強力なサポーターになってくれます。以下では税理士と契約するメリットについて記載をしていきます。

確定申告・記帳の業務から解放される

税制は複雑であることから、確定申告や記帳代行の難易度は他の業界と比較しても高いと思います。これをご自身でやられる場合、全てご自身で勉強したり調べたりする必要がありますが、当然間違ってしまうリスクもあります。この点、税理士費用は発生するものの、確定申告や記帳業務から解放されるため、本業に集中できかつ売上をアップさせることが可能になること、さらには間違えのない確定申告書を作成・提出することが可能となるため、安心感につながることはメリットと言えます。

また、通常であれば経理経験のある人を雇って帳簿作成や決算作成、税務申告書の作成・提出を行うことになりますが、従業員を1名雇うと、かなり費用が高額になるため、記帳部分も含めて税理士へ依頼することによって高い品質でコストを抑えたサービスを受けることが可能となります。

上記に加えて、モデルにとって税務回りで多くの届出書を作成・提出する必要が出てきます。例えば、すでに述べた青色申告承認申請書や、簡易課税を選択する場合はそれに関連した届出書などです。税理士へ依頼する場合はこの届出書についても作成・提出してくれるので、漏れなく安心できることでしょう。

安心感を持って税務調査対応が可能になる

全く税務経験のない経営者からすると、税務調査と聞くだけで安心ができないことでしょう。さらに税務調査本番では何を回答していいのかわからないなど不慣れでかつ不安も多いことでしょう。また相手は専門家であるため説明不足や誤った説明などにより、追徴となる可能性も0ではありません。税理士であれば税務調査も適切なコミュニケーションで調査官と対応してもらえるので安心です。また申告書についても過去の経験から税務調査の目線でしっかりとアドバイスをしてもらえることも期待できます。

税金以外のサポート

税金以外にも資金調達や補助金などのサポートを得ることができます。前述の通り、税理士によっては税金だけでなく、資金調達や補助金のサポートをサービスとして展開している場合があります。資金調達や補助金申請にあたっては財務諸表の提出や事業計画の提出を求められる場合があり、そもそも作成経験がなけければスタートラインに立つことすらできません。また財務諸表や事業計画は経験ない経営者が書籍やインターネットで手軽に作れるものでもないため(金融機関のようなプロが見たら間違っている財務諸表はすぐにわかってしまうので)、今後事業を拡大するために資金調達や補助金の活用を検討されている場合には、税理士のサポートが必要になってくるでしょう。

経営相談が可能

資金調達や補助金以外にもビジネスに強い税理士であれば集客方法や人材採用のアドバイス、オペレーションの効率化支援など、幅広く経営コンサルティングを提供することが可能です。またコンサルティングまでいかなくても定期的に経営者の悩み相談を税理士とディスカッションするなどの経営相談も可能となります。

節税の相談が可能

合理的な範囲内で、税理士へ節税の相談が可能となります。当然、経済的合理性があり説明できる内容でなければならないので、勝手に経営者側で判断するのではなく税理士へまずは確認しましょう。税務署が認めれくれる程度の合理的な節税に関するアドバイスを期待できるでしょう。インターネットに記載されている真偽不明は情報に基づいて節税を行う方がいらっしゃいますが、過度な節税により税務署から指摘を受けた場合はペナルティである重加算税を受けて、節税をしたはずが結果余計な税金を追加で支払うケースもありますので、中途半端な知識で節税せずに税理士へ確認するようにしたほうが良いです。

税理士へ相談するデメリット

税理士と相談するデメリットとしては、やはり費用面でしょう。後ほど費用相場について説明いたしますが、料金としては決して安くはないので、年商が低いうちはコスト負担が大きいかと思います。一方で、メリットでも記載しましたが、デメリットよりもメリットも方が大きいため、基本的な考え方は税理士に支払う費用よりも、空いた時間で売り上げを増やしていくことに集中することです。

またデメリットとしてご自身で記帳や申告作業を行わないため、ナレッジや経験値が貯まらないということもあります。小規模な事業でなるべくコストを抑えたい方についてはこれでも良いかもしれませんが、ある程度の規模のビジネスもしくは将来的にビジネスを拡大する意向である方については、記帳や確定申告のナレッジや経験を積むよりも、本業を伸ばすことが重要かと思いますので、その視点で税理士へ依頼するかどうかを判断された方が良いかと思います。

モデルが税理士と契約する際の料金

税理士の値段:価格が決まる要因

税理士の値段ですが、統一的なものはなく、個々の事務所によって異なるのが実情です。ではどのような要因で値段が変わってくるのかですが、いくつか値段を決定する要素があります。

まずそもそも税理士の値段の体系ですが、月額の税務顧問料と年末の確定申告料金が基本料金としてあり、これに加えてオプション料金が加算される仕組みになっています。まず基本料金部分ですが、顧客の難易度や取引量によって異なってくることが多いです。どのようにこれを図るかというと、一番多くのパターンは業種と年商で値段を決めていることが多いです。例えば業種でいくと、物を取り扱わないサービス業よりも固定資産や在庫を抱える製造表の方が処理が複雑化するのと同時に取引量も増えるため、価格は上乗せされる傾向にあります。また年商についても一般的に同じ業種であれば年商が大きい方が取引量は多く、処理も複雑化し難易度が上がるため、価格は上乗せされる傾向にあります。

続いてオプションですが、例えば帳簿作成を行う記帳を税理士に代行してもらう場合は税務顧問と別途値段が加算されることが多いです(一般的には月額で支払)。また、確定申告以外の作業、例えば年末調整や償却資産税なども申告等を税理士へ依頼する場合には、追加で料金がかかることが一般的です。オプションについても価格の決まり方は基本料金と同じで、作業量が多くなってくると値段は上がりますし、取引の難易度が上がると値段は上がることになります。

また、基本料金に何が含まれているかについても税理士によって異なっておりまして、例えば税務関係の届出は基本料金の範囲に入っているが、資金調達や補助金のサポートなどは別途オプションとなるような場合です。必ず契約前には基本料金にはサービスとして何が含まれていて、何がオプションになるのかは確認された方が良いでしょう。

税理士の値段:一般的な相場感

経営者が税理士へ依頼する際に、2つの方法があります。1つ目は、税務顧問として税理士と契約して1年を通して税務アドバイスをもらいながら、決算期末には決算書の作成と確定申告書の作成・提出を依頼する方法です(ケースによっては記帳代行も税理士へ依頼します)。2つ目は、決算申告のみを決算期末に税理士へ依頼する方法です。この場合、決算期末前の期中については税務アドバイスを税理士からもらうことはできず、決算申告のタイミングで併せて税理士と相談しながら確定申告を進めていくことになります。

決算申告のみを税理士へ依頼する場合の費用として、概ね20万円〜となるケースが多いように思います(年商や業種などによって最低料金は当然異なってきます)。もちろん、取引数や取引の複雑性によっても報酬金額は変わってくるため、必ず全ての方が20万円〜ということはないことにご留意ください。

仮に顧問契約で年間の契約を結んでいたとしても、一般的な税理士との契約では月額の顧問料報酬と、決算申告は別途料金が課されることが多いです(顧問料報酬の数ヶ月分ということが多いかと思います)。この場合、決算申告のみを依頼するよりも顧問契約している決算申告の方が安いことが多いです。月額顧問報酬についても、業種や年商、取引数などによって大きく異なりますが、概ね2〜3万円以上で決算申告料金が15万円〜という場合が多いように思われます。

業界が複雑な場合は取引やオペレーションが他の業種等と比較して複雑になる傾向になることから、上記の水準よりももう少し高くなることが予想されます。おすすめとしては、やはり顧問税理士契約を締結することにより定期的に税制面でのアドバイスを受けられるようにしておくことです。

上記に加えて相続税の相場についても解説します。概ね相続対象となる遺産総額の0.5~1%が税理士へ支払う値段だと考えると良いでしょう。ただし税理士の値段設定としては遺産総額の規模別に固定金額の料金を基本料金として設定しているところが多いようで、この基本料金も相続人の数や相続財産の複雑性などの難易度によって変わってきます。

税理士の値段:その他

上記以外に値段の考え方として、①初回面談料金、②時間単価チャージ制度、③成功報酬、④コンサルティングフィー、などがあります。①については初回面談は無料なことが多いですが相談の内容によっては有料になるケースもありますので、事前に確認をしておくようにしましょう。②については一般的にはあまり発生しないかと思いますが、顧客が大手だったりすると時間単価でいくら、と設定してこれに稼働した時間をかけて請求する時間単価制というものがあります。③の成功報酬は例えば税理士が介在することで節税できた部分に対して一定割合を成功報酬として支払うパターンです。この場合でも固定で支払う部分と成功報酬で支払う部分の2つに分かれているケースもあります。④については、具体的に法人化の支援やM&A/事業承継、経営相談、資金調達・補助金サポートが挙げられます。内容によって固定金額だったり成功報酬だったりします。

税理士の値段の例

下記では仮に当事務所が受注する場合の値段を使って税理士の値段の例を記載していきます。

当事務所の場合は、月額顧問報酬と決算申告報酬を基本料金としており、決算申告報酬は年1回支払うものとなっております。値段の決め方ですが、年商によりまずは値段の最低料金を算出しており、そこから業種や顧客の特殊事情により個別に見積もりを行わせていただいております。例えば、年商が1500万円の法人であれば(当事務所は法人も個人事業主も同じ値段となっております)月額報酬3万円の決算申告報酬が15万円になるため、年間の支払総額は基本料金で51万円となります。

上記に加えてオプションを使われる顧客にはオプション料金を加算しております。具体例として記帳代行については、月額2万円より(年商、業種、取引量に応じて個別見積もりとさせていただいております)承っており、例えば上記の事例ですと、2万円の12ヶ月分になりますので24万円が加算され、年額が75万円となります。年末調整や固定資産税の申告をご依頼されたい方は、別途オプション利用となります。

モデルが税理士費用を削減する方法

ここまで税理士の値段の決定要因について記載してきましたが、費用がそこまで払えず値段を抑えたい場合はどうすれば良いのかについて記載していきます。

まずは、税理士へ依頼する内容を明確化することで自分にとって不要なサービスの提供を受けないということです。先ほどの通り基本料金に何がサービスとして含まれているかは税理士によって異なってくるため、面談の際は必ず料金の内訳を確認することが重要です。特に値段が安い場合には、安いからといって安易に選ぶのは辞めましょう。自分に必要なサービスが入っておらず、それを含めるにはオプションが必要だが、結果割高になるようなケースもあるのです。特に料金が上がりやすい項目として面談の回数や報告の回数です。面談については税理士の時間を拘束することになるため、その分の料金が回収分だけ上乗せされることが多いです。そのため経営相談などの回数が少なくても問題ないのであればそこを削ることで値段を抑える可能性はあると思います。

続いて、依頼する業務や削るべきサービスが明確化したら、税理士との相性を見つつ相見積もりを行うことです。大量に相見積もりを行う必要はありませんが、相性が良さそうな税理士2〜3者ほど取得すれば十分だと思います。ここでは小さい料金の差を見るのではなく、大きく税理士同士で価格がズレていないかどうかを見るというポイントです。サービス差がなくて料金が高い場合は、過去の経験値や税金以外のコンサルティング業務等の質で値段が高いと思われますので、ご自身に合ったサービスと値段を選ぶべきかと思います。

なお、税理士の値段の要素である年商や業種などはコントロールができない部分ですので、上記の視点で値段を抑えていくのが良いかと思います。

モデルに強い税理士の選び方

経営者が税理士を検討するためのポイントとして挙げられるものは、①税理士へ支払う費用、②税理士との相性・税理士の経験、③個人事業・法人を今後どれぐらい拡大していくか、④経営者自身で経理業務を行うかどうか、と思います。

①税理士へ支払う費用についてはわかりやすいですが、税理士に依頼することで確保できる時間や効果を勘案した際に、費用対効果があっているかどうかです。単純に数字的な効果だけでなく、税理士に任せているという安心感や本業に集中できるという時間確保の面もあるため、一概に数字面の費用対効果で考えるものではないかと思います。税理士の一般的は相場については後述します。

②税理士との相性・税理士の経験、については中長期のおつきあいになるのである程度経営者の事業に対する理解があり、かつ経営者ご自身と相性の良い方を選んだ方が良いかと思います。相性は多くの税理士と面談して決めていくしかないかと思います。特にモデルの場合、モデルを顧客として経験したことがある税理士だとベストでしょう。

③個人事業・法人を今後どれぐらい拡大していくか、は①とも関係してきますが、現時点での業績だけで判断するのではなく今後事業を拡大予定であり、経理や税金周りの業務が複雑になることが見えているのであれば税理士へ依頼することも一案となります。

④経営者自身で経理業務を行うか、については①の時間確保とも絡んできますが、税理士と契約しないということは経営者ご自身で確定申告書を作成・提出することになるため、それに必要な勉強を本業と並行して行うことになるということです。時間は有限のため、本業に集中して事業を拡大することを優先する方が、結果としては良いのではないかと思います。

モデルが税理士を探す方法

税理士の探し方は大きく下記の方法があるかと思います。

1つ目は知り合いから紹介してもらうことです。信頼している方からの紹介であれば、安心感があるかと思います。一方で、相性が合わない場合などは紹介をしてもらった手前、なかなか断りづらいという点があると思います。

2つ目はインターネットで検索するです。ご自身が住んでいる地域で検索すると税理士のホームページがインターネット上に出てくるはずです。最近の税理士のホームページは料金体系や強み、サービスの範囲など記載内容が充実しておりますので、その中でご自身のニーズに合った税理士と面談して決められるという方法はあるかと思います。

3つ目は税理士紹介サイトです。こちらもインターネット経由ですが、直接税理士へ問い合わせるのではなく紹介サイトのコーディネーターにご自身のニーズを伝えて、複数名の税理士を紹介してもらう流れになります。一般的に依頼者側は費用がかかりませんので、安心して利用することが可能です。税理士紹介サイト以外にも会計ソフト会社で税理士を紹介しているケースもあります。

モデルに強い税理士

モデルに強い税理士にはどのような方がいるのでしょうか、インターネットの公開情報で検索した結果も踏まえて下記に記載をしていきます。

芸能文化税理士法人様

まずは、芸能文化税理士法人様です(https://geinoubunka.org/)。芸能関連に特化されたサービスをお持ちの特徴のある会計事務所様になります。芸能・モデル業界に大変詳しく、税務顧問や確定申告のみならず、法人化支援などのサービスも提供されているのが特徴的です。

佐藤綜合会計事務所様

次に、佐藤綜合会計事務所様です(https://sato-sogou.com/news/accounting/geinoujin_kakuteishinkoku/)。所得税・法人税・消費税の確定申告や税務相談はもとより、デューデリジェンスなどの幅広いサービスも併せて展開されているようです。

宮嶋公認会計士・税理士事務所

最後に、当事務所になりますが、宮嶋公認会計士・税理士事務所です。(https://tax-miyajima.com/)。当事務所も、確定申告や記帳代行などの税務サービスのみでなく、外資系経営コンサルティング会社やCFO経験を活かした、経営コンサルティングサービスおよびDX・デジタルに非常に強みを持っている特徴的な事務所になります。特にコンサルティング経験も豊富ですのでモデルの方のお悩みを深く理解し、適切なアドバイスをさせていただくことが可能です。

まとめ

以上のようにモデルにとって税理士は必要かについて記載してきました。こちらの記事を参考にして、ぜひ税理士選びのサポートとしていただけると光栄です。

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この記事の作成者 
宮嶋 直  公認会計士/税理士 
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。