税理士へスポット相談するメリットは?費用相場含め徹底解説

税務

税金に関する悩みは、事業を行っている経営者や個人事業主だけでなく、遺産相続や不動産売却などに直面した個人の方にとっても避けては通れない重要な課題です。日本の税制は極めて複雑であり、毎年のように改正が行われるため、専門知識を持たない一般の方がすべてを正確に把握することは困難を極めます。そのような状況下で頼りになるのが税務のスペシャリストである税理士ですが、多くの人は「税理士に依頼する=毎月高い顧問料を支払って契約する」というイメージを持っているのではないでしょうか。

実は、税理士の利用方法は顧問契約だけではありません。必要な時だけ単発で相談に乗ってもらう「スポット相談」という活用方法が存在します。このスポット相談を上手に活用することで、コストを抑えながらプロフェッショナルなアドバイスを受けることが可能となります。本記事では、税理士へのスポット相談について、その仕組みからメリットやデメリット、具体的な費用相場、そして信頼できる税理士の選び方までを網羅的に徹底解説します。

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税理士へスポット相談するメリットは?費用相場含め徹底解説

  1. 税理士の提供するサービス
  2. 税理士のスポット相談とは?
  3. 顧問契約とスポット相談との違い
  4. 税理士へスポット相談するメリットとは?
    1. 固定費を削減できる
    2. 専門分野に特化したアドバイスが得られる
    3. セカンドオピニオンとして利用できる
    4. 税理士との相性を確認できる
    5. 突発的なトラブルに迅速に対応できる
  5. 税理士へスポット相談するデメリットとは?
    1. 深い理解に基づいた提案が難しい
    2. 毎回事情説明をする手間がかかる
    3. 繁忙期には断られる可能性がある
    4. 継続的なフォローがない
    5. 割高になるケースがある
  6. 税理士へスポット相談する際の費用相場
    1. 時間単位の相談料
    2. 個人の確定申告(単発依頼)
    3. 法人の決算申告(年一決算)
    4. 相続税の申告
    5. 税務調査の立ち会い
    6. その他(届出書作成、契約書チェックなど)
  7. スポット相談できる税理士の探し方
    1. インターネット検索
    2. 税理士紹介サイト(マッチングサービス)
    3. 地域の税理士会や商工会議所
    4. 知人からの紹介
    5. クラウドソーシングやスキルシェアサービス
  8. スポット相談できる税理士を選ぶ際のポイント
    1. 相談したい分野の専門性や実績があるか
    2. コミュニケーション能力と説明の分かりやすさ
    3. 料金体系が明瞭か
    4. ITツールへの対応度
    5. レスポンスの速さ
  9. どのような人が税理士へスポット相談を依頼した方が良いか?
    1. 創業したばかりで資金に余裕がない人
    2. 自力で申告しようとしたが挫折した人
    3. 不動産の売却や相続など単発のイベントが発生した人
    4. 顧問税理士以外の意見を聞きたい人(セカンドオピニオン)
    5. 副業の収入が増えてきた会社員
  10. 税理士へスポット相談する際によくある質問の例と回答
    1. Q. 相談に行く際に準備するものは何ですか?
    2. Q. オンライン(Zoomなど)でも相談できますか?
    3. Q. 相談した内容は秘密厳守されますか?
    4. Q. 契約を迫られたりしませんか?
  11. まとめ

税理士の提供するサービス

税理士へ相談する前に、まずは税理士がどのような業務を行っているのか、その職務範囲と提供サービスについて正しく理解しておく必要があります。税理士の業務は法律によって厳格に定められており、大きく分けて「独占業務」と「それ以外の付随業務」に分類されます。

まず、税理士法によって税理士の資格を持つ者だけが行うことを許されている「独占業務」には三つの柱があります。一つ目は「税務代理」です。これは納税者に代わって税務署への申告や申請を行うことです。確定申告書の提出はもちろんのこと、青色申告の承認申請や、税務調査が入った際の立ち会いなどもこれに含まれます。税務代理は、納税者本人が行うべき手続きを専門家が代行することで、適正な納税を実現するための重要な業務です。

二つ目は「税務書類の作成」です。税務署に提出する確定申告書、相続税申告書、法人税申告書、その他各種届出書などを、納税者に代わって作成する業務です。税務書類は専門的な知識がないと作成が難しく、記載ミスがあると追徴課税などのペナルティを受けるリスクがあります。税理士が作成することで、正確性が担保された書類を提出することができます。

三つ目は「税務相談」です。これは、個別の具体的な事例に基づき、税額の計算や税務上の取り扱いについて相談に応じる業務です。例えば「私が持っているこの土地を売ったらいくら税金がかかるのか」「今年度の利益がこれくらい出そうだが、どのような節税対策が可能か」といった具体的な相談は、税理士資格を持たない者が行うと法律違反となります。一般的な税法の解説であればファイナンシャルプランナーなども行えますが、個別のケースに対する具体的な判断や計算を伴う相談は税理士の専権事項です。

これらの独占業務に加えて、税理士は会計業務のサポートや経営コンサルティングなども行っています。日々の記帳代行、決算書の作成支援、会計ソフトの導入サポート、さらには資金調達のための事業計画書作成支援や、経営分析に基づくアドバイスなど、企業の成長を支援するための多様なサービスを提供しています。スポット相談においては、これらの業務の中から、依頼者が抱える特定の課題解決に必要な部分だけを切り出して提供することになります。

税理士のスポット相談とは?

税理士のスポット相談とは、継続的な顧問契約を結ぶことなく、特定の案件や悩み事について単発で税理士に相談したり、業務を依頼したりするサービスのことです。病院に例えるならば、顧問契約がかかりつけ医による定期検診や健康管理であるのに対し、スポット相談は怪我をした時や急な病気にかかった時だけ外来を受診するようなものです。

スポット相談で扱われる内容は多岐にわたります。個人の場合であれば、住宅を購入した際の住宅ローン控除の手続き、不動産を売却した際の譲渡所得の申告、親族が亡くなった際の相続税の申告や生前贈与の相談などが代表的です。また、副業で収入を得ているサラリーマンが確定申告の方法を相談したり、暗号資産(仮想通貨)で利益が出た場合の税金計算を依頼したりするケースも増えています。

法人の場合であれば、決算申告のみを依頼する「年一決算」、税務調査が入った際の立ち会い依頼、組織再編やM&Aに関する高度な税務判断、事業承継に関する相談などがスポット相談として利用されます。また、すでに顧問税理士がいる場合でも、セカンドオピニオンとして別の税理士の意見を聞きたいというニーズでスポット相談が利用されることもあります。

スポット相談の形式は、対面での面談だけでなく、電話、メール、Zoomなどのオンライン会議ツールを利用したものなど様々です。時間単位で料金が設定されているケースや、案件ごとにパッケージ料金が設定されているケースなど、事務所によって料金体系も異なります。重要なのは「必要な時に、必要な分だけ」専門家の知見を借りることができるという点です。これにより、納税者は固定費を抑えつつ、税務リスクを回避し、適切な意思決定を行うことが可能となります。

顧問契約とスポット相談との違い

税理士との付き合い方には大きく分けて「顧問契約」と「スポット相談」の二つがありますが、両者の違いを明確に理解しておくことは、自社や自身の状況に合った選択をする上で非常に重要です。

顧問契約は、毎月あるいは数ヶ月に一度の定額料金(顧問料)を支払い、継続的に税理士のサポートを受ける形態です。顧問契約の最大の特徴は、税理士が依頼者の事業内容や財務状況、過去の経緯などを深く理解しているという点にあります。継続的な関係があるため、日々の些細な疑問を気軽に相談できたり、決算前に利益予測を行って節税対策を提案してもらったりといった「能動的なサポート」を受けることが期待できます。また、税務署からの問い合わせや税務調査に対しても、事情を熟知した税理士が迅速に対応してくれるという安心感があります。一方で、毎月のランニングコストが発生するため、事業規模が小さい場合や取引数が少ない場合には、費用負担が重く感じられることがあります。

これに対してスポット相談は、特定の問題が発生した時だけ依頼する形態です。最大の違いは、税理士との関係性が「一時的」であることです。スポット相談の場合、税理士は相談を受ける時点での情報しか持ち合わせていません。そのため、依頼者は相談のたびに自社の状況や背景を一から説明する必要があります。また、税理士側も継続的な関与がないため、将来を見据えた長期的な節税提案などは難しく、あくまで「今ある課題」に対する解決策の提示に留まることが一般的です。

費用面での違いも顕著です。顧問契約は固定費として毎月費用が発生しますが、トータルで見れば決算料などが割安に設定されているケースも多いです。一方、スポット相談は利用した分だけの支払いとなるため、相談頻度が低ければトータルの費用は安く抑えられます。ただし、時間単価や単発業務の単価としては、顧問契約内で行う場合よりも割高に設定されていることが一般的です。

責任の範囲についても違いがあります。顧問契約では、日々の会計処理から申告までの一連の流れに対して税理士が一定の責任を負いますが、スポット相談では、提供された情報に基づいた限定的なアドバイスに対する責任となります。もし依頼者が重要な情報を伝え忘れていた場合、適切なアドバイスができなくても税理士の責任を問うことは難しくなります。

税理士へスポット相談するメリットとは?

税理士へスポット相談を依頼することには、多くのメリットがあります。特にコストパフォーマンスや柔軟性の面で、顧問契約にはない利点があります。

固定費を削減できる

最大のメリットは、毎月の顧問料という固定費が発生しないことです。創業間もない時期や売上が安定していない時期、あるいは取引数が少なく毎月のチェックが必要ない事業者にとっては、必要な時だけ費用を支払うスポット相談は非常に経済的です。無駄な出費を抑え、浮いた資金を事業投資に回すことができます。

専門分野に特化したアドバイスが得られる

税理士にも得意分野があります。法人税に強い税理士、相続税に特化した税理士、国際税務に詳しい税理士など様々です。顧問契約をしている税理士が必ずしもすべての分野に精通しているとは限りません。例えば、普段の顧問税理士は法人税務には強いが、海外取引については経験が浅いという場合、その分野に強い別の税理士にスポットで相談することで、より高度で的確なアドバイスを受けることができます。このように、案件ごとに最適な専門家を選べるのはスポット相談の大きな強みです。

セカンドオピニオンとして利用できる

すでに顧問税理士がいる場合でも、そのアドバイスに疑問を感じたり、別の視点からの意見を聞きたかったりすることがあるでしょう。そのような時に、別の税理士にスポット相談を依頼することで、セカンドオピニオンを得ることができます。複数の専門家の意見を聞くことで、より納得感のある意思決定が可能となり、リスクを軽減することができます。現在の顧問税理士との関係を維持したまま、客観的な意見を取り入れられるのは大きなメリットです。

税理士との相性を確認できる

将来的に顧問契約を検討している場合、いきなり契約を結ぶのではなく、まずはスポット相談を利用してお試し期間とすることも可能です。実際に相談してみることで、税理士の知識レベルや説明の分かりやすさ、レスポンスの速さ、そして人間的な相性を確認することができます。ホームページや口コミだけでは分からない実際の対応力を肌で感じることができるため、ミスマッチを防ぐ有効な手段となります。

突発的なトラブルに迅速に対応できる

税務調査の連絡が突然来たり、予期せぬ相続が発生したりといった緊急事態において、すぐに専門家の助けを借りることができます。自分一人で抱え込んで対応を誤ると、後で取り返しのつかない事態になることもありますが、スポットですぐにプロのアドバイスを受けることで、冷静かつ適切な対応が可能になります。

税理士へスポット相談するデメリットとは?

メリットが多い一方で、スポット相談にはデメリットや注意点も存在します。これらを理解した上で利用しなければ、期待した成果が得られない可能性があります。

深い理解に基づいた提案が難しい

スポット相談では、税理士は限られた時間と情報の中でアドバイスを行わなければなりません。顧問税理士のように日々の取引や経営者の考え方、会社の歴史などを深く理解しているわけではないため、表面的な解決策に留まってしまうリスクがあります。長期的な視点に立った節税対策や経営アドバイスを期待するのは難しく、あくまで「点」での解決策提示となります。

毎回事情説明をする手間がかかる

相談のたびに異なる税理士に依頼する場合や、同じ税理士であっても期間が空いている場合は、その都度、事業の概要やこれまでの経緯、現状の課題などを一から説明しなければなりません。この説明に時間が取られ、肝心の相談時間が短くなってしまったり、説明不足によって的確な回答が得られなかったりする可能性があります。資料の準備など、相談前の準備負担も大きくなりがちです。

繁忙期には断られる可能性がある

税理士業界には明確な繁忙期があります。特に個人の確定申告時期である2月から3月中旬、法人の決算が集中する5月などは、どの税理士事務所も非常に多忙です。この時期に急にスポット相談を申し込んでも、リソース不足を理由に断られる可能性が高くなります。また、対応してもらえたとしても、通常よりも高い料金が設定されたり、回答までに時間がかかったりすることがあります。必要な時にすぐに相談できないリスクがあることは覚えておくべきでしょう。

継続的なフォローがない

スポット相談は、相談が終わればそこで業務完了となります。その後、税制改正があって以前のアドバイスが適用できなくなったり、状況が変化して新たな対応が必要になったりしても、税理士から能動的に連絡が来ることはありません。常に自分自身で情報をキャッチアップし、必要に応じて再度相談を申し込む必要があります。継続的な見守りがないため、申告期限の失念などのリスク管理は自己責任となります。

割高になるケースがある

単発で見れば安いスポット相談ですが、相談回数が頻繁になったり、依頼する業務が複雑で工数がかかったりする場合、結果的に顧問契約を結んでいた方が安かったというケースもあり得ます。時間単価で計算すると顧問契約よりも高めに設定されていることが多いため、利用頻度によってはコストパフォーマンスが悪化します。

税理士へスポット相談する際の費用相場

税理士へのスポット相談費用は、相談内容や形式、依頼する事務所によって異なりますが、一般的な相場感を知っておくことで適正価格での依頼が可能になります。ここでは主要なケースごとの相場を解説します。

時間単位の相談料

最も一般的なのが、時間単位で相談料を設定しているケースです。対面、電話、オンラインを問わず、30分あたり5,000円〜1万円1時間あたり1万円〜3万円程度が相場です。内容の難易度や税理士の経験年数によって変動します。初回相談に限り無料としている事務所も多いですが、その場合は一般的な回答に留まり、具体的な計算や判断は有料となるケースがほとんどです。

個人の確定申告(単発依頼)

領収書の整理から申告書の作成・提出までを丸投げする場合、白色申告で5万円〜10万円青色申告で10万円〜20万円程度が相場です。事業所得だけでなく、不動産売却益や譲渡所得がある場合は内容が複雑になるため、別途5万円〜10万円程度の加算料金が発生することがあります。また、仮想通貨の計算などは非常に手間がかかるため、さらに高額になる傾向があります。

法人の決算申告(年一決算)

日々の記帳は自社で行っており、決算書の作成と法人税申告書の作成・提出のみを依頼する場合、15万円〜30万円程度が相場です。記帳代行まで含める場合は、取引量に応じて追加費用がかかり、20万円〜50万円程度になることもあります。売上規模が大きい場合は、責任の重さやチェック項目の多さから料金が上がります。

相続税の申告

相続税の申告は非常に専門性が高く、財産の評価に手間がかかるため、報酬も高額になります。一般的には**遺産総額の0.5%〜1.0%**が相場と言われています。例えば遺産総額が1億円の場合、50万円〜100万円程度の報酬となります。財産の中に評価の難しい土地が多い場合や、相続人の間で争いがある場合、申告期限が迫っている場合などは加算料金が発生します。

税務調査の立ち会い

税務調査が入った際の立ち会いをスポットで依頼する場合、日当として1日あたり3万円〜6万円程度が相場です。これに加え、事前の打ち合わせ費用や、修正申告が必要になった場合の書類作成費用(10万円〜)が別途かかることが一般的です。また、調査の結果、追徴税額を減額できた場合に成功報酬を請求する事務所もあります。

その他(届出書作成、契約書チェックなど)

簡単な届出書の作成であれば1万円〜3万円、契約書の税務リスクチェックなどは内容に応じて3万円〜10万円程度となります。

スポット相談できる税理士の探し方

スポット相談に対応してくれる税理士を見つけるには、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法で探すことが大切です。

インターネット検索

Googleなどの検索エンジンで「地域名 + 税理士 + スポット相談」「確定申告 + 単発 + 税理士」などのキーワードで検索する方法です。多くの税理士事務所がホームページを持っており、サービス内容や料金体系を公開しています。事務所の雰囲気や得意分野、代表者のプロフィールなどを事前に確認できるのがメリットです。ただし、情報量が多すぎて選ぶのが難しい場合もあります。

税理士紹介サイト(マッチングサービス)

「税理士ドットコム」や「ミツモア」などの紹介サイトを利用する方法です。希望する条件(地域、予算、相談内容など)を入力すると、条件に合った税理士を複数紹介してくれます。自分で一から探す手間が省け、複数の税理士から見積もりを取って比較検討できるのが大きなメリットです。紹介サイト経由であれば、スポット対応可能な税理士に絞って探すことができます。

地域の税理士会や商工会議所

各都道府県の税理士会や地域の商工会議所では、定期的に無料の税務相談会を開催しています。そこで相談に乗ってくれた税理士が信頼できそうであれば、そのまま個別に有料のスポット依頼を申し込むことも可能です。公的な機関が関わっているため安心感がありますが、担当の税理士を自分で選べない(当番制など)というデメリットがあります。

知人からの紹介

実際に税理士を利用している知人や経営者仲間から紹介してもらう方法です。信頼できる人からの紹介であれば、税理士の質や人柄について事前にある程度の保証が得られます。ただし、紹介された税理士がスポット相談に対応しているとは限らず、また相性が合わなかった場合に断りづらいという側面もあります。

クラウドソーシングやスキルシェアサービス

「ココナラ」や「ランサーズ」などのスキルシェアサービスでも、税理士が相談サービスを出品していることがあります。チャット形式での軽微な相談や、安価な料金設定のサービスが見つかりやすいのが特徴です。ただし、相手が本当に税理士資格を持っているか(ニセ税理士でないか)の確認は慎重に行う必要があります。

スポット相談できる税理士を選ぶ際のポイント

スポット相談を有意義なものにするためには、適切な税理士を選ぶことが重要です。単に料金が安いというだけで選ぶと、期待外れの結果に終わることもあります。以下のポイントをチェックしましょう。

相談したい分野の専門性や実績があるか

税理士の業務範囲は広いため、すべての税理士がすべての分野に精通しているわけではありません。法人税が得意な税理士、相続税専門の税理士、IT業界に強い税理士、飲食業に詳しい税理士など、得意分野は様々です。自分が相談したい内容に関する実績が豊富かどうかを、ホームページや事前の問い合わせで確認しましょう。例えば、相続の相談をするなら「相続税申告件数年間〇〇件」といった実績を明示している事務所を選ぶべきです。

コミュニケーション能力と説明の分かりやすさ

専門用語を並べ立てるのではなく、素人にも分かる言葉で丁寧に説明してくれる税理士を選ぶことが大切です。特にスポット相談では時間が限られているため、こちらの意図を汲み取り、要点を的確に伝えてくれるコミュニケーション能力が求められます。初回相談や問い合わせ時の対応で、話しやすさや親切さを確認しましょう。

料金体系が明瞭か

後々のトラブルを防ぐために、料金体系が明確であることは必須条件です。「相談料はいくらか」「作業が発生した場合の追加料金はどうなるか」「見積もりに含まれない費用はあるか」などを事前に提示してくれる事務所を選びましょう。ホームページに料金表が掲載されているかどうかも一つの目安になります。曖昧な見積もりしか出さない事務所は避けた方が無難です。

ITツールへの対応度

Zoomやチャットツール、クラウド会計ソフトなど、ITツールに柔軟に対応しているかも重要なポイントです。特にオンラインでのスポット相談を希望する場合、スムーズに接続できるか、画面共有などで資料を見ながら説明してくれるかなどは相談の質に直結します。ITリテラシーが高い税理士は業務効率も良く、スピーディーな対応が期待できます。

レスポンスの速さ

スポット相談は急ぎの案件であることも多いため、問い合わせに対するレスポンスの速さは重要です。メールや問い合わせフォームへの返信が数日経っても来ないような事務所は、実際の業務でも対応が遅れる可能性があります。迅速に対応してくれる事務所であれば、安心して依頼することができます。

どのような人が税理士へスポット相談を依頼した方が良いか?

以下のような状況にある人は、顧問契約ではなくスポット相談を積極的に活用すべきです。

創業したばかりで資金に余裕がない人

起業直後やフリーランスになりたての時期は、売上が安定せず資金繰りが厳しいことも多いでしょう。毎月の顧問料を固定費として支払うのが負担な場合は、決算期や確定申告期だけスポットで依頼するのが賢明です。事業が軌道に乗ってから顧問契約を検討すれば十分です。

自力で申告しようとしたが挫折した人

「自分でできると思って会計ソフトを導入したが、仕訳が分からなくなった」「確定申告の期限が迫っているのに終わらない」という人は、無理をせずスポットで税理士に助けを求めるべきです。間違った申告をして後で税務署から指摘されるリスクを考えれば、費用を払ってでもプロに任せる価値があります。

不動産の売却や相続など単発のイベントが発生した人

不動産の売買や相続は、人生で何度も経験することではありませんが、動く金額が大きく税務上の判断も複雑です。特例を使えるかどうかの判断一つで税額が数百万円変わることもあります。このような一過性の大きなイベントが発生した際は、その分野に特化した税理士にスポットで相談することが必須と言えます。

顧問税理士以外の意見を聞きたい人(セカンドオピニオン)

現在の顧問税理士の方針に不安がある場合や、特殊な案件で顧問税理士の専門外である場合は、別の税理士にスポットで意見を求めるのが有効です。特に組織再編や海外税務など高度な判断が必要なケースでは、セカンドオピニオンを得ることでリスクヘッジになります。

副業の収入が増えてきた会社員

会社員としての給与以外に副業での収入が増え、確定申告が必要になった場合もスポット相談が適しています。会社にバレないように申告する方法や、経費の範囲などについてアドバイスを受けることができます。

税理士へスポット相談する際によくある質問の例と回答

Q. 相談に行く際に準備するものは何ですか?

A. 相談内容によって異なりますが、直近の確定申告書や決算書、総勘定元帳、相談内容に関連する契約書や領収書、身分証明書などを持参するとスムーズです。事前にどのような資料が必要か問い合わせておくと確実です。資料が多ければ多いほど、税理士は正確な状況把握ができ、具体的なアドバイスが可能になります。

Q. オンライン(Zoomなど)でも相談できますか?

A. はい、多くの税理士事務所がオンライン相談に対応しています。全国どこからでも専門性の高い税理士に相談できるのがメリットです。ただし、資料の共有が必要になるため、事前にPDF化して送付するなどの準備が必要になる場合があります。

Q. 相談した内容は秘密厳守されますか?

A. はい、税理士には税理士法によって守秘義務が課せられています。相談者の許可なく第三者に相談内容や個人情報を漏らすことはありませんので、安心してありのままの事実を話してください。正確なアドバイスを得るためには、隠し事をせず情報を開示することが重要です。

Q. 契約を迫られたりしませんか?

A. 基本的には強引な勧誘をされることはありません。ただし、スポット相談の結果、継続的なサポートが必要だと税理士が判断した場合には、顧問契約の提案を受けることはあります。その場合でも、必要なければきっぱりと断って問題ありません。見積もりだけもらって検討するというスタンスで大丈夫です。

まとめ

税理士へのスポット相談は、必要な時に必要な分だけ専門家の力を借りることができる、非常に利便性の高いサービスです。毎月の顧問料という固定費を抱えることなく、確定申告や相続、不動産売却といった重要な局面でプロフェッショナルなサポートを受けることができます。

メリットとしては、コスト削減、専門特化したアドバイスの獲得、セカンドオピニオンとしての利用などが挙げられます。一方で、事業の深い理解に基づいた長期的視点でのアドバイスが難しい点や、繁忙期には依頼しづらい点などのデメリットも存在します。

重要なのは、自身の置かれている状況や解決したい課題に合わせて、顧問契約とスポット相談を使い分けることです。創業期や単発の案件であればスポット相談を、事業が拡大し継続的な経営アドバイスが必要になれば顧問契約を検討するというように、ステージに応じた選択が求められます。

税金の問題は放置すればするほどリスクが大きくなります。「分からない」「不安だ」と感じたら、まずは気軽にスポット相談を利用して専門家の意見を聞いてみることをお勧めします。適切な税理士との出会いが、あなたの事業や資産を守り、より良い未来へと導いてくれるはずです。

税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
この記事の作成者 
宮嶋 直  公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。