この記事では、確定申告や決算申告が未了である無申告の方々へ、そもそも無申告であることによってどのようなデメリットがあり、税理士へ依頼をするメリットとは何か、税務調査の有無など無申告にまつわる情報を集約してお届けを致します。本記事を閲覧することで、
・無申告とは何か?
・無申告によるペナルティ
・無申告でよく発生する悩みの解決
・税理士へ依頼することへのメリット
・税務調査が入る可能性
上記のようなことが理解できるようになります。
税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
- 無申告でよくある悩み
- 確定申告の基礎
- 無申告とは
- 無申告によるペナルティ
- 無申告に関連してよくある質問
- 無申告に関する質問
- Q:確定申告をこれまでしてこなかったのですが、問題はありますか?
- Q:フリーランスなどの個人事業主には税務調査はきませんか?
- Q:確定申告期限を過ぎたらどのようなペナルティが発生しますか?
- Q:無申告ですが税務調査が入ることになりました、どうすれば良いですか?
- Q:無申告だと受託してくれない税理士もいると聞いたのですが
- Q:無申告状態が長かったため、領収書や請求書などの資料がありません
- Q:無申告が長く、一括で税金を納付することが難しいのですが
- Q:税務署から連絡が来ました、どうすれば良いですか?
- Q:過去利益が出ておりません。無申告の場合、問題はありますか?
- Q:確定申告をせず無申告の状態の人はどれぐらいいますか?
- 無申告で想定される事例
- 無申告に対応できる税理士とは
- 無申告で税理士へ依頼するメリット
- 無申告で税理士へ依頼する際に料金
- 無申告での税務調査について
- まとめ
無申告でよくある悩み
確定申告や決算申告を未提出で無申告状態の方について、主に下記のような悩みがあるのではないかと思います。
無申告状態の方の主な悩み
・意図的にやったわけではなく、無申告に気づいてしまったが、今更税務署へ聞くのも躊躇われるので、どうしていいかわからない
・税理士に相談すると、依頼を受けてくれず、かつ税務署へ通報しそうで、誰にも相談ができなくて困っている
・税務署からいつ連絡が来るかわからず、また追加の税金がいくらになるかどうか不安で、どうしていいか不安である。マイナンバーによって無申告がバレるとも聞いている
・無申告状態なので、行政に提出する所得証明などの書類の対応ができなかったり、社会保険や認可関係の書類の申請が対応できず、不便を感じている
・副業をしており、無申告がバレてしまうと会社に副業をしていることがバレてしまうのではないかと心配になっている
・インボイス対応できておらず、取引先からの要望に対応できていない
・そもそも決算申告のやり方がわからず、ただ日数が経過していくのでどうして良いかわからない
・無申告が何年にも渡って続いており、どうして良いかわからない
では、上記にような無申告の方の悩みについて、次の項目では無申告の状態とはどのような状態なのかを詳細に解説していきます。
確定申告の基礎
確定申告とは、確定申告義務のある個人もしくは法人が確定申告の提出期限までに確定申告書を提出し、税金を納付する制度です。
マイナンバー制度の導入やインボイス制度の導入などにより、以前よりもお金の流れや財産の状況が確認しやすくなったのもあり、過去よりも無申告は明らかになりやすいという状況なのではと思います。
また副業収入や家賃収入など、少額なら確定申告の対象外と思っている方もいらっしゃいますが、一定金額を超えると等しく確定申告が必要になりますので注意が必要です。確定申告期限を遅れて提出したり、無申告だったりすると後述するペナルティを課されることになります。また税務調査が来る場合は、その対応が必要だったりと税金だけでなく精神的な面や時間的な面で力を使うことになってしまいます。
無申告とは
無申告とは、確定申告義務のある個人もしくは法人が、確定申告期限が到来しているに関わらず、確定申告書を税務署へ提出していない状態を言います。確定申告の紀元後に確定申告書を提出するのは無申告ではなく期限後申告と言います。
法人だけでなく、フリーランスなどの個人事業主の方についても確定申告書を提出していない場合、無申告の状態となりますので留意しなければなりません。また、事業から収入を得ている所謂事業所得者以外にも副業をおこなっているサラリーマンの方や、複数の勤務先から給与をもらっている方なども対象になってくるため、実は確定申告義務者であるにも関わらず、確定申告期限までに提出していなくて無申告になっているケースもあると考えられます。
なお、次の項目でも説明いたしますが、無申告についてご本人に無申告になる意図があったかどうかに関わらず、無申告の状態として扱われてしまい、結果としてペナルティを受けることになりますので、ご留意ください。
無申告によるペナルティ
無申告によるペナルティの種類
無申告についてどのようなペナルティが発生するのでしょうか?ペナルティの種類としては、主に以下のものが挙げられます。
・無申告加算税
・延滞税
・重加算税
以下、それぞれについて解説してきます。
無申告における無申告加算税について
このペナルティは、確定申告書が期限を過ぎているにも関わらず税務署へ提出しなかった個人及び法人(つまり無申告状態の方)に対して課させるものです。
無申告加算税は、納税者が支払うべき税額に加えてペナルティとして支払うべきもので、納付すべき税額が50万円までの部分については、納付すべき税額の15%、50万円を超える部分については納付すべき税額の20%がそれぞれ加算れることになります。
なお、税務署の調査を受ける前に自主的に確定申告書を提出した場合は、無申告加算税が5%に減額となります。確定申告の期限後だったとしても自主的に確定申告書を提出することで、無申告に対するペナルティの金額が大きく変わることになります。
無申告における延滞税について
このペナルティは、確定申告書の提出期限が経過していることについて、その経過日数分に対して支払う、所謂利子のようなペナルティになります。このペナルティについても個人と法人の両方が対象となります。
延滞税は納付期限の翌日から発生します。
・納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」の いずれか低い割合
・納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合
なお特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1パーセントの割合を加算した割合をいいます。
無申告加算税に意識が行きがちなので、延滞税のことを失念することも多いですが、納付すべき税額が大きい場合には延滞税によるペナルティの金額も大きくなるので注意が必要です。
無申告における重加算税について
このペナルティは、無申告状態について、事実の隠蔽・仮装を図ったと税務署から認定されてしまった場合に課されるものになります。
重加算税はペナルティとしてはかなり厳しいもので、無申告の場合、支払うべき税額の40%がペナルティとして課されることになります。また、5年以内に重加算税に値する悪質な脱税行為が繰り返された場合、さらに10%加算されることになるため、極めて厳しい措置が講じられることになります。
無申告に関連してよくある質問
無申告に関する質問
無申告についてよくある質問をまとめていきます。無申告状態の方は、こちらを確認して該当するものがあれば目を通していただくことをおすすめ致します。
Q:確定申告をこれまでしてこなかったのですが、問題はありますか?
無申告の状態ですと、税務調査は過去5年間は調査期間となりますので、現状税務調査がないからといって、今後は税務調査が入る可能性はあります。また、高額の脱税など悪質とみなされる場合は最長で7年間まで調査を行うことができますので、留意いただければと思います。
なお、先ほど説明した通り、納付すべき税金を過去に訴求して支払うのは当然として、それに加えて無申告に対してはペナルティとして無申告加算税や延滞税、そして重加算税を課される場合がありますので、十分注意いただければと思います。
Q:フリーランスなどの個人事業主には税務調査はきませんか?
そんなことはありません。税金を納付する義務のある方については、等しく税務調査が行われる可能性がありますので、個人だから、少ない所得しかないから、といって税務調査の対象外になることはありません。また無申告によるペナルティも個人だから免れられるわけではないので、その点も注意するようにしましょう。
Q:確定申告期限を過ぎたらどのようなペナルティが発生しますか?
すでに記載しておりますが、主に①無申告加算税、②延滞税、③重加算税、の3つが考えられます。無申告加算税は無申告者に対するペナルティとして課されるもので、延滞税は確定申告期限を過ぎたことに対する利子的に発生するペナルティになります。また、重加算税は無申告状態について、事実の隠蔽・仮装を図ったと税務署から認定されてしまった場合に課されるものになります。
Q:無申告ですが税務調査が入ることになりました、どうすれば良いですか?
無申告となっている(複数年度の場合は無申告となっている複数年度)年度が対象となります。特に顧問税理士がいない場合はご自身で税務調査に対応することになります。よほどご自身で税務に関する知識がある場合を除き、税務署と同等の知識レベルで会話することは不可能だと思われます。まずは税理士へ相談・依頼することをおすすめ致します。
Q:無申告だと受託してくれない税理士もいると聞いたのですが
税理士にも様々な方針で事務所を運営してくれる方がいらっしゃるので、受けてくれる税理士もいれば、無申告は対象外という方がいらっしゃるのは事実です。ちなみに、当事務所は無申告でも対応は可能でございますので、まず無申告の概要についてお聞かせいただけると幸いです。
Q:無申告状態が長かったため、領収書や請求書などの資料がありません
領収書などの証明書類がなくても、経費として認められる可能性はありますので、ないからといって諦めることはありません。銀行の入出金明細やクレジットカード会社の決済履歴、もしくは取引先に協力してもらい証明してもらうなどの対応をとることで、税務調査に対して経費があったことを説明できる状態を作ることが必要となってきます。
Q:無申告が長く、一括で税金を納付することが難しいのですが
基本的に税金は一括で納付する必要がありますし、支払いができない場合が財産の差押などの対応が取られます。ただし、支払えないからといっていきなり差押などの手続がとられるわけではなく、また税務署と分割納付の相談をすることも可能です。
Q:税務署から連絡が来ました、どうすれば良いですか?
税務署から連絡が来たからといって、必ず税務調査というわけではありません。形式的な確認や事業概況に関する質問、など税務調査ではない連絡も様々に来ます。ただしこのような連絡に対しては必ず誠実に回答をすべきです。放置などした場合、最終的に税務調査につながる可能性も0ではありませんので、留意するようにしてください。
Q:過去利益が出ておりません。無申告の場合、問題はありますか?
主に2つの点で問題と言えます。一つ目は、ご自身が青色申告の届出と提出している場合、青色申告の承認が取り消される可能性があります。取り消された年度以降は様々な特典を受けることができません。二つ目は、青色申告に関連しますが、繰越欠損金を使用できなくなるという点です。利益が出た年度について過去に繰越欠損金がある場合、過去の繰越欠損金を利益に充てることで支払うべき税額を減少させることができるのですが、無申告の場合ペナルティとして繰越欠損金が使用できない場合があります。
Q:確定申告をせず無申告の状態の人はどれぐらいいますか?
統計があるわけではないので、正確な人数は不明です。一方で、意図的でなくても確定申告義務があるにも関わらず確定申告を行うことを失念しており、結果として無申告となっている方は一定数いらっしゃると想定されます。特に所得が少額だからと言って申告を失念しているケースもあると思いますので、ご自身が確定申告義務者かどうかは必ずチェックするようにしてください。
無申告で想定される事例
下記は実際の事例ではなく、想定される事例を記載してよりイメージを膨らませていただくのが目的です。
個人A:副業収入の無申告
事例
個人Aは本業はサラリーマンとして給与所得収入を得ているが、副業として不動産賃貸業をおこなっている。その収入が年間100万円未満(利益が50万円程度)だったことから確定申告は不要だろうと自己判断してしまっていた。
解説
本ケースの場合、法律で定められている所得金額を超えていることから、確定申告が必要となります。本業がサラリーマンの場合年末調整で通常は完了し個人として確定申告を行うことはないため、副業収入があったりすると確定申告が漏れがちです。
結果として、副業禁止の会社の場合、副業がバレてしまうリスクも0ではないので、副業だったとしても一定の所得金額を超えた場合は必ず確定申告が必要であることはしっかりと認識をしておきましょう。
法人B:創業当初から無申告
事例
法人Bは数年前から法人を設立して事業を営んでいるが、設立当初は赤字だったこともあり、今まで全く確定申告をしてこなかった。現在は黒字決算だが、引き続き確定申告を行なっていない。
解説
本ケースの場合、すぐにでも税理士等に依頼し無申告の状態を改善すべきと考えます。青色申告の届出を提出している場合、無申告状態は青色申告の取り消しをされる可能性がありますし、また過去赤字だった場合でもその時に計上された繰越欠損金が活用できず、結果として将来支払う税金の金額が高くなってしまう可能性があります。
法人C:法人成りした際に個人事業部分が無申告
事例
法人Cは個人Cの個人事業主として営んでいた事業を法人成りして設立した法人である。法人Cの方は確定申告を適切に実施しているが、個人Cを法人成りした年度の個人Cの確定申告を失念していた。
解説
本ケースの場合、法人成りまでに個人で発生していた所得も確定申告の対象となるため、これが漏れていた場合個人として無申告の状態となる。無申告の状態に気づかず、無申告期間が長期化する可能性もあることから、法人成りする際にはなるべく顧問税理士をつけ、この辺りに漏れがないかどうかを確認することをおすすめ致します。
無申告に対応できる税理士とは
無申告に対応できる税理士の概要
無申告の場合で税理士へ過去無申告分の確定申告を依頼する場合について、ここでは説明いたします。
無申告の場合、過去数年にわたって申告するケースや、領収書などの証拠書類がないようなケースもあると思いますので、通常の確定申告業務よりも時間がかかるケースがあります。よって、税理士によっては無申告は受託しないというケースもあります。
一方で無申告の方も対応可能をサービスの一つとして提供している税理士もいるので、このようなサービスを持っている税理士に問い合わせるのが良いでしょう。具体的に税理士が提供するサービスとしては、無申告になっている確定申告業務、及びそれに関する税務相談。そして税務調査がきた場合の税務調査対応となります。
無申告だからといってそのまま放置をしていると、より様々なリスクが発生してきます。ご自身で対応することも可能ですが、相当深い専門知識が必要になってきますし、ご自身で対応することによって処理を間違ってしまう可能性もありますので、税理士に依頼をされた方が確実かと思います。無申告の状態という事実は変わりませんが、税理士がサポートすることで、放置していた状態では発生してしまう重たいペナルティなどを避けることが可能になりますので、素人の意見を鵜呑みにするのではなく、プロに相談することをおすすめ致します。
無申告に対応できる税理士にはどのようなサービス体系があるのか?
前述した内容の組み合わせになりますが、
①無申告期間の確定申告のみに対応する場合
②無申告期間の確定申告に加えてその期間の記帳にも対応する場合
③無申告期間の確定申告・記帳に加えて、税務調査対応まで含まれる場合
④無申告期間の確定申告に加えて、税務調査対応及び無申告期間以降の税務顧問報酬が含まれる場合(無申告期間以降の税務顧問の契約が前提となる場合もあります)
⑤無申告期間に関する税務調査のみ対応する場合
ここでは主に①と②に関して解説をしていきます。
①無申告期間の確定申告のみに対応する場合
無申告期間の確定申告のみに対応する場合、記帳についてはご自身で対応する必要があります。税理士はご自身で作成された記帳に基づいて税務申告書を作成するため、ご自身で記帳ができない場合はこのようなプランを選ぶべきではありません。
②無申告期間の確定申告に加えてその期間の記帳にも対応する場合
こちらは①の無申告期間の確定申告のみに対応する場合に加えて、その対応する期間の記帳がセットになったプランです。記帳については一定程度の簿記の知識と税務知識も必要になってくること、かつ過去の記帳については証拠資料も少なく難易度が上がるため、基本的にはこの②のプランを選択する方が多いのではないかと思います。
税理士を選ぶ際のポイント
無申告に対応できる税理士の選び方として以下のようなポイントがあると思います。
税務申告、決算申告をまとめて対応してくれるか?
過去2年までなら対応可能など、期間に限定がついている場合、複数年度無申告の方だと対応ができません。よって過去数年でも対応可能な税理士を選ぶのが良いでしょう
確定申告、決算申告を丸ごと依頼できるか?
過去複数年度の無申告となると、ご自身で記帳から申告まで対応するのは相当難しいことが想定されます。これを丸ごと記帳からお願いできる税理士に依頼をした方が間違えもなくなりますし、ご自身の本業に集中することができるので効率的と言えるでしょう
スピーディーに申告対応してくれるか?
しっかりとスケジュールを伝えてくれる税理士が良いでしょう。無申告状態がいつ解消されるかわからない状態だと不安だと思いますので、大まかな申告期限を示してもらえる税理士を選んだ方が安心かと思います。
無申告の税務調査に対応できるか?
無申告だった場合の税務調査にも対応できる税理士が良いと思います。必ず税務調査が来るわけではないですが、税務調査が来た場合でもお願いができるように、対応可能な税理士を選んだ方が効率的だと思います。
初回相談料無料かどうか?
多くの税理士は初回相談料は無料にしていることが多いかと思いますが、お互いの相性の問題はあると思うので、まずはお互い合うかどうかを見極めるために無料相談で会話をした方が良いかと思います。
精神的ストレスを軽減してくれるかどうか?
カウンセラーではないので、精神的な悩みを相談する相手ではありませんが、とはいえ無申告状態は不安なものだと思います。その不安を払拭できるようなアドバイスや方針を提案してくれる税理士であれば、結果として精神的ストレスが軽減され本業に集中できると思いますので、面談でその観点からも相性を見た方が良いかと思います。
無申告対応の実績があるかどうか?
論より証拠ということで、無申告の実績がないよりはある税理士の方が頼りになるかと思います。やはり無申告ならではの論点も存在するため、経験がある税理士を選ばれるのが良いかと思います。
無申告特化の税理士を選ぶべきか?
すでに記載の通り、相性が最も重要だと思いますので、特化しておりかつ相性が良ければその税理士を選ぶのが良いと思います。得意不得意は税理士でもありますが、基本的には税務のプロフェッショナルなので、基本的なクオリティには問題ないかと思います。例えば無申告でかつ税務調査に特化していたり、成功報酬型で対応を行う税理士もおりますので、この辺りは様々な税理士に話を聞いて相性を見ながら選択していくのが良いかと思います。顧問契約不要で税務調査のみでの対応をしてくれる税理士もいますので、そのようなサービスの無料相談でまずは話を聞いてみるのも良いでしょう。
無申告で税理士へ依頼するメリット
無申告の状態で税理士へ依頼することのメリットは主にいかが挙げられます。
・無申告の期間の確定申告/決算申告を委託することができ、正しい申告及び早期の無申告状態からの回復を実現することができる
・無申告状態を放置していたら発生していたであろうさらに重たいペナルティを早めに税理士へ依頼することで、回避することができる
・無申告に関する税務調査が行われた場合、自身では専門知識がなく対応できないものが税理士が介在することでスムーズに完了することができる
・税務申告の際の納税額計算や追徴税額について、税理士が介在することで税務署との調整をスムーズに行うことができる
・再び無申告を繰り返さないように、今後も税理士に確定申告を依頼し期限通りに提出することが可能となる(すでに記載の通り、再び無申告の場合、さらに重たいペナルティが課されることになる)
・適切な税務アドバイスを税理士から受けられることにより無申告の状態では受けられなかった税メリットを受けることができるようになる
以上にように、税理士へ依頼することで無申告への対応のみならず通常時の税務申告についても多くの恩恵を受けることが可能となります。なので、経理や税務業務から解放されて本業に集中したい、様々なアドバイスを受けたいという方については、税理士へ依頼することをおすすめ致します。
なお、確定申告/決算申告のメリットとして融資を受ける際に必要になったり、その他行政への手続きとして必要になったりする場面もありますので、その観点からも無申告状態を税理士に早めに相談して、解消していくのが良いと言えるでしょう。
無申告で税理士へ依頼する際に料金
無申告の場合で税理士へ依頼する際の料金については、下記のように大別して考えるのが良いでしょう。
・確定申告/決算申告に関する業務
・税務調査に関する業務
・その他
確定申告/決算申告に関する業務について
こちらについては、対象となる事業年度(複数年度の場合は当然料金が高くなる)や記帳代行を含むかどうか、年商はいくらか、業種は何か、などによって変わってきます。平均値は取りにくいのですが、あくまで参考として、確定申告/決算申告のみの作成・提出の場合、1事業年度で10万円以上〜となっているケースがあるようです。この場合3事業年度無申告のケースですと30万円以上となります。
一方で記帳代行も依頼する場合は、1事業年度あたりの料金が上記に加えて5万〜10万円が少なくとも加算されるようです。なので3事業年度の場合は15万円から30万円が少なくとも加算されることになります。
また上記の値段はあくまでも所得税や法人税のみの場合が多く、これ以外に消費税や源泉徴収税、その他年末調整など他の税金も存在する場合はオプションとしてそれぞれ値段が加算されていく仕組みになります。
税務調査に関する業務について
税務調査については、通常の税務調査であれば日額5万円前後から料金がスタートすることが多いようですが、無申告の場合は調査対象が多くなる関係で調査日数等も増えることが予想されるため、通常の税務調査よりは料金が高めに設定されるようです。
参考までですが、基本料金が30万円からスタートして、基本料金を超える部分について1時間あたり1万円などの料金が加算されていく仕組みがあるようです。
その他
その他、税務署との調整によりいくら税額を減額できたかによって、その減額部分に対して成功報酬を課金するパターンもあるようです。
無申告での税務調査について
無申告の場合でも税務調査はあるのかという疑問は皆様お持ちかと思いますが、結論は無申告の場合でも税務調査の対象となります。また無申告になっている対象の金額が大きくても小さくても税務調査の対象となります。そのため、金額が小さいから税務調査は入らないので無申告で良い、というのは誤った考え方ですので、今すぐ見直すようにしましょう。
確定申告を提出していないと税務署に知られることがないので税務調査の対象にならないのではないかと考える方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。税務署は行政機関や金融機関等を通じて取引に関する資料やデータを入手しています。そのため、確定申告を税務署に提出していなくても、どの程度の年商規模がありどのような取引を行っているか、また仮に課税するとしたらいくらぐらい課税できそうか、などを手元で試算することが可能なのです。当然、その中でも金額が大きい部分を追求するために税務調査が行われる可能性は十分にあります(先ほどの繰り返しになりますが、金額が小さいからと言って税務調査の対象から外れるというわけではないので、この点十分にご留意ください)。
税務調査が実際に行われるとき、もしくは税務調査に入るリスクに不安を覚えている場合どうすればよいでしょうか?やはりご自身で対応するのはかなり難易度が高いため、税理士に依頼するのがベストだと思います。特に無申告の場合は過去の証憑類を集めてしっかりと説明したりする必要があるため、その準備段階から税理士に関与してもらうのがよいでしょう。
また税務調査の対象期間ですが、一般的には過去3年分の調査を行います。ただしさらに過去まで同様の誤りがありそうであればその調査で5年分まで遡って対象となる場合もあります。加えて無申告のように悪質な場合などは、最大で7年まで過去を遡って調査される可能性があります。無申告の場合、過去長期間にわたって税務調査の対象となる可能性がありますので、十分に留意するようにしましょう。
まとめ
以上、無申告についてその基本と税理士を活用するメリット、料金体系などを説明してきました。無申告状態を放置することは今よりも状況をさらに悪化させることになり、かつご自身で対応する場合も相当な時間と労力を費やすことになるため、なるべく早めに税理士へ依頼を行い、無申告状態を解消されることをおすすめ致します。
税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
この記事の作成者 宮嶋 直 公認会計士/税理士 京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。