確定申告を税理士へ依頼する場合の注意点や費用相場について

税務

本記事は、確定申告にあたり税理士を探されている方に対して、税理士が対応しているサービス、税理士の費用・相場感、顧客が抱える課題、税理士を選ぶポイント、について記載をしていきます。

本記事を読んでいただくことで、特にこれまで税理士と契約をされてこなかった方が、税理士のサービス対応範囲を踏まえて、どのような税理士であれば自分に適しているかを判断ができるようになり、適切な税理士探しができるようになります。

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確定申告とは何か?前年の所得と税金の確定

確定申告とは、前年の所得と税金の金額を確定させるために、税務署へ確定申告書を提出することになります。個人事業主の場合は前年の1月から12月の所得について翌年の3月15日までに確定申告をすることになります。一方の法人については、決算期は法人が自ら定めるため、その定めた決算期の2ヶ月以内に法人の確定申告を行う必要があります。

赤字でも確定申告は必要か?

個人事業主の場合は赤字で申告すべき所得がない場合は確定申告は不要です。一方で青色申告の場合は赤字の場合、損失を繰越して翌年度の利益から控除できるため、確定申告をした方がメリットがあると言えるでしょう。法人の場合は確定申告が必要となります。

確定申告は税理士へ依頼可能

確定申告はご自身で対応する場合と、税理士へ依頼する場合の2パターンを選択することが可能です。確定申告の作成代行は税理士のみが独占的に対応可能な業務であり、無償だったとしても税理士以外の方は確定申告の代行ができないことに留意しましょう。

確定申告を税理士へ依頼するメリット

確定申告にかかる時間を削減可能

確定申告をご自身で行う場合は、時間がかかります。税理士へ依頼することで、この時間と手間を削減することが可能です。結果として本業に集中することができて、売上アップの可能性が出てくるでしょう。

正確な確定申告ができる

税理士というプロフェッショナルへ依頼することで、ご自身で対応するときと比べ、正確な確定申告が可能です。ご自身で確定申告を行う場合、どうしてもミスをする可能性があるため、ミスをなくしたいという場合には税理士へ依頼する方が良いでしょう。

確定申告の信頼性向上

金融機関等が確定申告書を見る際に、税理士が作成した確定申告書の方が信頼性が高まります。

税務アドバイスを受けられる

税法のルールを最大限活用し、顧客にとってメリットのある税選択に関するアドバイスを税理士から受けることが可能です。

確定申告を税理士へ依頼するデメリット

デメリットとしては、確定申告を税理士へ依頼する場合、やはり費用がかかってしまうことでしょう。特に年商規模が小さいときには税理士へ支払うコストが重たくなってしまうため、税理士へ依頼することにより得られるメリットを勘案し、税理士を活用するかどうかを検討するのが良いでしょう。

税理士の費用相場

確定申告費用

税務顧問をつけている場合と、スポットで確定申告のみを依頼するパターンがありますが、前者の場合はおおむね年間20万円以上が相場となってきます。また後者の場合は、1回の確定申告で15万円以上となるケースが多いように思います。もちろん顧客が個人事業主よりは法人の方が高くなりますし、年商が高くなってくるとそれに応じて費用も増えます。

オプション費用

上記以外に、年末調整や記帳代行などの業務も税理士が対応することが可能です。この場合は別途オプション料金となることが多いです。

税理士を探す方法

金融機関や知り合い等からの紹介

1つ目は知り合いから紹介してもらうことです。信頼している方からの紹介であれば、安心感があるかと思います。一方で、相性が合わない場合などは紹介をしてもらった手前、なかなか断りづらいという点があると思います。

インターネットの活用

2つ目はインターネットで検索するです。ご自身が住んでいる地域で検索すると税理士のホームページがインターネット上に出てくるはずです。最近の税理士のホームページは料金体系や強み、サービスの範囲など記載内容が充実しておりますので、その中でご自身のニーズに合った税理士と面談して決められるという方法はあるかと思います。

税理士紹介サイト

3つ目は税理士紹介サイトです。こちらもインターネット経由ですが、直接税理士へ問い合わせるのではなく紹介サイトのコーディネーターにご自身のニーズを伝えて、複数名の税理士を紹介してもらう流れになります。一般的に依頼者側は費用がかかりませんので、安心して利用することが可能です。税理士紹介サイト以外にも会計ソフト会社で税理士を紹介しているケースもあります。

確定申告はいつ税理士へ依頼するべきか?

確定申告を税理士へ依頼する、ベストなタイミングはいつになるのでしょうか?以下パターンをわけをして記載していきます。

開業時・会社設立時

開業時や会社設立時は税理士へ依頼するタイミングとして、一般的には多い時点です。開業時や会社設立時は税務視点からさまざまな論点があり、選択した処理によっては有利・不利が発生するため、税理士をつけるタイミングとしては良いタイミングと言えるでしょう。

消費税課税事業者

消費税の課税事業者になるタイミングも一つのポイントと言えます。従来の所得に対する申告に加えて消費税の申告対応が必要となり、確定申告作業が複雑化するため、本業に集中する上でも税理士への依頼を検討するタイミングでしょう。

個人事業主から法人成り

個人事業主から法人成りするタイミングも最適なタイミングと言えます。法人は個人と異なり法人税の申告が必要ですが、法人税の申告は個人の所得税申告よりも複雑なため、税理士への依頼を検討するタイミングと考えられます。

確定申告にあたって準備すべきもの

確定申告を税理士へ依頼するにあたっては、次のようなものを用意する必要があります。

通帳のコピー・インターネットバンキングの明細

預金口座の動きを把握する上で、通帳のコピー、インターネットバンキングの場合はインターネット上に表示される明細をダウンロードしておく必要があります。確定申告の対象となる取引全てが必要になるので、税理士へ渡す忘れのないようにしましょう。クラウド会計ソフトへ連携できる方については、使用している各口座を連携しておいた方が記帳が効率的になると思います。

クレジットカードの明細

クレジットカード明細は、領収証や請求書、預金口座迷彩と併せて使用するものになります。こちらも銀行口座と同じで、クラウド会計ソフトとの連携が可能な場合が多いです。そのため、クレジットカードを事前にクラウド会計ソフトへ連携しておけば基調作業が効率的になるかと思います。

売上明細、売上にかかる請求書などの証憑

売上の計上をする際に使用するものになります。特に売上は記帳をする上で漏れやすい項目の1つです。必ず、確定申告の対象となる取引をもれなく集めるようにしましょう。請求書と併せてご自身で売上明細を作成しておくと、記帳の際の入力の手間が省けるので便利です。

支払明細、支払にかかる請求書などの証憑

経費等を計上する際に必要となるものになります。支払側についても、漏れてしまうとせっかく経費計上できるものができなくなってしまうので、漏れなく集めるようにしましょう。売上と同じく支払いについても事前に受領した請求書と併せて支払明細を作成しておくと、記帳の際に入力の手間が省けるので便利です。

給与明細等

従業員を雇用されている場合は、従業員ごとの給与明細が必要になってきます。もしくは給与を一覧化している明細があれば、それも併せて提出するようにしましょう。給与についても支払と同じで経費に計上できる項目ですので、漏れなく集めるようにしましょう。

現金等で支払をした際の領収書・現金出納帳

現金で支払いをした場合には、銀行口座やクレジットカード明細を見ても把握することができません。現金支払いについても漏れやすく、こちらも経費計上ができなくなってしまうため、必ず確定申告対象期間のものは集めるようにしましょう。また、現金出納帳を記録している場合は、それも併せて提出するようにしましょう。

確定申告を行わなかった場合のデメリット

税金還付はできない

税金が還付ポジションの場合でも還付を受けるためには確定申告が必要になります。確定申告をしていない場合は、税金の還付を受けることができません。

加算税・延滞税のペナルティ

無申告の状態で税務調査が入った場合は、本来支払うべき税金に加えて、加算税や延滞税などのペナルティを受けることになります。思わぬ税負担となるため、事業にも影響を与える可能性があります。

所得証明ができない

金融機関からの借入などに必要となる所得証明が、無申告の場合はできません。税金部分だけでなく、借入ができない可能性があるため、事業へ影響が出てきます。

住民税も無申告

所得税・法人税の無申告状態ということはそれに紐づく住民税も無申告の状態になります。当然住民税にもペナルティが課せられることになります。

会計士と税理士は何が違うか?

税理士と似たような資格で公認会計士がありますが、何が違うのでしょうか?確定申告については税理士のみが対応可能ですが、公認会計士は税理士になる資格を持っているため、独立した多くの公認会計士は税理士登録を行い、確定申告等の対応を行なっています。公認会計士の本業は、企業が作成した財務諸表が正しく作成されているかのチェックを行う監査というものになります。そのため、ある程度の規模の会社でないと公認会計士のサービスを受ける機会はないかと思います。

確定申告を税理士へ依頼する場合の注意点や費用相場について まとめ

以上のように確定申告において税理士を選ぶポイントについて記載してきました。こちらの記事を参考にして、ぜひ税理士選びのサポートとしていただけると光栄です。

税理士をお探しの方は、宮嶋公認会計士・税理士事務所へお問合せください(初回無料相談)
この記事の作成者

宮嶋 直  公認会計士/税理士
京都大学理学部卒業後、大手会計事務所であるあずさ監査法人(KPMGジャパン)に入所。その後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア、大手デジタルマーケティング会社であるオプトの経営企画管掌執行役員兼CFOを経験し、現在に至る。