税理士へ支払う月額はいくらが適正かについて徹底解説

税務

本記事では、税理士の適正な月額について記載しております。具体的に、税理士を探すにあたって、どのようなサービスだとどのぐらいの相談料が適正なのかについて記載します。本記事をご参考いただくことで、税理士の相場観を持って税理士と会話ができるようになります。

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税理士の月額に関する相場

税理士の月額を考える前に、税理士の報酬形態を大まかに説明したいと思います。顧問契約を締結する場合は、月額料金と決算時に決算料金(税務申告代金を含んでいることが多い)を請求される場合が多いです。顧問契約がない場合は月額料金はなく決算料金のみで請求されることになります。その他スポット相談や相続税などの顧問が不要で申告のみの場合も、1回のみ料金を請求されるパターンが多いかと思います。

上記の通り、税理士の月額というのは全体の報酬の中の一部を指しており、税理士へ支払う報酬全体で考えると月額だけでなく決算料金やスポット料金なども含めて考える必要があります。一般的な税理士の報酬体系としては、月顧問報酬として月額が発生し、決算申告時に決算申告料という形で月額顧問料の4〜6ヶ月分を請求されることが多いです。決算申告料はいつ請求されるのかで分かれますが、2つパターンがありまして、1つは月額料金として分割して請求される場合(これは月額顧問料に加算されて毎月請求されるパターンとなります)、もう一つは決算申告の際にまとめて請求される場合です。

月額顧問料ですが、少なくとも月に2〜3万円程度は発生することが多いです。月額顧問料については、顧客の業種や年商によって大きく変わってきます。大きく変わる背景としては、業種や年商によって処理の煩雑さや論点の多さ、などが変わってくるからです。例えば、無形商材を扱うサービス業よりも有形の商材を扱う製造業や小売業の方が料金としては高くなることが多いです。無形商材の場合は、まず在庫を持つことがないこと、またオンラインの場合は固定資産を持つことがないこと、また収入に関しても顧客が特定の人からの受注になっている場合は売上管理が煩雑でないこと、などから検討すべき論点が減ります。一方で、製造業や小売業の場合は、まず在庫が発生するため、実地棚卸しなどで年度末は在庫の金額を確定させなければなりません。また仕入れや売上の取引量も大きいため、記帳ミスがないかどうかの確認も必要になります。製造業の場合は原価計算も必要なため、製造に費やしたコストを適切に製造原価として計上しているかどうか、そのルールは適切かどうかを検証する必要があります。このように業種によって税論点が全く異なってくるため、料金体系が変わるのです。

また個人事業主か法人化によっても論点は変わってきます。一般的に法人税の方が所得税よりも処理が複雑になるため、税理士の料金も高くなる傾向にあります。また個人事業主から法人なりする場合にも個人事業主で保有していた資産や負債をどのように引き継ぎのかなどの論点が発生するため法人成りする際には検討費用して別途料金が発生したりします。

税理士の月額以外の報酬について

税理士の月額以外にどのような報酬があるのでしょうか?こちらについてはスポットで発生するようなサービスが該当してきます。後述しますが、スポット相談などはスポット相談の時間単価とスポット相談時間によって請求金額が決まりますし、例えば相続税申告などは基本的に月額で毎月発生するようなものではないので、契約時にその契約内容に従って料金を1回で支払うような形になります。そのほか、資金調達に関するコンサルティングや事業計画に策定に関するコンサルティング、その他コンサルティングについてはスポット料金として契約に従って1回で支払うことが多いです。

税理士の月額の例

下記では仮に当事務所が受注する場合の値段を使って税理士の月額の例を記載していきます。

当事務所の場合は、月額顧問報酬と決算申告報酬を基本料金としており、決算申告報酬は年1回支払うものとなっております。値段の決め方ですが、年商によりまずは値段の最低料金を算出しており、そこから業種や顧客の特殊事情により個別に見積もりを行わせていただいております。例えば、年商が1500万円の法人であれば(当事務所は法人も個人事業主も同じ値段となっております)月額報酬3万円の決算申告報酬が15万円になるため、年間の支払総額は基本料金で51万円となります。

上記に加えてオプションを使われる顧客にはオプション料金を加算しております。具体例として記帳代行については、月額2万円より(年商、業種、取引量に応じて個別見積もりとさせていただいております)承っており、例えば上記の事例ですと、2万円の12ヶ月分になりますので24万円が加算され、年額が75万円となります。年末調整や固定資産税の申告をご依頼されたい方は、別途オプション利用となります。

月額以外で税理士へスポット相談は可能か?

税理士月額料金をなるべく払いたくない、ある程度は自分で調べることができるので、わからない部分のみ教えてほしいという方もいらっしゃると思います。そのため一定の金額を払って税理士へスポット相談のみ依頼をしたいというニーズもあるかと思います。

ただしスポット相談のみは個人的にはあまりおすすめ致しません。その理由として、まず1つ目は税理士としては中長期のお付き合いの中で顧客の事業への深い理解や顧客のニーズを把握していくことになりますが、スポット相談ではこれを行うことができません。またスポット相談の場合時間や情報が限られてしまうため、どうしてもその範囲内の回答しかできません。加えて、顧客が相談の情報を準備することになりますが、当然顧客は税金の専門家ではないため、相談にあたって重要な前提情報や資料が漏れる可能性があります。顧問契約をしていれば税理士が日々顧客の動きを見ているためこのようなことは起こりませんが、スポット相談では顧客から提示された情報のみで判断せざる追えなくなります。

そのため、税理士としてスポット相談はそもそも引き受けていない(制限された情報や時間の中では専門家としての力を十分に発揮することができないため)、もしくは深いアドバイスはできないことを事前に顧客へ伝えるケースは多いかと思います。結局顧客として深いアドバイスを求めているのであれば、スポット相談ではなく顧問契約にしてしっかりと税理士に診てもらうのがベストだと考えます。

まとめ

以上、税理士の月額を検討するポイントについて記載をしてきました。皆様もこちらの記事を参考に、税理士探しにお役立てしてください。

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この記事の作成者

宮嶋 直  公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。