無申告に対応できる税理士の料金はいくらぐらい?

税務

本記事では、無申告状態の個人事業主もしくは法人経営者が税理士へ無申告状態を解消してもらう場合に支払う料金について解説をしていきます。無申告の場合は、通常の確定申告と異なり手間が増えたり税務調査対応が必要だったりとするため、確定申告を税理士へ依頼する際よりも料金が増えることが多いです。そのため、どの程度の料金が適切なのか、無申告対応について税理士は具体的にどのようなことをしてくれるのか、について解説をしていきます。なお無申告については、無申告を解消したい人必見 – 無申告に強い税理士が対応、についても参照ください。

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無申告に対応できる税理士の料金はいくらぐらい?

  1. 無申告(期限後申告)の状態とは?
  2. 無申告状態を気づいていない人も多い
  3. 無申告者によくある悩み
    1. 税務調査
    2. 自分で対応できない
    3. 資料がない
    4. 早めに完了したい
  4. 無申告・期限後申告の場合のデメリット及びペナルティ
    1. 無申告加算税
    2. 延滞税
    3. 資金調達
    4. 国民健康保険料、県民税、市民税、個人事業税が追加される可能性
  5. 休眠会社でも無申告・期限後申告で青色申告取消の可能性
  6. 無申告による経営への影響について
    1. 追徴等により資金ショート発生
    2. 税額控除や欠損金の扱い
  7. 休眠会社の確定申告について
    1. 休眠会社とは何か?
    2. 休眠会社の確定申告義務
    3. 休眠会社における住民税
  8. 休眠会社の場合の注意点
    1. 青色申告の承認の取消しリスク
    2. 地方税における均等割の扱い
    3. 休眠会社のみなし解散とは
  9. 無申告・期限後申告で青色申告の承認を取り消しされた場合
  10. 無申告・期限後申告で青色申告の承認を取り消しされた場合の対応
  11. 無申告・期限後申告の場合の税務調査について
  12. 無申告・期限後申告における税理士が提供するサービスとは?
  13. 一般的な確定申告における税理士の料金は?
  14. 無申告・期限後申告に対応できる税理士の料金は?
  15. 無申告・期限後申告における一般的な料金設定
    1. 売上高=年商によって料金が変わる場合
    2. 取引件数・仕訳数によって料金が変わる場合
    3. 税理士の提供サービスの範囲や内容で変わる場合
  16. 休眠会社の申告に関する税理士サービス
  17. 無申告・期限後申告における税理士の税務調査立ち会い料金は?
  18. 無申告・期限後申告を税理士へ依頼する場合の留意点
  19. 無申告・期限後申告を税理士へ依頼するメリット
    1. 税理士へ依頼することで本業に集中できる
    2. 税額の適正化
    3. 税務調査対応の依頼
  20. 無申告・期限後申告を税理士へ依頼するデメリット
  21. 無申告・期限後申告に強い税理士の見つけ方について
    1. 宮嶋公認会計士・税理士事務所
  22. 無申告に強い税理士との契約の流れ
  23. 無申告に対応できる税理士の料金に関するまとめ

無申告(期限後申告)の状態とは?

無申告の状態とは具体的にどのような状態でしょうか?個人事業主についても法人経営者についても年1回確定申告書を作成して提出する義務があります。その確定申告書に基づいて納税金額を計算し、納税金額に該当する金額を税務署へ税務署へ納める事になります。仮に確定申告書を作成しない場合もしくは提出しない場合、納税金額を算出することができませんから、未納付状態になってしまいます。この確定申告書を税務署へ提出していない状態のことを無申告状態と呼んでおります。

無申告状態を気づいていない人も多い

もともと納税義務を認識しながら確定申告書を提出していない無申告者もいる一方、意外と多いのがそもそも納税義務があることすら認識しておらず、意図しない無申告状態になっている人が多いことも事実です。例えば自宅を売却して発生した譲渡所得や、相続した場合の相続税などが挙げられます。

無申告者によくある悩み

税務調査

これまで無申告状態でも税務署による調査がこなかったが、数年以上同じ状態が続いており、そろそろくるかもしれないので不安

自分で対応できない

数年間放置してしまったのと、本業が忙しくて税務申告の対応が自力では難しい

資料がない

税務申告を自分でやろうと思ったが該当する資料が見つからない、もしくは見方がわからないので、自力で進められない

早めに完了したい

数年間無申告状態を続けてしまっており、早く無申告を解消して納税をしてしまいたい。自分でやると時間がかかるため税理士等の活用も検討したい。

無申告・期限後申告の場合のデメリット及びペナルティ

無申告状態を続けるとどのようなデメリットが発生するのでしょうか?

無申告加算税

まず考えられるのは、無申告加算税と延滞税という金銭的なペナルティです。無申告加算税は確定申告書を期限まで提出しなかったことに対するペナルティとなります。

延滞税

延滞税は、期限までに税額を納付しなかった事に対して、その発生した利息を請求されるものになります。いづれのペナルティについても追加の税額が多額になりやすいのが特徴です。

資金調達

上記以外に考えられるデメリットとしては、個人事業主についても法人経営者についても金融機関から借入を行う際に、金融機関から決算書と税務申告書(税務署提出済)を必要書類としてリクエストされることがありますが、無申告状態の場合それらを提出することができないため、場合によっては金融機関からの借入が行ない可能性もあります。

国民健康保険料、県民税、市民税、個人事業税が追加される可能性

所得税や法人税以外にも所得に連動して課されるものについては、所得税や法人税の金額が変わると追加で徴収する可能性があります。例えば住民税の一部は所得税や法人税の金額を基準に税金を計算しているため、所得税や法人税の金額が変わると、住民税の金額も変わります。

休眠会社でも無申告・期限後申告で青色申告取消の可能性

休眠会社で確定申告を行なっていないケースもあると思いますが、法人税法上は休眠会社であっても確定申告義務があるため、2期連続で無申告もしくは期限後申告の場合は青色申告の承認を取り消されるケースがあります。そうするとさまざまな優遇制度が使えなくなりデメリットが大きいです。

無申告による経営への影響について

追徴等により資金ショート発生

追徴等のペナルティを受ける場合、本来支払うべき税金も併せて納税するため、一度に多額の支出が発生します。そのため、十分な手元資金がない場合は、営業黒字にも関わらず資金ショートして会社の経営が継続できなくなるリスクがあります。

税額控除や欠損金の扱い

2期以上無申告の状態が続いている場合には青色申告の承認が取消されるため、これまで受けられていた税額控除や欠損金が活用できなくなり税負担が従来よりも重たくなります。

休眠会社の確定申告について

休眠会社とは何か?

休眠会社とは、事業活動を何も行なっておらず損益が発生しない法人をいいます。

休眠会社の確定申告義務

前述の通り、休眠会社であっても確定申告義務が発生しますので、決算期に確定申告書を作成し税務署へ提出する必要があります。なお、一般的に休眠会社は損益が発生しておらず課税所得が発生しないのが通常なので、法人税の納付が必要になることはあまりないかと思います。

休眠会社における住民税

ただし、休眠会社であっても税金の支払いが必要なものがあります。それは法人住民税の均等割です。こちらは所得に関係なく、従業員数及び資本金等の額で決まるため、赤字の会社であってもの納税が必要となります。

休眠会社の場合の注意点

青色申告の承認の取消しリスク

2期続けて無申告の状態で税務調査が行われた場合、提供していた青色申告の承認取り消しが行われます。これは休眠会社かどうかに関わらず無申告であれば取り消しが行われます。

地方税における均等割の扱い

原則は地方税の均等割についても休眠会社であったとしても支払うことになります。ただし都道府県税事務所・市区町村役場に異動届出書を提出することにより、この均等割の支払いが免除される場合がありますので、休眠会社になる場合にはぜひ一度問い合わせをしてみると良いでしょう。

休眠会社のみなし解散とは

休眠会社のみなし解散とは、12年間、役員変更登記などをしていない場合は、登記所の職権により解散させられる制度です。合計15年間放置すると、清算結了となり消滅します。

無申告・期限後申告で青色申告の承認を取り消しされた場合

無申告・期限後申告で青色申告の承認を取り消しされた場合、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?まず1つ目は、10年分繰越が可能な欠損金が繰り越せなくなることです。次に青色申告で認められている税額控除が活用できなくなることです。3つ目は、少額減価償却資産の取得価額の損金算入が使えなくなります。

無申告・期限後申告で青色申告の承認を取り消しされた場合の対応

無申告・期限後申告で青色申告の承認を取り消しされた場合、再度青色申告の承認申請はできるのでしょうか?まず取消の通知が税務署から届いてから1年間は青色申告の承認申請書を提出することはできません。その後は青色申告の承認申請書の提出が可能となります。

個人事業主の場合青色申告の承認が取り消しになると、65万円の事業所得・不動産所得の所得控除が使えなくなるので要注意です。

無申告・期限後申告の場合の税務調査について

無申告・期限後申告の場合、税務調査の最大期間が7年になります。一般的な税務調査の期間は5年となりますが、脱税や不正還付などの不正・虚偽などの不正行為を行っている場合の時効は7年となっております。

無申告・期限後申告における税理士が提供するサービスとは?

では無申告状態を解消するために税理士を活用する場合、税理士はどのようなサービスを提供するのでしょうか?まず前提として、無申告の状態であったとしても通常の確定申告であったとしても行う作業自体はほぼ同じになります。そのため、無申告に対応するサービスとしては、税務申告の作成・提出代行がサービスとして挙げられます。またそれに付随する税務相談についても税理士が提供するサービスとなります。また無申告に関連して税務調査が行われた場合、税理士が立ち会いを行うことも税理士サービスの1つとなります。

上記のサービスは通常の確定申告についても同様となりますが、無申告の場合は帳簿の作成が長期行われていなかったり、経営者が取引の内容を失念していたりと通常の確定申告とは異なり特殊な事案が多くなるため、難易度が上がる事になります。

一般的な確定申告における税理士の料金は?

一般的な確定申告をお願いする場合(無申告でない場合)はどれぐらいの料金になるのでしょうか?年商規模によっても変わってきますが、個人事業主でおよそ30万円〜(月額顧問料等入れての料金)、法人でおよそ40万円〜が目安になると思います。

無申告・期限後申告に対応できる税理士の料金は?

無申告に対応できる税理士の料金はどれぐらいでしょうか?まず、無申告についてはすでに期限が到来しているため、通常の税務顧問と異なり早速作業に取り掛かることが可能です。そのため、スポット料金として税理士からサービス料を請求されることが多いでしょう。具体的にどのような料金が多いでしょうか?

まず無申告の場合は、無申告の年度ごとに料金を請求されることが多いです。3期分無申告を依頼する場合には料金×3年分が請求される事になります。では1年ごとにどれぐらいの料金を取られることが多いでしょうか?まず、税理士の料金体系として顧客の年商規模に応じて料金が増減することが一般的です。当然、年商が大きくなればなるほど料金はそれに応じて増加する事になります。この背景としては、年商が大きくなるとそれだけ取引量が多くなり税務に関する論点が増えることが一般的です。そのため料金も増えるという仕組みです。

一番小さい年商の場合、無申告に対応する1期分の料金は概ね20万円前後になることが多いでしょう。10万円を切るような料金設定もありますが、例えば帳簿作成や決算書の作成は顧客で行う前提になっていたり、申告書の対象に消費税が含まれていなかったりと限定されたサービスで価格が安くなっているパターンが多いです。そのため、無申告の方が一般的に対応が必要なものを含めると20万前後に最低でもなることが想定されます。

また、対象となる税務申告書は個人の場合は所得税の確定申告書、法人の場合は法人税の確定申告書となります。これに年商が一定規模以上もしくはインボイス登録事業者の場合は消費税の確定申告書を提出する必要があります。上記の20万円はこの範囲を想定していますが、上記以外に例えば法定調書などその他必要な書類を作成する必要がある場合には料金が加算されますし、税務調査の立ち会いが必要な場合にもさらに料金が加算される事になります。

無申告・期限後申告における一般的な料金設定

売上高=年商によって料金が変わる場合

税理士の無申告・期限後申告について、一般的なのは売上高によって料金が変わる場合です。売上高は取引ボリュームや申告の難易度を見る一つの指標であり、多くの税理士事務所が採用している基準です。

取引件数・仕訳数によって料金が変わる場合

売上高に近いですが、取引件数や仕訳数によって料金が変わる場合もあります。こちらは例えば記帳代行を依頼する場合の料金設定になることが多いです。

税理士の提供サービスの範囲や内容で変わる場合

税理士の料金は工数によって大きく変動するため、サービス内容が変わると料金も変わります。特に確定申告以外にも年末調整や償却資産税なども対応すると、当然料金は高くなります。

休眠会社の申告に関する税理士サービス

休眠会社状態の会社に対しても、確定申告について税理士のサービスが活用できます。休眠会社で申告をおこなっていない場合には、通常の会社と同じく無申告状態でありますので、税理士のサービス料金としては同じ料金体系が適用されることになります。

無申告・期限後申告における税理士の税務調査立ち会い料金は?

無申告の場合、特に課税所得があると税務調査の可能性が高まると言って良いでしょう(赤字続きの場合でも源泉徴収税の未納付分が多額になる場合は税務調査の可能性は十分あります)。その場合、税理士には確定申告書の対応のみならず税務調査の対応までお願いをしたいところです。では税理士へ無申告状態の税務調査を立ち会いを依頼する場合どれぐらいの料金がかかるのでしょうか?

一般的な確定申告書の税務調査については、1日あたり50,000円(これに加えて、別途日当と交通費等が請求されることになります)からが多いと思います。一方で無申告状態の税務調査については対応する内容が複雑になることが予想されるため、1日あたり100,000円になることが多いかと思います。

無申告・期限後申告を税理士へ依頼する場合の留意点

税理士へ依頼する場合には、どのようなサービス範囲かについて確認するようにしましょう。期限後申告にも所得税や確定申告以外にも、消費税等の申告も必要かどうか検討が必要です。また税務顧問をセットにすることで期限後申告を受け入れてくれるパターンもありますので、どのような場合に期限後申告を受け入れてくれるかは事前に確認が必要です。

無申告・期限後申告を税理士へ依頼するメリット

無申告・期限後申告を税理士へ依頼するメリットとして以下が考えられます。

税理士へ依頼することで本業に集中できる

本来、専門家ではない税の対応を行うよりも本業を伸ばすことに時間を使うことで、より利益を伸ばせる可能性があります。増えた利益から税理士費用を賄えば、結果として税理士へ依頼をした方が得するわけです。

税額の適正化

申告にあたって適切な知識を持っていないと、支払わなくてよい税金を支払う可能性があります。正しい知識に基づいて申告することで、このような無駄を排除することができます。

税務調査対応の依頼

税務調査についても前述の通り、税理士へ立会という形で依頼することができます。税務調査においては調査官と経営者では知識の格差があるので、税理士がいることでスムーズにコミュニケーションをとることが可能です。

無申告・期限後申告を税理士へ依頼するデメリット

無申告・期限後申告を税理士へ依頼するデメリットは1つだけで、コストの面です。当然税理士へ依頼する場合に追加料金がかかってしまうので、一円も支払いたくない人にとっては現実的に自力で税金への対応を行うしかありません。

無申告・期限後申告に強い税理士の見つけ方について

無申告に強い税理士はどのように見つければ良いのでしょうか?おすすめの探し方としてはインターネットから無申告に強い税理士を探す方法です。無申告の税理士に関連したキーワードで検索すれば、数は多くはないものの実績や特徴含めて自分に合った税理士を探すことが可能となります。選択肢を増やすという意味では、例えば近隣に拘らず全国から対応できる税理士を探すのも一つの手となります。税務調査対応踏まえると近くの税理士が良いという方については不向きですが、税務調査は出張ベースで全国対応もできますし、オンラインの設備が最近はだいぶ整っていますので、対面をしなくても大半のサービスは対面と同じレベルで実施することが可能です。

宮嶋公認会計士・税理士事務所

ちなみに当事務所である宮嶋公認会計士・税理士事務所についても無申告に強みを持ったサービス提供が可能です。特に当事務所では、外資系の経営コンサルティング経験を活かして財務・税務面だけでなく経営やビジネスの面からアドバイスが提供できることを強みとしております。またデジタル企業の役員経験からDXなどのIT活用についても深い知見を持っており、事業を行う上で効率化のアドバイスを提供することも可能だと考えております。初回相談無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

無申告に強い税理士を検討される場合は、「無申告を解消したい人必見 – 無申告に強い税理士が対応」の記事もご参考ください。

無申告に強い税理士との契約の流れ

税理士と契約する際の一般的流れですが、まず気になる税理士とオンラインもしくは対面にて面談をして、サービスの内容や相性をチェックします。一般的には一人の税理士というよりは複数の税理士と会うことで比較検討していきます。自身に合った税理士が見つけられたら、税理士との契約に進みます。税理士側から契約書が提示されますので、内容に問題がなければ契約締結となります。契約締結後は、税理士の方から資料の依頼や質問等が行われサービス提供が開始されます。

無申告に対応できる税理士の料金に関するまとめ

以上のように無申告に対応できる税理士の料金ついて解説をしてまいりました。無申告状態を1日も早く解消する目的で、まずは税理士へ気軽に相談をしてみることをおすすめいたします。

税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
この記事の作成者

宮嶋 直  公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。