この記事では、確定申告や決算申告が未了である無申告の方々へ、そもそも無申告であることによってどのようなデメリットがあり、税理士へ依頼をするメリットとは何か、無申告にまつわる情報を集約してお届けを致します。本記事を閲覧することで、
・無申告とは何か?
・無申告によるペナルティ
・無申告でよく発生する悩みの解決
・税理士へ依頼することへのメリット
上記のようなことが理解できるようになります。
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無申告解消は税理士へ相談すべき|現役税理士が解説
無申告とは
無申告とは、確定申告義務のある個人もしくは法人が、確定申告期限が到来しているに関わらず、確定申告書を税務署へ提出していない状態を言います。確定申告の紀元後に確定申告書を提出するのは無申告ではなく期限後申告と言います。
法人だけでなく、フリーランスなどの個人事業主の方についても確定申告書を提出していない場合、無申告の状態となりますので留意しなければなりません。また、事業から収入を得ている所謂事業所得者以外にも副業をおこなっているサラリーマンの方や、複数の勤務先から給与をもらっている方なども対象になってくるため、実は確定申告義務者であるにも関わらず、確定申告期限までに提出していなくて無申告になっているケースもあると考えられます。
なお、次の項目でも説明いたしますが、無申告についてご本人に無申告になる意図があったかどうかに関わらず、無申告の状態として扱われてしまい、結果としてペナルティを受けることになりますので、ご留意ください。
無申告によるペナルティ
無申告によるペナルティの種類
無申告についてどのようなペナルティが発生するのでしょうか?ペナルティの種類としては、主に以下のものが挙げられます。
・無申告加算税
・延滞税
・重加算税
以下、それぞれについて解説してきます。
無申告における無申告加算税について
このペナルティは、確定申告書が期限を過ぎているにも関わらず税務署へ提出しなかった個人及び法人(つまり無申告状態の方)に対して課させるものです。
無申告加算税は、納税者が支払うべき税額に加えてペナルティとして支払うべきもので、納付すべき税額が50万円までの部分については、納付すべき税額の15%、50万円を超える部分については納付すべき税額の20%がそれぞれ加算れることになります。
なお、税務署の調査を受ける前に自主的に確定申告書を提出した場合は、無申告加算税が5%に減額となります。確定申告の期限後だったとしても自主的に確定申告書を提出することで、無申告に対するペナルティの金額が大きく変わることになります。
無申告における延滞税について
このペナルティは、確定申告書の提出期限が経過していることについて、その経過日数分に対して支払う、所謂利子のようなペナルティになります。このペナルティについても個人と法人の両方が対象となります。
延滞税は納付期限の翌日から発生します。
・納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」の いずれか低い割合
・納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合
なお特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1パーセントの割合を加算した割合をいいます。
無申告加算税に意識が行きがちなので、延滞税のことを失念することも多いですが、納付すべき税額が大きい場合には延滞税によるペナルティの金額も大きくなるので注意が必要です。
無申告における重加算税について
このペナルティは、無申告状態について、事実の隠蔽・仮装を図ったと税務署から認定されてしまった場合に課されるものになります。
重加算税はペナルティとしてはかなり厳しいもので、無申告の場合、支払うべき税額の40%がペナルティとして課されることになります。また、5年以内に重加算税に値する悪質な脱税行為が繰り返された場合、さらに10%加算されることになるため、極めて厳しい措置が講じられることになります。
無申告はリカバリー可能なのか?
無申告はそもそもリカバリー可能なものなのでしょうか?答えは「YES」です。すでに記述したペナルティを受けるということは考慮する必要がありますが、確定申告期限後でも過去複数年の無申告分の確定申告書作成し、提出することが可能となっております。
開業依頼無申告状態に関する法人の調査について
法人は法人番号が設立時に付与されます。国税庁の検索システムを使うことで、簡単に法人名と法人番号を調べることが可能となります。そのため、税務署としては法人が法人の確定申告を行なっているかどうかのステータスは把握できることになりますので、納税額があるにも関わらず法人の確定申告を行なっていない法人については要注意が必要となります。
税務調査のタイミングについて
税務調査は、税額が取れる法人もしくは個人事業主に対してきますので、そもそも税額が取れない先に来る可能性はほとんどないと言って良いでしょう。一方で、赤字だからと言って税務調査がこないわけではありません。従業員へ給料を支払っている場合は源泉徴収税の未納も想定されるため、その金額が多額になりそうな場合は当然対象となる可能性があります。
無申告に対応できる税理士とは
無申告の場合で税理士へ過去無申告分の確定申告を依頼する場合について、ここでは説明いたします。
無申告の場合、過去数年にわたって申告するケースや、領収書などの証拠書類がないようなケースもあると思いますので、通常の確定申告業務よりも時間がかかるケースがあります。よって、税理士によっては無申告は受託しないというケースもあります。
一方で無申告の方も対応可能をサービスの一つとして提供している税理士もいるので、このようなサービスを持っている税理士に問い合わせるのが良いでしょう。具体的に税理士が提供するサービスとしては、無申告になっている確定申告業務、及びそれに関する税務相談。そして税務調査がきた場合の税務調査対応となります。
無申告を税理士へ依頼することのメリット
ストレスの軽減
無申告状態であることにストレスを感じている方もいらっしゃると思いますが、税理士へ依頼することでストレスを軽減することが可能です。
税金のペナルティを減らす可能性がある
ご自身で税務調査対応をする場合は、調査官とコミュニケーションがスムーズに行うことができず、結果として税理士が介在するよりも高いペナルティを受ける可能性があります。
資金調達・融資を受けることが可能
資金調達や融資を受ける場合、過去の確定申告書等が必要になりますが、無申告の場合はこれを準備することができないため、無申告を解消することで資金調達・融資へチャレンジすることが可能です。
無申告に強い税理士へ依頼するメリット
無申告の状態という事実は変わりませんが、無申告に強い税理士がサポートすることで、放置していた状態では発生してしまう重たいペナルティなどを避けることが可能になりますので、素人の意見を鵜呑みにするのではなく、プロに相談することをおすすめ致します。
無申告に強い税理士にはどのようなサービス体系があるのか?
確定申告
無申告期間の確定申告を作成し、提出するサービスです。税理士の基本的なサービスと言っても良いでしょう。
記帳代行・決算書作成
確定申告書の前提となる帳簿の作成や決算書を作成するサービスです。経営者御自身で作成することも可能ですが、一般的には税理士へ依頼した方が効率的と言って良いでしょう。
税務調査の立会
税務署の税務調査がきた際に税理士が立ち会うサービスです。税理士が経営者と調査官の間に介在することでコミュニケーションをスムーズにします。
無申告で税理士を選ぶ際のポイント
無申告に対応できる税理士の選び方として以下のようなポイントがあると思います。
税務申告、決算申告をまとめて対応してくれるか?
過去2年までなら対応可能など、期間に限定がついている場合、複数年度無申告の方だと対応ができません。よって過去数年でも対応可能な税理士を選ぶのが良いでしょう
確定申告、決算申告を丸ごと依頼できるか?
過去複数年度の無申告となると、ご自身で記帳から申告まで対応するのは相当難しいことが想定されます。これを丸ごと記帳からお願いできる税理士に依頼をした方が間違えもなくなりますし、ご自身の本業に集中することができるので効率的と言えるでしょう
スピーディーに申告対応してくれるか?
しっかりとスケジュールを伝えてくれる税理士が良いでしょう。無申告状態がいつ解消されるかわからない状態だと不安だと思いますので、大まかな申告期限を示してもらえる税理士を選んだ方が安心かと思います。
無申告の税務調査に対応できるか?
無申告だった場合の税務調査にも対応できる税理士が良いと思います。必ず税務調査が来るわけではないですが、税務調査が来た場合でもお願いができるように、対応可能な税理士を選んだ方が効率的だと思います。
初回相談料無料かどうか?
多くの税理士は初回相談料は無料にしていることが多いかと思いますが、お互いの相性の問題はあると思うので、まずはお互い合うかどうかを見極めるために無料相談で会話をした方が良いかと思います。
精神的ストレスを軽減してくれるかどうか?
カウンセラーではないので、精神的な悩みを相談する相手ではありませんが、とはいえ無申告状態は不安なものだと思います。その不安を払拭できるようなアドバイスや方針を提案してくれる税理士であれば、結果として精神的ストレスが軽減され本業に集中できると思いますので、面談でその観点からも相性を見た方が良いかと思います。
無申告対応の実績があるかどうか?
論より証拠ということで、無申告の実績がないよりはある税理士の方が頼りになるかと思います。やはり無申告ならではの論点も存在するため、経験がある税理士を選ばれるのが良いかと思います。
無申告に強い税理士を選ぶべきか?
すでに記載の通り、相性が最も重要だと思いますので、特化しておりかつ相性が良ければその税理士を選ぶのが良いと思います。得意不得意は税理士でもありますが、基本的には税務のプロフェッショナルなので、基本的なクオリティには問題ないかと思います。例えば無申告でかつ税務調査に特化していたり、成功報酬型で対応を行う税理士もおりますので、この辺りは様々な税理士に話を聞いて相性を見ながら選択していくのが良いかと思います。顧問契約不要で税務調査のみでの対応をしてくれる税理士もいますので、そのようなサービスの無料相談でまずは話を聞いてみるのも良いでしょう。
無申告で税理士へ依頼する際に料金
確定申告の作成代行
確定申告については、その対応する年分に1年ごとの料金を乗じて計算することが一般的です。3年分であれば、1年分の料金を×3年して計算することになります。1年ごとの料金は、その事業の年商や業種によって異なってきますが、一般的には1年分で数十万円、複数年ですと100万円に達する場合もあるでしょう。
記帳代行・決算書作成
こちらも基本的な考え方は確定申告の作成代行と同じです。料金も確定申告の作成代行と同水準ぐらいになることが想定されます。確定申告の作成代行で50万円程度になる場合は、記帳代行・決算書作成も50万円程度で、合計して100万円と考えれば良いでしょう。
税務調査の立会
税務調査の立会は、1日ごとに課金されていくのが一般的です。1日ごとの立会料金に別途交通費や日当・宿泊費を請求されます。1日の立会料金ですが、一般的には数万円の後半から10万円の前半代となるでしょう。そのため複数日調査が続く場合は数十万円となります。
無申告に強い税理士との契約の流れ
①税理士との面談・見積
まずは気になる税理士へ直接問い合わせを行い、初回の面談と報酬の見積を依頼することが一般的です。
②税理士との契約
税理士との相性及び報酬水準が合致したら、税理士から契約書をもらいます。内容に問題なければサービス開始です。
③税理士へデータや書類の送付
税理士から依頼を受けた必要なデータや書類を一式送付します。
④帳簿及び決算書の作成
帳簿や決算書の作成を依頼している場合は、税理士からその最終版が送られてきますので、内容を見て相違ないことを確認します。
⑤確定申告書の提出と納付
税理士の方で確定申告書を提出してくれ、納付書も作成してくれますので、それに従って税金を納付することになります。
無申告解消は税理士へ相談すべき|現役税理士が解説 まとめ
以上、無申告についてその基本と税理士を活用するメリット、料金体系などを説明してきました。無申告状態を放置することは今よりも状況をさらに悪化させることになり、かつご自身で対応する場合も相当な時間と労力を費やすことになるため、なるべく早めに税理士へ依頼を行い、無申告状態を解消されることをおすすめ致します。
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この記事の作成者
宮嶋 直 公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。